人によって考え方は色々でありますが、よほどの大金持ちの方や、はたまた大規模な運送業者(1度の殺人事故の賠償額よりも保険加入料の方が高額という状況)でも無い限り、日本で車を運転する上では自動車保険(任意保険)への加入は必須です。
私には外国人の友人も居まして、以前、日本在住の南米の友人が車を買うとの相談を受けた際、当人の感覚が、任意保険なんて入らなくても大丈夫でしょうという感じだったので驚きました。日本では、ほんのちょっとこすっただけでいくら払うことになるかとか、電柱やガードレールを破損させたり、他人を怪我させたらどうなるかということを口酸っぱく説明しました。
外国ではちょっとこすったくらいならゴメンねで済む程度でも、日本では事故として扱い、また、修理費用についても自主的な修理なのか交通事故での賠償案件なのかで修理屋さんの見積もりが違います。
修理屋さんを手配するのは車の持ち主側であり、賠償を求められる自分が修理屋さんを選定することは出来ませんので、丁寧で腕前の良い値段の高い修理工場に出されてしまっても文句は言えませんし、工場側としても事故案件なんて保険適用が当たり前の定価で取れる仕事なのですから、精査特別サービス値引などする理由もありませんしむしろ綺麗に治せてこその顧客満足度なので、事故の修理が格安価格で処理される事はありません。
私は四輪の車を運転したのは日本とアメリカだけですので、全世界的なことは知りませんが、日本の自動車保険は免責なしの時でも非常に安価だと思います。ただ、自賠責保険と任意保険の2階建ての方式は個性的で、わかりにくくもあります。
今回はそういった点のおさらいとして書きますが、私は決して保険の相談員ではありませんので、参考にしていただくのはともかく、たとえ私が嘘を書いたとしてもそれは想定範囲内としていただき、保険選びの際はご自分で内容を確認されるようお願いいたします。
日本の自動車保険で最初に出てくるのは自賠責です。
●自賠責保険(車検時に強制加入)
まず、自賠責保険については、車検のたびに加入を確認され、自賠責に入っていない車は公道を走ることはできないようになっています。掛け金は、普通自動車と軽自動車でほんの少しだけ(2年で数百円)違いますが、ともに普通車カテゴリであるカローラかフェラーリかのその車種の違いによって額が変わるというようなはありません。保険会社によって値段や条件が変わることもありません。車1台ずつが必ず加入してあり、運転者が誰であるかも特定していません。
内容としては、事故における自分の過失についての賠償額のうち、自分(運転者)を除く他人全員への対人賠償のみが対象であり、保険で支払われる上限金額は、怪我は120万円、死亡は3000万円、後遺障害については4000万円までです。治療関係費、文書料、休業損害、慰謝料(日額4300円 x 事故から完治日までの全日数(ただし実通院日数の二倍の日数の方が完治日数よりも少ない場合は実通院日数の二倍の日数で計算)が支払われます。
これら上限金額は被害者1人あたりの金額です。割り勘ではありません。特筆事項として、ケガの場合、日本の公的医療保険(社会保険や国民健康保険)は交通事故に対しては原則適用されないため、3割負担ではなく10割負担の額での賠償となります。 これら上限金額を超える賠償責任については自己負担額としてポケットマネーを払う必要がありますので、そこを補償するのが任意保険の役割です。任意保険に加入した場合、この自賠責保険は任意保険会社によって引き出されますので任意保険に入っている人にとっては自賠責は特別意識をしないものとなっています。
この
自賠責保険というものは、対物賠償全てと運転者自身の身体には一切効かないと言うことは非常に重要なポイントです。
ここから下は任意保険となります。自賠責とは異なる点として、保険会社によって値段やサービス内容は変わります。またどんな保険会社であっても、車種によって値段が変わります。事故の時に相手を殺しにくい、同乗者を殺しにくい、修理代が高額になりにくい、そういったものが車の型式別に「料率クラス」として数値化されており、それによって掛け金の値段が変わります。料率クラスによる値段の順位というものはどんな保険会社でも同じとは限りませんが、ほぼほぼ同じと言っても差し支えありません。車の買い替え購入検討段階で今乗っている車種との違いを確認しておけば、保険を契約する段階になってから驚くということも少なくなるかもしれません。
