YOKOHAMA ADVAN dB V552  

タイヤ交換後、距離にして10000kmほど走行しましたのでレビュー。
この銘柄自体は型落ちなんですが、V553の性能を本気で知りたい人にとっては前モデルのレビューも読み漁るでしょうし、多少需要はあるかなと。
もちろん新品状態からの評価です。中古タイヤでレビューをしても何の参考にもならないと思うので。
車種はF50シーマの450XV中期モデルで、サイズは225/55R17、空気圧は規定値の2.3です。


1.静粛性
完璧ではありませんが、概ね満足です。
履き始めのロードノイズは新品スタッドレスのX-ICE SNOWとほぼ同等で、パターンノイズはV552の完全勝利です。走り出しから高音ノイズが抑制されていて非常に高級感のあるタイヤに仕上がっております。
しかしながら、10000km走行の残り溝7.0mmになってくるとロードノイズが目立ってきて、同じく10000km弱ほど走行したX-ICE SNOWの方が圧倒的に静かに感じますので、新品から摩耗時のギャップ性能は大したことはないようです。
不快感を感じるほどのノイズでは全くありませんが、履き始めと摩耗時で印象がかなり異なりますね。感じ方として、パターンノイズにはそれほど変化がないかな。

2.乗り心地
非常に素晴らしく、文句はありません。
サスが元々柔らかいなら、しなやかなタイヤを履かせた方がマッチしているのかなと思いますが、シーマのような車種にはベストマッチなタイヤの1つと言っていいでしょうね。スタッドレスであるX-ICE SNOWよりもしなやかでいいですよ。
そこそこ当たりが優しいのは確かですが、柔らかすぎることはなく適度なコシがあります。路面からの突き上げ音で不快に感じることも無いので、ツーリングが天国になります。

3.ドライハンドリング
十分ですね。
X-ICEからの履き替え直後は明らかにハンドルが重くなりますので、グリップの面積が増えているんでしょうね。乗り心地はソフトなのに。
時速80～100kmでワインディングを駆っても問題ありませんし、直線だけならリミッターまで出してもそこそこ安定している…と、死んだうちのお婆ちゃんが言ってました。決して私がそこまでスピードを出した訳ではないので勘違いされないようにお願いします。
車種は51のシーマになってしまうのですが、BSのGR-XIIほどインフォメーションを消しすぎるということもなく、走りを大事にしたい人に向いているタイヤと言えるでしょうか。

4.ウェットハンドリング
素晴らしい性能だと思います。
前がほぼ見えないほどの土砂降りの中、暴走族顔負けの荒いレーンチェンジを時速60kmで行ってもグリップが失われることはありませんので、つまり常識的な運転をしている限りはまず問題のない性能と言えるでしょう。
もちろんドライほどのグリップは得られませんが、制動距離は大きく伸びる印象も感じられないので、雨の日の全能感は半端なものではなく、神になった気分を味わえます。

5.転がり抵抗
素晴らしいです。
5ATという時代遅れのミッションに、マウント取り放題・大気汚染し放題の排気量4500ccのエンジンを積んでいるというのに、バイパス7割の街乗り3割で実燃費はリッター9.5という驚異的な数値になります。
エアコンは切っていますが、カタログ燃費が8であることからその性能の良さが分かりますね。スタッドレスでは9いかないくらいが多かったです。


☆まとめ
静粛性だけで言えば他に優れたプレミアムコンフォートタイヤはありそうですが、一定の水準はクリアしていて、路面からの突き上げ音で不快に感じることもまずないです。
乗り心地は柔らかくて快適なのに、コシがあるので疲れ知らず。
特定の路面状況に依存せず、走る曲がる止まるに関してはいずれも高い性能を発揮して、少ない転がり抵抗から燃費にも多少の貢献が可能。
総じて、快適なだけではなくグランドツーリングに向いたタイヤと言えるでしょう。
無駄に長距離ドライブをしてしまいますわ！


余談ですが、GR-XIIは摩耗してもスタッドレスのiceGUARD7と変わらないレベルで静かだったので、徹底的に静かで快適なタイヤが欲しいのであればGR-XIII、もしくはVE304を。
車としての根本的な安全性や、無駄な楽しさの趣味性を求めるのであればV553を選べば間違いないと思います。
次もデシベルで良いなと思えますので、V553行きが既に決定しているようなもの。それくらい素晴らしいタイヤ。

しかし、街乗りレベルだとこのクラスのタイヤは過剰なのは間違いないですね（笑）