
本日(29日)より数か月振りにレストア作業の本格再開です(^0^)
29日の神奈川は朝からパラパラと雨が降ったり止んだりの繰り返し。
でも先週の事もあるので本日は作業を行う事にしました。
賭けは見事に的中し、作業時間中は雨も無くむしろ曇り空のおかげで快適に作業が出来ました(^-^)
という事で本日の作業内容です
前回作業時に2番シリンダーのプラグ締め付けの際に違和感を感じていました。
締め付けの感触がネジを舐めた時特有の何とも言えない感じがしたのです。
こういう時に無理に締めなおしたりすると、その一回転が致命傷になる事もあるので、その時はそのまま放置。
状況確認と万が一に備えて部材等をそろえてからのプラグホールのネジ山の状態確認と修復作業を行う事となりました。
プラグホールのネジ山の修正を行うにはシリンダーヘッドを外す必要があります。
専用のタップを購入すればエンジン外側からでもネジを切れますが、そうすると切り粉がシリンダー内に落ち、それが焼き付きの原因になります。
当初エンジンを搭載したままシリンダーヘッドを外す事も考えたのですが、作業スペースが狭く、ラジエーターが目の前にある事からエンジンを車体から降ろしシリンダーヘッドを外す事にしました。
①車体から作業上邪魔になりうる部品を全て外します。
外装、マフラー等ですね。
これらを外したら車体左側のウォーターポンプのドレンボルトから冷却水を抜きます。
ただしドレンボルトを外しただけでは冷却水は抜けないのでラジエーターキャップも外しましょう。
②冷却水を抜いたら各ホース、電装ケーブルを外します。
外しながらエンジン上部等にまとめると外し忘れを発見しやすいです。
全て外し終わったらいよいよエンジンを降ろします。
エンジン下部にジャッキ等を入れたらエンジンハンガーボルトを外します。
エンジン下側から外した方が良いです。
それと忘れてはいけないのが「スイングアーム取り付けボルト」です。
これが締まったままだとエンジン後方がフレームから抜けません。
緩めるだけで構わないんで、これも忘れずに緩めます。
ここですね↑
最後にエンジン前方のハンガーボルトを緩めたらエンジンを降ろします。
この際ラジエーターの傷付き防止の為にエンジンとラジエーターの間に手を入れてシリンダーヘッドを支えつつジャッキを少しづつ降ろしましょう
※怪我防止の為に皮手袋推奨
③エンジンを降ろしたら作業しやすい位置に移動。
写真はリフト付き台車で、ペダルを踏むと天板が油圧で上がり作業台になる代物です
ただこのままだとエンジンが倒れた状態なので作業出来ません。
エンジン下にブロック等を入れてエンジンを起こしましょう。
④エンジンを起こしたらヘッドカバーを外します。
カバー上部にあるボルト(6本)を外し、プラハンマーで軽く叩けば外れます。
カバーを外すとこんな感じ。
画像中央付近にあるオイルパスチューブをヘキサゴンレンチとボックスレンチ(10mm)で外します。
チューブの支持ステーでパイプを曲げない様に注意です。
その後はカムを止めている軸受けを取り外すのですが、部品の変形防止の為にカムの中央から対角線上に外側に向かって外しましょう。
吸気側カムを取り外すとこんな感じです。
カムを取り外したら排気側と部品が混ざらない様に分けておいた方がよろしいかと思います。
排気側も吸気側と同じ要領で外します。
⑤カムが外れたらカムギヤトレイン、シリンダヘッドの分離を開始します。
赤〇で囲っているボルトが「12角ボルト」、青〇が6角ボルトです。
この12角ボルトと言うのが少々厄介で、レンチサイズ的には8なんですがホームセンター等ではこのサイズでの12角ボルトに対応したボックスレンチが中々見つかりません。
しかも右側の穴は深く、差し込み角9.5のボックスレンチでは中まで入らないという鬼仕様。
ホンダ純正専用工具としても設定はあるようなのですが、ほぼ単発作業になる可能性が高いので費用対効果から考えるとちょっと微妙・・・。
そこで購入したのがこれ。
「スプラインソケット」というそうです。
個人的に所属しているコミュニティーのある方が教えてくれました。
差し込み角は6.35mm
これにエクステンションバーを組み合わせるといい感じに使えました。
ちなみに、今回は使用しませんでしたが低価格だったので試しに購入してたのがこれ
横からの写真はないのですが、充電ドライバードリル等で使用可能な12角ビットです。
ただこちらは形的にはビンゴだったのですが、棒ホムセンのPBだそうで精度がいまいちでボルトにはめると予想以上にガタが多く、無理に回すとボルト側を潰しそうだったので今回はPASS!
話がそれましたがこのほかに外側に4本、シリンダーヘッドを固定しているボルトがあるのでこれも外し、2番3番シリンダーの吸気ポート横にあるオイルパスチューブも外します。
干渉物が無くなったらシリンダヘッドを軽くプラハンで叩きヘッドを外しましょう。
但し取り外す際に注意です。
赤〇でかこった部品、これはカムバルブにかぶっているキャップです。
この内側に「シム」という小さい金属板が入っています。
シリンダヘッド取り外し後、そのままひっくり返すとこのシムがキャップごと落ちる事があります。
シムもクランクの部品交差の都合から場所により取り付けてる厚みが違います。
どこにどのシムが付いていたのかを記録しながら取り外しましょう。
⑥シムを外したらエンジンよりシリンダヘッドを外します。
今回はプラグホールの修復が主目的なので、用があるのは燃焼室側です。
でこちらが燃焼室。
生産から30年以上。
おそらくその間だれも開けたことの無いエンジン内部なので燃焼室内部のえげつない事になっているのではないかとドキドキしていたのですが、これがまた意外と綺麗。
で、今回ネジ山の一部を潰してしまったのが2番シリンダーなので、この状態にしてから燃焼室側よりタップを立てます。
使用したタップはこちら
プラグの仮置き台制作時に使用したM10/1.0ピッチのタップです。
元々今回の作業用に購入したものです。
タップ立て完了後に穴内部をパーツクリーナーで洗浄し、新品プラグを入れて入るかどうか確認します。
確認結果は成功でした。
ちなみに外したプラグと新品のネジ山状況比較がこちら。
写真では分かりにくいのですが、右がネジ山が潰れたプラグ、左側が新品です。
途中から潰れているのがわかりますか?
たったこれだけの為に大仕事です(;-;)
今日は夕方から娘の学校で個人面談。
エンジンはばらけたままですが、今日はここでお開きです。
来週以降にエンジンの組み立てに入ります。
あ、さっそく番外編で作ったプラグ置き使ってみました(^田^)
何気に良い感じです♪
関東は来週にも梅雨明けだそうで、これから気温がどんどん上がってきます。
熱中症には充分ご注意いただきバイクライフを楽しみましょう
では(^0^)/"