料率クラス(損害保険料率算出機構のウェブサイト)
https://www.giroj.or.jp/ratemaking/automobile/vehicle_model/
車の用途によっても値段がかわり、レジャー用が一番安く、ついで通勤・通学用、もっとも高いのが業務にも使う場合となります。ただし、週5日ないし月15日以上をその用途に用いるという訳ではなければレジャー用とできます。
保険会社にもよりますが、運転者の年齢や車の年間走行距離、証券を紙でもらうかとか、支払いをカードにするかとか、契約をインターネットで行うかなどによっても値段が変わってきます。記名保険者以外が運転した場合は一切保険がおりないというような契約で値段を下げることもできます。
また、契約者の等級によっても割引・割増率が異なります。6等級からスタートし、保険利用をせずに無事一年を過ごすと1等級アップします。最高で20等級まで上がり、等級が高いほど掛け金が割り引かれ、等級が低いほど掛け金が割増されます。
事故等で保険を使うと3等級ダウンし、さらに事故有り係数3が付加されます。(相手のいないような事故については1等級ダウンで済む場合があります)。事故をして3等級下がり事故有り係数3が付加された同年にもう一度事故をして保険を使うとさらにまた3等級下がり、さらに事故有り係数3が追加されます。それでも翌年は事故なく保険利用がない場合は等級が1つ上がり、事故有り係数も1つ減ります。等級が高く、事故割係数も無い(少ない)方が掛け金が割り引かれます。事故有り12等級と事故なし12等級では事故なしの12等級の方が保険の掛け金は安く済みます。
等級は1等級から20等級まであり、契約する保険会社を変更しても等級は引き継がれます。ただし、7等級以上になった人が保険の解約をしてしまうと積み重ねた等級が消滅してしまい次回契約が6等級からになってしまいます。一旦車に乗らない生活に移行するとしても、10年以内にまた乗る可能性がある場合、これまで積み重ねて獲得した等級を維持する方法として、中断証明書というものをとっておけば10年間は等級の記録を維持しておくことができます。(5等級以下の状態の人は、解約をしても記録は消してもらえません。ただしそのような場合も解約から13ヶ月を経過すると消してもらえますので次回は6等級からの再スタートができます。)
少し変なルールとして、自分の配偶者・同居親族・配偶者の同居親族には等級を引き継ぐことができます。(引き継いであげると自分はまた6等級からの再スタートになりますが、引き継ぐ前の1台目の車が11等級以上であった場合にはセカンドカー割引でその家の2台目の車として7等級からのスタートとなります)。子供が同居しているうちに引き継いでしまえば得になることが多いです。
任意保険という文字通り任意であるため、自賠責にしか加入しないという選択をすることは自由ですが、事故とは起こすつもりがなくても起きるものであり、自分の言い分が通らなくても客観的事実から判定されて賠償責任を負うことは多々ありますし、自分の言い分としては相手のせいだと思っていても客観的判断により相手の過失が認められないことだってあります。内容こそ吟味はすれど、必ず加入すべきです。人それぞれ境遇が違います。車なんて使い捨てだという人にとっては車両保険は不要かもしれませんが、掛け金が安ければ少額でもかけておけば、他人の車を運転する場合に役立ったりもします。自分に必要なものは何で、本当に無駄な物は何なのか、それを10秒で導き出すためには、物事をきちんと理解をしておく必要があります。
●対人賠償保険
自分の運転する車の同乗者と自分自身を除く事故関係者の死亡やケガについての賠償責任のうち自賠責保険がカバーしない部分について実費が支払われます。上限金額は被害者1名あたりの額ですし、自賠責の方が先に適用されるため案外使われないことの多い物ですが、日本では対人賠償無制限というタイプに加入することが当たり前となっており、中途半端に金額制限をかけたところで保険の掛け金は大して安くなりません。
死亡事故の場合は葬祭費・遺失利益・精神的損害・その他の損害、慰謝料など実費の上限が見えませんし、ケガの場合も
