
6年ぶりにN-BOXが新型にフルモデルチェンジしました。
発売は10月なんで、予約を受け付けるための発表って感じですが、メディアでも詳細に公開されていますし、全国先行展示会もいろんなところ(なぜか近畿はほとんど無し)でやってるみたいですね。
私も先日N-BOXの点検でディーラーに行った時に、先行予約を強く勧められましたが、今回のモデルチェンジは自分的にガッカリ過ぎて買い替えなんてあり得ません。
既に予約済の方や、購入予定の方には申し訳ないのですが、今回のモデルチェンジほど会社事情が見えて嫌になるものはありません。
HONDAはずっと言われていますが、N-BOXしか売れないのにN-BOXの利益率が低すぎてビジネスにならないと。
そのせいで、主力車種のN-BOXに大きなシワ寄せがくることになったようです。
初代N-BOXから二代目にモデルチェンジした時には、売れている車を不動の地位にもっていくために、まったく手抜きせずに全てに完成度を高めて登場しました。
ライバルのダイハツ、スズキに差をつけるために軽とは思えないクオリティで圧倒しましたが、その分コスト高になって販売価格を高く設定せざるをえなかったようです。
それでも利益率が低くて、日本で一番売れている自動車になってもHONDAの利益増には貢献できなかったようです。
そのせいで、今回のモデルチェンジでは、たぶん会社から出された一番の指令が「コストカットして新型にしろ」だったのは確実です。
苦しい事情が見え隠れ(隠れていませんが)するモデルチェンジなんで新型になった魅力がほとんどありませんね。
具体的に何を言ってるか説明しますと、以下の点が納得できません。
まず、コストカットするために生産ラインの簡素化です。
ノーマルモデルのターボ廃止、ノーマルモデルのツートーンボディカラー廃止、全車種ロングスライドシートモデルの廃止。
定食屋なんかがメニューを減らして材料の仕入れを絞ったり、調理時間の効率を高めて客の回転を良くしようとするのと同じ手法ですね。
確かにコストカット、納車期間の短縮には繋がりますが、車を選ぶ自由度に欠けて本来は良くないです。
N-BOXの場合は、絶対売れるという自信からこの選択をメーカーはしていますが、完全に驕りだと思いますね。
次にパーツ、部品の使い回し。
これまでずっと、ノーマルとカスタムでフロント、リアのデザインを変えて個性の住み分けをしていたのに、今回はフロントのバンパーを使い回したために、ヘッドライト形状も変えられずに、ライト中身のみで誤魔化すカタチになっています。
もともと、ノーマルは可愛く、カスタムはカッコ良くのはずが、可愛いカタチのまま無理にカッコ良さを入れようとデザイナーが苦労してデザインしていますが、限界ありますね。
メッキが減ったのも、使い回しのせいでそうせざるをえなかったんだと思います。
リアもバンパーはそれぞれですが、これまでのリアゲート部分にパーツを追加することでカスタムのカッコ良さを出してしたものが、完全に同じリアゲートでカッコ良くないです。
テールランプもレンズをクリアにしただけで同じものになっています。
ちなみに窓ガラスもリアクォーターガラス以外は二代目と同じものの使い回しで、その形状に縛られたデザインになるんで、車のデザインバランスが一緒で二代目と変わり映えしないものになっています。
あと、カスタムのフロントフォグランプも廃止でオプションに回されました。
さらに内装。
カスタムのファブリックのドアトリムを廃止し、ノーマルと同じハードプラに。
ここも使い回し。 カスタム購入者の優越感を無くすカタチになってます。
写真で見比べたら明白ですが、完全の二代目のクオリティが上です。
あと、ハンドルの色がノーマルもカスタムもブラックのみ。 以前はノーマルのハンドルはブラウンやベージュといった内装色に合わせたものになっていましたが、ここも使い回しでコストカット。
小物入れを減らしたり、ギミックのある蓋や引き出し式ドリンクホルダーを無くすことで製造効率を上げてコストカット。
液晶モニターは新規採用ではなく、売れていないフィットの7インチを使い回し。
当然、画面表示は違いますが、これはプログラム変更で済みますから、製造には関わりません。
開発者インタビューでは、メーターは背の低い人のためにハンドルから覗くメーターに戻したとか言い訳していましたが、これも使い回しなんで仕方なくですね。
開発者は、可哀相だと思いますが、そう言うしかないでしょうね。
外観、内装だけならともかく、エンジンや安全装備にもほぼ新しい変更はなく、二代目後期型との差は感じませんから、ここもコストをかけていません。
しかし、ここまで見え見えのコストカットされたら、本当に萎えます。
こんな不完全なモデルチェンジでユーザーを騙せると思っているんでしょうか?
日本の自動車メーカーでホンダは巨大グループに属さず独立しているメーカーなんで経営の難しさはあるんでしょうが、これでは日本一売れている自動車N-BOXの地位も危ういと思います。
初代に乗っていた私のとこも、二代目が出たとたん、買い替える必要もないのに買い替えてしまいましたが、今回はいかに二代目を長く乗り続けるか考えています。
なんなら、次に出るスペーシアの方が期待してしまいますね。 もし新型スペーシアに大きな魅力があれば買い替える可能性もあるでしょうね。
N-BOXは、一年後に発売されると噂のクロスオーバーモデルを見て、縁を切るかどうか考えます。
そのくらい私はN-BOXのフルモデルチェンジにガッカリしています。