コマンドナビはBluetoothでiPhoneと繋がり、ステアリングのボタンでハンズフリー通話することができます。
また、公式ないし非公式(隠れ機能)の機能で、オーディオソースとしてのBluetoothオーディオでiPhoneの音楽を聴くこともできます。
ベンツに限らずとも、このような機能は多車種で搭載されているかと思います。後付けのカーオーディオ一体型ナビ機もしかりです。
iPhoneと車がBluetoothでリンクし、その通信の中でのこれらの2つの機能は似てはいますがそれぞれ別チャンネルで行われていることです。チャンネルという概念は考え慣れていない人にはクエスチョンマークかもしれませんが、擬似的に有線に例えて説明すると、iPhoneと車がBluetoothリンクという太いパイプで結ばれている状態で、実際の通信はその太いパイプの中に複数ある細いチャンネルラインのうちどのチャンネルで通信するのかを選ぶ事ができるという概念で捉えてください。
通話としての通信チャンネルでは相手の声を受けて自分の声を送る双方向の通信ですが、いわゆるオーディオソースとして選べるBluetoothオーディオというチャンネルは一方通行の通信です。これらは別物です。Bluetooth通話と、Bluetoothオーディオは別のものだということをGoogleMapアプリケーションはしっかりと教えてくれます。
BluetoothオーディオではiPhoneのオーディオ出力をiPhone本体のスピーカーから鳴らすのかBluetoothストリームに向けて鳴らすのかの切り替えをiPhone側で選択した上で、車側でのオーディオソース選択をBluetoothオーディオにすれば車から音が鳴るわけです。iPhoneの音楽再生アプリだけでなく、Yahoo!カーナビや、GoogleMapの音声案内を鳴らすこともできます。iPhoneでの音楽再生をバックグラウンドにしてiPhoneでの地図案内をさせることもiPhoneの機能としてできます。
Google Mapの場合、地点検索をする欄の右、(右上)の自分のGoogleアカウントアイコンをタップするとこのような画面になります。
ここ↑の設定という行をタップしますと次の画面↓に進みます。
設定の中のナビという行をタップします。
ここの、“Bluetoothで音声を再生”がONで、もうひとつ下の”Bluetooth通話として開始”がOFFになっているとBluetoothオーディオソースとして車から音声案内が鳴ります。
iPhoneのミュージックアプリケーションでBGM音楽再生をしながらGoogleMapの案内音声を鳴らすという事もiPhone側の機能として可能です。とにかくiPhoneの音が出る状態になれば後はiPhone側で設定することになります。
iPhone側の音量コントロールが効いてますので、何も鳴らない人は音量が0になってしまっていないか確認してください。Bluetooth接続時のときの音量はスピーカーやヘッドフォンレベルとは別になりますので実際にBluetooth再生中にiPhoneの音量を設定する必要があります。この設定はiPhoneでは自動保存されます。
あまり知られてませんが、Googleマップでは、通話チャンネルを使った音声案内も可能です。
先ほどの設定で、“Bluetooth通話として開始”をONにすると、Bluetoothオーディオとは別のチャンネルである電話の通話チャンネルを用いて音声案内が鳴ります。
オーディオソースとしてラジオを聴いていようがCDを聴いていようがテレビ音声を聞いていようが、電話がかかってきたら自動的に通話が上に被さりますよね。
それまで聴いていたオーディオはレベルリダクションされるかミュートされるかは車によって違えど、何らかのオーディオを聴きながらバックグラウンドで待ち受け状態にある電話に着信があると電話音声がフロントタスクになります。
“Bluetooth通話として開始”は、Bluetooth通信内のこのチャンネルでナビ音声が鳴るわけです。
つまりオーディオソースがBluetoothオーディオでなくラジオやテレビやCDであってもGoogleマップの音声案内を鳴らすことができます。
私の車では、音質がBluetoothオーディオの時と比較したら格段に低質な、まるで電話みたいなペラッペラの音になってゲンナリしてしまいますが、iPhone自体のスピーカーで鳴らしているのに較べたら聴きやすいです。重大な事件が発生してテレビ音声のリアルタイムニュースが必要なときや、交通案内ラジオを聴いておきたいとき、iPhone内の楽曲に満足していない時などには役立ちます。
いろんな車に乗る人は、オーディオ機能がない代わりに通話機能しかない車や、その逆の場合、有線AUX INしか無い車もあるでしょうが、この仕様が頭に入っていれば、シートベルトを締めながらささっとベストな設定をしてしまえます。
iPhone本体のスピーカーで再生する場合はラジオ等に対して大きな音でナビゲーションさせないと曲がり角を聞き逃しますしいっそBGM無しで走るという選択になりがちです。ナビ音声を車から鳴らすことでそこに一花、音楽を添えることが出来るわけです。
車載ナビやYahoo!ナビが案内しない抜け道を多用して走ったり、厳密な到着時間予想がGoogleMapは得意ですから、利用価値のあるものです。
GoogleMapはゼンリンとの提携契約解除により詳細地図(特に駅出入口)がずいぶんと劣化しましたが車で使う分にはまだまだ優秀です。
ひとえにBluetoothでの音声案内といっても、案外気づきにくい、この2つのチャンネルの違いについて書いてみました。
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2020/03/21 18:13:17