日本の公的医療保険(社会保険や国民健康保険)は交通事故に対しては適用されないため、3割負担ではなく10割負担の額での賠償となります。治療・通院・入院費など高騰しうる部分であり通常は上限を設定しない対人無制限の契約が一般的です。むしろ対人無制限以外のプランが存在することすら日本国内ではほぼ見かけなくなりました。
あまり知られていない重要な注意点としては、
自分の子供、親、配偶者、そして自分の使用人(雇っている職員など)を自分で轢いてしまったような場合に対人賠償はおりないです。自分自身はもちろん、親子、家族には賠償という概念がそもそも無いからです。(それでも自賠責だけはおりるので、変な解釈基準だなとは思います)。使用人についてはその時自分の命じた仕事に従事中の場合のみおりません。使用人についてのルールも個人的に合点がいきませんが、とにかく、たとえ偶然、はねたのが自分の親や子供や配偶者や、従事中の使用人だったとしたら対人賠償保険はおりません。このことは肝に命じておくべきです。(ただし、自賠責と、また後ほど説明する人身傷害保険が家族を含んでカバーされます)。
●対物賠償保険
自分が運転する車自体を除く物体(車や建物や道路構造物やペットなど)への賠償責任について実費が支払われます。上限金額は保険契約ごとに異なるため金額のチェックが不可避。通常は上限を設定しない対物無制限の契約が多いが1億円程度の上限設定の契約も少なからずあります。(1破損物あたりの上限ではなく事故における総額ですので間違いなく無制限契約の方が良いと思います)。
全損の場合は時価評価額となりますが、一部損壊の場合にもその修理価格が時価評価額を超える場合には全損同等までしか支払われないため、上限価格は車によって変わって来るということは一つの注意点です。
オンボロの車と痛み分けの事故をした場合ならいいのですが、たとえば事故現場付近のお家の駐車場にとまっていた車に突っ込んでしまったというような場合、その車の持ち主は本当に何ひとつ過失はなく、ただ自宅にとめていた愛車につっこまれた訳で、それなのにその時の評価額が15万円と算定されたらどう思うでしょう? まあ赤の他人なら、それが世のルールだからと言い切れるかもしれませんが、同じ町内の人だったらどうでしょう? 自分が一方的に突っ込んで廃車にさせたのに、15万円しか賠償できないのでは、相当嫌な目で見られますし村八分にもされかねません。保険で賄われない分は自腹で賠償いたしますという示談をせざるを得ない場面があり得ます。
このようなケースに備えて、対物超過修理費用補償特約という物に追加で入っておけば、時価を超える分を25万〜無制限まで、保険から支払ってもらうようにすることができます。
対人・対物の賠償保険は、事故相手との過失割合(100vs0、90vs10、80vs20、70vs30、60vs40、50vs50 等)によって、悪い方が多く払います。片方の車がお行儀よく停止していた場合を除いて100vs0というような過失割合にはなりません。走っていたら10%程度は悪者になります。自分が10%悪くて相手が90%悪い事故だったとして、こちらの被害総額が500万円、相手の被害総額も500万円だったとしたら、自分は相手に50万円を支払い、相手は自分に450万円を支払います。実際には保険会社が払ってくれるので財布は傷みませんが、等級は下がり事故有り係数がつくので翌年からの保険料は予定よりは高くつきます。もし、ほんの3万円程度の賠償額で済む場合であれば保険は使わずに自腹で賠償して等級を守るということもできますが、大抵の場合、保険を使った方が得です。保険会社に確認すれば、今後事故をしないという仮定での損益分岐点などは教えてくれます。
また自分の500万円の被害のうち、相手は450万円しか賠償してくれませんから、対人賠償・対物賠償にしか入っていなければ残り50万円は自腹になってしまいます。それじゃああんまりなので、次に説明する人身傷害と車両保険も入っておいた方が良いでしょう。
●人身傷害保険(搭乗者傷害保険についても予備説明)
人身傷害保険は、前述の対人賠償保険では適用外である運転者自身と同乗者のケガや死亡について実費が支払われます。死亡の場合は葬祭費・遺失利益・精神的損害・その他の損害の合計にて算定。車の運行に起因する事故等で生じたケガによる治療費・休業損害あるいは死亡による逸失利益・精神的損害等、1名につき
過失割合にかかわらず限度額の範囲で実際の総損害額(ただし判定は保険会社が行う)がおります。
