国鉄62系電車の実車写真をお目にかけましょう。
見た目、横須賀線を走っていた113系や中央東線を走っていた115系にそっくりですが、れっきとした旧型国電です。
松戸、津田沼、蒲田などの電車区から集められた旧型国電の72系電車は、昭和49年に鷹取、郡山、長野の国鉄の工場で台枠や走り装置を利用して113系や115系並みの車体の電車に改造されました。
こうして4両編成3本12両が改造され、身延線に配置されたのが62系です。
この62系が登場した頃は、身延線は戦前型電車の宝庫。
この62系、当時利用者からは喜ばれたようです。
しかし、昭和62年頃にJRに引き継がれる事無く廃車となりました。
当時静岡に住んでいた私は、自転車部の合宿や大会で山梨や長野方面に行く際、よく他の部員達と身延線を利用していました。(自転車を分解して電車に乗せる輪行というやつです。)
その際この62系には何度か乗ったことがありました。
外観は横須賀線113系風ですが、走り始めると旧型電車特有の吊り掛けモーターの唸るような
音、
音、
音。
ある時、この62系電車に乗って甲府に向かっていました。
向かいの席に座っていた小さな男の子が若いお母さんに向かって、「僕、あっちの電車の方がいいな。」と、当時最新のワインレッドの115系電車を指差して言いました。
「昔はこの電車しか走っていなかったんだよ。お母さんが高校生の時はみんなこの電車で通ったんだよ。」
この数年前にこの62系と同じ色をした身延線の戦前型の旧型電車は、ワインレッドの新鋭115系電車に置き換えられていました。
厳密に言うと、色は同じというだけで違う電車なのですが、そんな会話をするお母さんと息子…。
いつの時代も子供は新しいものがいいようですね。
私も子供の頃は新しい物の方がよかったような気がします。
富士から甲府まで各駅停車で3時間。
この変わった電車に乗り合わせた時は何か得した気分になりました(私だけ…?)。
それと、改造されたのが昭和49年ということで、わが愛車カペラと同じ年式?ということで妙に愛着のある電車のひとつでした。
Posted at 2009/01/13 22:38:04 | |
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