
先週の作業の際に大量のオーバーフローが発生していることが判明したキャブレター。
今まではフロート室内の清掃のみでしたが、今回はキャブを車両から取り外しフルメンテをかける事にしました。
細かい作業内容は整備手帳の方に順次上げていく予定ですので、今回はキャブの全バラ方法のみ上げていこうと思います。
①キャブを車両本体より取り外したらキャブ本体より固定ボルトの脱落防止板を起こしてからプラスボルト8本を外しリヤブラケットを取り外します。
(キャブの吸気側プレート)
ただしこのボルト。
かなりのトルクで締まってます。
プラスドライバーはちゃんとサイズの合った物を使用しないと『確実にナメる』のでご注意ください。
緩める際はキャブを安定した場所に置き、ドライバーを押し8:回し2の力配分で回しましょう。
しっかり押し付けながら回さないとネジをナメる原因になります。
ボルト8本を外したらリヤブラケットをキャブ本体から外すのですが、このブラケットはノックピンにてキャブ側に打ち込まれています。
簡単には外れないので、キャブとの合わせ面を傷付けないようにブラケットとキャブの間を少しずつこじりながら取り外します。
②リヤブラケットが外れたら今度はフロントブラケット(シリンダー側)を外します。
こちらもリヤブラケット同様、8本のプラスネジで止まっています。
シリンダー側から見て右側2番目と3番目を先に外した方がよろしいかと思います。
チョークレバーの下にも1本ネジが隠れています。
フロントブラケットが外れたら、バイスターターアーム(チョークの連動棒)を止めているプラスネジを右側より順に緩めてキャブを分離していきます。
一個ずつ作業するのは面倒かもしれませんが、4発全てバラすのでなく1台づつ順に作業をしたほうが良いです。
一見1~4番まで全く同じに見えますが実は全て微妙に部品の取り付け方法が違います。
順番が分からなくなる可能性があるので端から一台ずつ外し作業完了後は本体に番号を書く等して分かりやすくしておくことをお勧めします。
③各ブラケット、バイスターターアームが外れたら横にずらすとキャブが分離可能です。
分離したらまずバキュームチャンバーカバーを外します。
カバーを外す際は内部にスプリングが入っているので部品が吹き飛ばない様ご注意ください。
バキュームピストンをキャブ本体から抜く際は吸気ポート側より指を入れ下から押し上げて取り出してください。
ダイヤフラム部を掴んで引き上げるとラバー部分が切れる可能性があります。
④本体を裏返しフロートチャンバーを固定しているネジ4本を外しフロートチャンバーを開きます。
白い樹脂部品がフロートです。
これを止めているフロートピンをラジオペンチ等で引き抜くとフロート、フロートバルブが取り外せます。
※フロートバルブはかなり小さい部品ですのでなくさない様ご注意ください。
それと先端部分のゴム部分を傷付けると一発アウトです。
フロートバルブを取り外したらバルブシートを10mmのボックスレンチにて外します。
バルブシートとキャブレターボディーの間にはアルミ製のワッシャー(ガスケット)が入っています。
紛失にはご注意ください。
バルブシート先端にはストレーナーが付いています。
バルブシートを外した際、キャブ本体側に外れて残っている事があるのでその場合は網の部分を傷つけない様に注意しながら精密ドライバー等で取り出します。
画像が前後していますが、キャブの中はこんな感じです。
メインジェットは7mmのボックスレンチを使用しニードルジェットホルダごと。
スロージェットはマイナスドライバーで外します。
メインジェットはこれらジェット類の中では一番穴が大きく、実はあまり詰まる事はありません。
メインジェット本体よりも、メインジェットが付いているニードルジェットホルダに開いている横穴の方が詰まりやすいのでそちらを確認した方がよろしいかと思います。
⑤14mmのボックスレンチにてバイスターターバルブ(チョークバルブ)をとりはずします。
ネジ部がプラ製なので力の入れすぎに注意しましょう。
⑥パイロットスクリューを外します。
中には小さいOリングとワッシャー、スプリングが入っていますので紛失に注意してください
パイロットスクリューの先端は非常に細いです。
取り外しの際は曲げたり折ってしまわない様注意が必要です。
以上でユーザーでの分解可能範囲は終了です。
(厳密にはまだ分解可能範囲有)
これら取り外した部品について個別の分解整備内容は今後順次整備手帳側に挙げていきます。
組み立て方法に関しましてもまた後程(^^;
では(^0^)/"
追記
一つ大切な事を言い忘れてました。
キャブを引き抜く際、1番と2番、2番と3番、3番と4番の各キャブの間に同調アジャストスプリングというのが入っています。
これを取らずにキャブを引き離すと、キャブを分離する際に勢いよく飛び出しますので分離する前に同調アジャストスプリングを取り外す事をお忘れなく。
小さいスプリングですのでもし吹き飛んだら発見は困難です。
それと1番と2番、3番と4番の間にキャブレタースラストスプリングが入ってます。
こちらも紛失注意です。