対人賠償と比較すると補償する人数が少ないため普通乗用車においての上限設定は1億円程度とする保険もありますが、1億円制限と無制限の掛け金の違いが大差無いため無制限にする場合が多いと思います。保険契約車に搭乗時のみに限定して補償される場合と、それ以外の時や車外でも(契約車以外の車に乗車中や、歩行中や自転車移動中などでも)に補償される場合で掛け金が異なります。
自分だけでなく家族もカバーされますので、子供がいる人は非搭乗時(車外含む)の契約は安心だと思います。自分の駐車場で下車済みのないし乗車前の自分の子供を怪我させた場合、自賠責以外でカバーできるのはこれの車外契約になります。(対人賠償保険は家族には無効なので)。
この人身傷害と似た保険として搭乗者傷害保険がありますが、人身傷害との違いは実費ではなく症状に応じて定額である事であり、あくまで生命保険的な意味合いとして人身傷害の補足として使われます。貯金がほとんど無いような人は搭乗者傷害にも入っておいた方が良いかもしれませんが、保険が降りるまでに先払いしないといけない病院代程度には困らない人はあまり必要無いんじゃ無いかと思います。保険太りしたい人にとっては入るべきものかもしれませんが、それも見越して保険料は高いので個人的には搭乗者傷害の方は不要だと思っています。少なくとも人身傷害なしに搭乗者傷害のみの付帯と言うケースはほとんどありません。通常レンタカーやカーシェアリングでは人身傷害が付帯されます。私も人身傷害には無制限で入ってますが、搭乗者傷害は入っていません。
●車両保険
前述の対物賠償保険では自分が運転している車の損害について相手が相手の過失割合に応じて賠償してくれますが、足らない部分を自腹とならないよう保険で実費が支払われるのが車両保険です。全損の場合は時価評価額となりますが、一部損壊の場合にもその修理価格が時価評価額を超える場合には全損同等までしか支払われないため、上限価格の設定が車によって変わって来ます。
どんなタイプの事故でも車両保険がおりるような契約であれば、わざと山肌にこすって自損事故を装い、車体側面広範囲の修理を行うというような詐欺をする人が出て来ても詐欺だと立証しにくいので、そのような条件の保険は掛け金自体がかなり高く設定されます。
リーズナブルに加入できる、車対車 という条件つきプランがあり、事故相手が特定できた場合の車対車の事故に限定して保険がおります。(当て逃げで逃げ切られるとおりません)。また、免責金額(保険を使う場合でも自腹を切らねばならない定額)が5万だったり10万だったり、あるいはその年の1度目の事故は免責0円(全額保険で賄える)だけど2回目からは免責10万円(自腹)というような契約もあり、こういった制限により掛け金を下げることができます。
保険の話なのであまり関係ないですが、物損事故と人身事故の大きな違いは、人身事故には違反点数がつくということです。物損では家屋や店舗やビルに突っ込んで建造物損壊となるくらいと違反点数がつくこともありますが、人が怪我をしないような物損事故に違反点数はつきません。
ぶっちゃけ物損事故において、自分も事故相手も双方が、対物賠償も車両保険も十分な金額で入っていたのなら、100vs0 や 0vs100 の場合を除いて過失割合は大して意味を持ちません。そっちが悪い、30 vs 70 だとか、いやいやそっちが悪い、60 vs 40 だとか、言い合いをしたところで、結局は全額が双方の保険から双方に降りるのですから同じです。それでもなぜか、過失割合にこだわる人がいます。時間の無駄です。
相手が無保険車だったり、車の貸し借りの際に貸主や借主の双方に知識が不足していて保険適用とならない場合は悲惨です。1〜2万円でも賠償額を減らそうと嘘を言ったりしてきます。ただ、たとえそういう相手でも、基本的には自分の保険会社の人が示談交渉をしてくれますので自分が直接相手することは自分にも過失がちょっとだけでもある場合については、保険会社に任せておけば良いのでそれほど気苦労はありません。
●その他1(弁護士特約)
自動車保険加入のメリットは、自分の責任にまつわる賠償請求を保険会社が支払ってくれるというだけでなく、事故処理(示談交渉)を代行してくれるということです。もしも、自動車保険(任意保険)に加入していなかったら、事故相手との過失割合についての示談を含め、全て自分で行う必要があります。相手に自分の言い分を伝え、相手の言い分を聞き、お互いに納得のいく落とし所がなければ、裁判をして裁定をもらう。大変です。
自動車保険(任意保険)に加入していれば、とりあえず状況を説明さえすれば、全て保険会社が処理してくれます。(それでも、死亡や後遺障害などに自分が関わった場合は、責任割合に関わらず、人として、お見舞いをすることは必要だと思いますが)。
保険は使うことで等級が下がります。ただ、自分の過失が0%の場合、保険を使うことはありません。自分が駐車場に駐車していたら、よその車が突っ込んで来たという場合や、赤信号で停車していたら後ろから突っ込まれたというような場合、自分に過失は無いので保険を使うことはありません。ただ、その時、突っ込んで来た相手の頭がおかしかったらどうなるでしょう? こんなとこに停めてたお前が悪い、俺はむしろ被害者だなどとまくし立てて来たら、とても面倒です。こちらとしてはその相手に修理代金全額を請求するだけの話なのに、訳のわからないことを言い出すような奴が相手だとしたら、いちいちそんな輩に向き合うのは気苦労以外のなんでもありません。あえて自分に1割程度の過失を認めて保険会社に入ってもらった方が楽だろうという考え方をしたくなるくらいの話になるやもしれません。しかし、そのような場合は、弁護士を雇って自分の代理人となってもらい、その頭のおかしい奴の相手をしてもらうというのが筋ってもんです。
弁護士費用補償特約というものに入っておけば、0-100で自分が無過失なおかげで保険会社が示談交渉してくれない案件に弁護士を使い、その弁護士費用を保険で賄うことができます。(弁護士費用の上限等は契約次第)。ちなみにこの場合は
等級はダウンしません。
●その他2(他の車を運転するときの特約)
自賠責は人ではなく車が入る保険です。任意保険も原則は車が入るのですが、内容的には人とその家族をカバーする部分も結構あります。
自分が運転して事故を起こしたのが自分の車ではない場合(例として、友人の車を運転中の事故など)、原則としては事故をした車(例では友人の車)が入っている自動車保険を使うことにはなりますが、その保険を使うことで車の持ち主は翌年からの等級が下がってしまい、事故がなかった場合と比較すると、上限等級に達するまでは割増の保険料を払うことになります。つまり金銭的に迷惑をかけます。
昨今、他車運転特約が自動付帯するため(オプションで自分で加入しないといけない場合もまだあるかもしれませんが)、
この特約があれば、他人の車で事故を起こしても、自分の車の保険を用いることが可能です。この場合、自分の車が車両保険に入っていれば、自分が事故を起こした他人様の車の損害分も補償されます。たとえ、その借り物の車自体は車両保険に入っていなくても、自分の車が車両保険に入っていさえすれば済みます。
つまり、自分が車を貸す(あるいは共同の旅行等で運転を交代する)場合、その人が自分でも車を持っていて自分で自動車保険に入っている場合と、自分では車を持っていない人の場合、リスクは大きく違うということを意識しておく必要があります。田舎の人はほとんどが自分で車を持っているでしょうが、都会では自家用車の所持率は1割以下です。自分の意志で自分の車を他人に運転させる場合は事故についても自分が責任をとる心づもりが必要です。
また、頼まれて車を1日だけ貸すような場合、今は自動車を所有していない人が家族や友人の車を借りて運転する際にその時だけ1日単位で加入できる非常に安価な保険がありますので、それに加入してもらうようお願いする方が望ましいです。車を持っていない人の多くは車の保険についての知識が皆無であることに気をつけないといけません。(自分で車を持って乗っているのに知識が無い人も残念ながら少なくありませんが)。
●その他3(運転者制限・年齢制限・他の者が運転した場合の条件)
保険が使える場合の運転者の制限について。記名保険者のみ、あるいはその配偶者のみ。あるいはその同居家族のみ、などの区分けよって、また年齢制限をすることによって保険料が下がります。
ただし、同居の親族以外の他人を認める設定は個人的に必須だと思っています。自分の身体に異変があった場合に、誰かが運転してくれたりするケースを想像して、その際の事故に保険が使えないのは心苦しいからです。
同居家族以内の部分は年齢制限をかけた上で、赤の他人に運転してもらう場合は年齢無制限としておくことができます。赤の他人の年齢制限無しについては自分の使用人(従業員)は含まない、つまり家族扱いになることには注意が必要です。
使用人という考え方は根拠が古すぎると思うのですが、保険対象の落とし穴として頭に入れておかないといけません。自分の使用人が起こした事故については賠償対象とならないものがあります。自分が直接雇っているアルバイト君に運転をさせてその人が事故を起こした場合に保険が効かない可能性があります。
●その他4(通販系か代理店系か)
よほどの面倒臭がりか思考停止した人、あるいは誰も驚くくらい頭が悪くて約款の内容の理解ができない人でなければ、通販タイプの方が補償内容に対する掛け金の安さでは勝ります。少なくとも、近所の保険屋のオバちゃん(都会では皆無ですが田舎にはまだ存在するようです)にお願いするメリットは人付き合いという面を除いてほとんどありません。
ただし、車を買うときの値引き条件として、あるいはメンテナンス契約などと付随して、車の販売店が代理店となっている保険への加入を条件に利益がある場合などは、代理店契約を考えても良いと思います。
代理店系の保険ならではの利点もあります。複数年契約により、事故を起こして保険を使ったとしても一定期間、保険料の割増とならないというような契約ができるのは代理店ならではで、通販では見かけません。
実際に保険を使う際にも、通販系は比較的ドライですので、事故当事者である自分の説明をそのまま受け取ってくれます。つまり自分が変な説明の仕方をしたせいで、おりるものがおりなくなる可能性が否めません。代理店系では、担当者というものが存在するので保険会社本体とはワンクッション置いた状態で、事故後でも「たられば」を含んだ相談が実質的に可能です。
また、たとえば、ゴールド免許割引について、配偶者がゴールド免許で、自分は青色免許の場合、主たる使用者を配偶者にしておけばゴールド免許割引は適用されます。代理店系の担当者は、何食わぬ顔でこれを勧めてきます。売ることが優先ですから。しかし通販系ではこういったことは絶対にしません。主たる運転者の定義は、いちばん多く運転する人ですから、事実を記入するようにと言ってきますし記載内容が事実でないと発覚したなら賠償金の支払いも必ず拒否することでしょう。代理店型はこの辺りはわかった上でかわかる手段なくしてか、比較的流しているように見えます。
●その他5(ロードサービスとJAFとの違い)
いまどき自動車保険に無料のロードサービスはついていて当たり前という感じですので、車を持っている本人がわざわざ別の会費を払ってまでJAFに入るメリットはあまり無いと思いますが、保険会社付帯のロードサービスは各社内容に違いがあります。ひどいものだと、自宅駐車場でのトラブルはサービス外なんてものがあったりして、もしそんなのだと冬の早朝にエンジンかけようとしたらバッテリー上がってたというような場合に救援が来ません。実際これはSBIが1年だけこういう条件改悪を行ったのですが、おそらく相当数の契約転出が発生したのか、すぐに改正しなおされました。
実際に事故での保険利用よりロードサービスの方が多く利用機会は想定されます。バッテリー上がり、鍵の閉じ込め、ガス欠、タイヤバースト、パンク、脱輪、降雨水没、部品脱落、その他レッカーで工場に入る故障案件くらいは想定して規約を読んで保険会社選びをすべきです。
具体的には、レッカーで無料で運んでくれる距離条件(保険会社指定工場ならば距離無制限だけど自分指定なら一定距離以内までとか)や宿泊させてくれるホテルのグレード(最寄りのビジネスホテルか、距離範囲内でシティホテルを指定できる違い)、それから降雪によるスタックが救援対象かどうか(JAFの広告では保険会社のロードサービスはスタックに対応しないと書かれていますが、あくまで保険会社各社のサービス内容によって異なりますので、サービスありの会社はあります)というような部分が見比べるポイントになります。
最近では降雨による地下道の水没なんかもニュースでよく見かけますので地域によっては想定しておいた方が良いでしょう。
ロードサービスのみの利用をしても等級には一切影響はありませんが、ガス欠の際の燃料補給が10Lとか20Lとかを無料で入れてくれるような特典は年に1回までとか、2年以上の継続契約の人に限るとかいう制限はついているはずです。ケチなところだとインキー救援すらも年一回だとか書いてあります。各社最も改定が多く競争の激しい部分でもありますので、実は、毎年チェックはしておいたほうがいいポイントです。
ロードサービスについては他車運転特約の有無に関わらず、車自体に入っているという考え方です。つまり、自分の車のトラブルであれば、自分が運転していようと他人が運転していようと自分の車のロードサービスが使えますが、自分が他人の車を運転している場合には使えません。他人の車を運転している際に利用できるのはその車の持ち主が入っている保険のロードサービスとなります。
これに対して、JAFというのは人が入るサービスで、さらには運転時に限らず同乗しているだけでも有効です。つまり自分が乗っていれば自分の車はもちろん他人の車でも有効ですし、運転していなくとも自分が同乗しているだけで有効です。家族会員(生計が同じであれば別居でも、つまり仕送りで遠方の大学に通う子供など)の制度もあり、サービス内容も保険会社のロードサービスの最上級ではあるので、条件がマッチすれば入会しておくのは良いでしょう。複数名移動している際に1人でもJAF会員がいればとても心強いです。地震・噴火・津波によるトラブルや、パンク時にスペア交換ではなくパンクそのものの修理(補修剤注入ではなくちゃんとしたパンク修理)までしてくれるのはメリットです。
太い歩道のある都市部の管理道路であれば多いと週2、少なくとも月1で深夜に道路清掃車が来て路面の清掃をするので変なものを踏むリスクは少ないですが、生活道路ばかりの地域は近隣住民の努力清掃のみです。産廃を積んだトラックの走行が多い場合など、変なものを踏んでパンクするリスクは地域環境によって高低があります。生活地域によって災害と関連づく性質も異なりますから、人それぞれと言う感じはあります。附帯ロードサービスの充実度は無視して保険会社を選び、別途JAFに入るということにメリットがある人はそのようにすれば良いと思います。
●その他6(レンタカーなど)
ここまでは、自分が車を所持して保険に入るという観点で考えていました。さて、沖縄や北海道などへ旅行に行く際、公共交通機関が貧弱なため、レンタカーを借りることが多いと思いますが、その場合はどうでしょう?
ちなみに、日本のタイムズカーシェアリングだと、自賠責・対人・対物・人身傷害・車両保険の5本立てでいずれも条件制限なしで免責も0ですが、ローバジェットのレンタカーだと対人対物車両は上限無制限で、人身傷害には1名あたり3000万円上限、保険を使う場合の免責(借り手が自腹を切る金額)5万円、ついでにノンオペレーションチャージ(NOC)まで別途となっているような場合が多いです。ただし免責についてはたとえば24時間あたり1000円の保険料を追加で払えば免責0の契約にできるというようなオプションが必ずと言ってもいいほどあります。
また、自分が自分の車に加入している自動車保険の他車運転特約でカバーすることは、特別に禁止規定の無い限り、可能です。もしもレンタカー屋が保険なしプランも用意しているのであれば自分の保険だけでカバーすることは可能です。(ただし、先述の、自動車を所有していない人が家族や友人の車を借りて運転する際に1日単位で加入できる保険は、レンタカーやカーシェアリングには適用しないと明記されていることがほとんどです。)
レンタカーでは多くの場合、基本の保険が自動付帯になってしまっていますし、少なくとも私が沖縄で使っているレンタカーは免責なしプランでも十分に値段が安いので、当て逃げされても自分の保険を使うことは無いようにしています。自分の保険を使うと等級は下がってしまい、翌年から掛け金が割高になります。
海外旅行の際も、公共交通機関が充実した国と地域では鉄道やバスを利用しますし、海外では電車やバスに乗るのも楽しい経験です。また、公共交通が満足に発展していない地域でも、アジア各国ではGrabやUberでのタクシーが非常に安価で便利ですのでわざわざ自分で運転するケースは多くありません。その場合の事故時には、相手国の保険制度まで調査するのは至難なため、原則自分で海外旅行保険でカバーします。ただ、アメリカ、しかもハワイあたりだと、国際免許すら不要ですから(※)レンタカーやTUROなどのカーシェアを借りて自分の運転で旅行するケースはとても多いです。自分が運転する場合には海外旅行保険は適応外となることも分かっておかないといけません。
日本の旅行会社を通すとぼったくりみたいなレンタカーばっかりですが、実際には多くのレンタカー会社があり、中にはTURO登録している小規模レンタカー会社などもありますので私はそういうのを利用しています。アメリカでの自動車保険については日本とかなり異なり、日本の自賠責・対人・対物・人身傷害・車両保険の五本立ては、アメリカだと下記の三本立てです。
※ハワイ州では日本の免許証はそのまま法的に有効で、国際免許証は必要ありませんが、日本の免許証の発行年月日や有効期限や生年月日などが全て和暦のため、英語翻訳した物を携帯していないと、おまわりさんの確認に時間がかかります。
1. Supplemental Liability Insurance
(Supplemental Liability Protection)
他人に与えた損害賠償。上限金額は自動車登録地域(州や市)ごとに決められている。ただ、免責が3000ドル(約30万円!)というような高価なものがあるので注意。少し掛け金を足してプレミアムにすれば上限金額は100万ドル(約1億円)で免責額が0になったりする。
2. Loss Damage Waiver
いわゆる車両保険。プレミアム料金であっても車両保険部分の免責は500ドル(約5万円)くらいかかったりするので注意。
3. Personal Accident Insurance
運転者自身や同乗者が怪我したときの医療費について支払われる。日本でいうところの人身傷害もしくは搭乗者傷害のようなもの。
フルカバーと書いた保険もあるけれど、フルって何なのかをよく読んだ方がいいです。特に免責金額。
私は、海外ではあくまでレンタカーやカーシェアでしか車に乗っていないので長期契約はよく知りません。また、自分の体は、無免許運転でない限りは運転中であっても日本のクレジットカードの保険の傷害保険部分は適用されます、(金額的にせいぜい100〜300万円程度です。カードの保険で数千万円程度設定されていることの多い賠償保険については車両や船舶を自分が運転する場合には適用されません)。
アメリカでも日本でも、事故が発生したら(たとえ当て逃げでも)必ずその場に警察を呼んで、事故の内容を記録してもらって事故証明を作成してもらわないと保険は出ません。
自分の車であれば、このくらいの傷は構わないとか、このくらいの傷は修理しようという采配が自分自身でできますが、レンタカーは借り物です。たとえば、どこかの観光公園の駐車場に止めてるうちに、当て逃げをされてボディがヘコんでしまったとしましょう。この時の判断を間違えてはいけません。こんな時のためにフルカバーの保険に入っているからこんな傷はへっちゃらだと言ってレンタカー屋さんに乗って帰ってはいけません。たとえ現場には防犯カメラもなく絶対に相手が見つからないような状況であったとしても、まず警察を呼んで当て逃げ事故があったことを証明しておかないと、あとで車の持ち主が保険会社に修理代の支払い請求を行うことすらできなくなってしまいます。
事故現場に警察を呼ばなかったら、そもそも車両保険に入っていないのと同じということになってしまうので注意です。
このコロナがおさまるまで、なかなか海外旅行に行くことも憚られますが、外国に行くと、交通ルールの違いはとても面白いです。インドとアメリカは正反対です。日本はクラクションを使わないあたりはアメリカ的ですが歩行者に対しては全く優しくありません。
アメリカでは歩行者がいれば車が止まるのが当たり前なので、自分が運転してる際、歩行者は私の車が止まるものだと過信して道を渡って来られるのでうっかり轢き殺しそうになります。いかに自分が日本で歩行者を見ていないかを身につまされます。
インドでは歩行者が車間をうまく渡ってくれるものだという前提で走行車両は一切減速しません。現地の歩行者たちは上手に渡っていきますが、日本人歩行者の私としては恐ろしくって何分たっても道を渡ることができません。2本縄の大縄跳びより難しいです。インドにも自動車保険は存在しているが、事故率が高くて、掛け金は右肩上がりらしい。ちなみにインドは薬代を除き治療費は無料の国です。薬代もとても安い(薬には特許を認めていないのでジェネリックがすぐ出てしかも安い)ので、保険会社の負担の多くは対物賠償なのでしょう。インドの自動車保険は対人対物のセットと、車両保険の2本立てだと聞きましたが、詳細は知りません。
日本の保険は細かく複雑で少し分かりにくい部分はあるものの、総合的で充実した内容の補償が比較的安価に受けられるように思います。