
以前からロータリーエンジンというものを一度は体感してみたいと常々思っていたのですが、先日千葉県の野田市にある”おもしろレンタカー”という店舗でFD3S型RX-7をレンタルしました!
価格は6時間で約13000円…同じロータリー搭載車のRX-8が約半額で乗れることを考えるても割高であるとは思います。ロータリーエンジン車に乗りたい、という欲求と好奇心を満たすのならばRX-8でもいいですし、8も十二分に魅力的なクルマです。しかし今回FDに乗らなければ、おそらくこの先もFDを運転するということはないのではないか・・・ と考え、思い切ってFDにしてみました。
店舗は東武野田線の運河駅から歩いて15分ほど。閑静な住宅街の中に突如スポーツカーの大群が見えてきました。
ついに私がこれからドライブすることになるRX-7とご対面!

レンタルした個体はマイナーチェンジ後の顔で、メーターの文字盤が黒なので5型ということになるでしょうか。スカッフプレートの”RX-7”の文字が誇らしげです。車高調、マフラー、ホイールと一通りのカスタムは入っているようです。
貸し渡しの手続きを終えていよいよFDの運転席へ。
乗り込んでまず感じるのは純正シートのホールド感!純正なのに腰ががっちりと固定され、素材もスエード調なので滑りにくいです。これだったらセミバケは要らなさそうです。それから”コクピット”と表現することが一番しっくりとくる、囲まれ感の強い内装。運転するためだけに用意された空間が目の前に広がります。中学生くらいの頃からさんざん写真やアニメで見てきたあのFDの運転席に自分が座っているわけですからね。気分が高揚します。
キーを捻ると重厚感のあるスターターの音に続けて、マフラーから発せられる野太いエンジン音が!
「安全運転で行ってきます」と店員さんに告げてドライブスタート。
低回転のトルクが細いので、クラッチをつなぐときはかなり気を遣います。慣れるまではエンストしそうになりました。なるほどロータリーってこういう感じなんですね。普段乗っているNDって、かなり発進しやすい部類の車なんだなーと思いました。
MOMOのRACEというモデルでしたが、小径の社外ステアリングは重めで、こまごました市街地や路地裏では結構力を使います。一方、径や握り心地はかなりしっくりときました。普段クルマに乗っていて感じる、右肩の疲れをこのハンドルでは感じません。(この径がしっくりくるならちょっと小径の社外ステアリング、私のNDにもありかも・・・と少し思いました。)
住宅街を低速で運転していると後付けのデジタル水温計がみるみるうちに100℃近くに。大丈夫かな・・・とドキドキ。
路地裏から市街地へ出るとリアハッチや内装のガタピシはかなりあって、時代を感じます。あちこちからの振動やノイズがスポーツカー感たっぷりで最高。でも、エアコンは問題なく効きますね!
ペダル類はNDに乗りなれているとやや右にオフセットされているように感じますがそんなに気になるほどではないです。それよりもペダル類の取り付け剛性に時代を感じます。アクセルペダルもやや踏みごたえは軽いですが、ものすごいレスポンスの良さを感じます。それもそのはず、昨今のクルマとは違って、アクセルペダルを踏むとケーブルで直接スロットルバルブが開くわけですからね。踏み込み量をセンサーで読み取ってコンピュータが指示してアクチュエータがスロットルバルブを開けて・・・というラグは0です。そのかわりトラクションコントロールの類は一切ないことになるわけですがw
高速道路で峠道へ向かう前に、コンビニで一度休憩。レンタルした個体には多分社外品のLSDが搭載されていたので、ハンドルを切ってのバック駐車の時は左右のタイヤの回転差が吸収しきれずに進みづらく、トルクの細さと相まって駐車は腕の見せ所になりそうです。(エンスト一回w)
一般道を走るうちは、幅広でハイグリップなタイヤということもあってか、かなりの突き上げ感。わだちではかなりハンドルを取られるので、気合を入れてドライブすることになります。それなのにステアリングのレスポンスはカミソリのように鋭いので慎重に運転しなければなりません。レンタカー店に生活道路を120km/hで走行して派手に事故してしまったFDの写真が貼ってありましたが、どう考えても正気の沙汰じゃないです。
入りは少しもにょっとしているけど入った瞬間にゴクッという確かな手ごたえがあるシフトフィールで、シフト操作も気合が入ります。
貴重なFDということもあり慎重に運転したこともありますが、一般道ではほとんどブーストメーターは振れません。
しかし高速道路の料金所からの加速、少し踏み足すとブーストメーターがピョコっと振れ過吸音と共に猛烈なパワーが湧き上がってくる!そして3000rpmを超えると音の粒がそろってきてウ“−ッッっという素晴らしいロータリーサウンドが!まさに至高のエンジン!これを一度味わってみたかった。。。(本当はピーというレブ警告音を聞いてみたかったですがw)そしてあちこちから振動がすることは前述の通りですが、流石ロータリー、エンジンそのものの振動は全く感じません。水温も下がり、足の動きもしなやかさが出てきて、速度域が上がるといろんなものがちょうどよくなってくる感じがします。
土浦北ICで高速道路を降り、筑波山の峠道を走ってみることに。途中右折待ちをしていたら、対向車が譲ってくれました。メーターナセルの右側にあるスイッチを押して、”サンキューリトラオープン”?
ところが筑波山の峠、ほとんど最高速度30km/h、駐停車禁止、転回禁止、二輪走行禁止、おまけに細くうねる道路のセンターラインにはキャッツアイがこれでもかとびっしり。楽しいはずのワインディングはどこへやら。これでもかと走り屋対策されて、ここでも乗り慣れないFDを慎重に進める他ありませんでした^^;
峠道の山頂まで登ってきました。全体的にまさしくスポーツカーという感じで、運転するという体験が濃厚だな、というのがここまでの印象です。
峠道を一通り楽しみ、クルマを停めて外から一人撮影大会をしてみたのですが・・・とにかくかっこいい!!!抜群にかっこいい。

なまめかしい曲面を多用したデザインは今見ても全く色褪せません。

というかこんなにかっこいいクルマ、二度と生まれないでしょう。

このクルマにしかないオーラが間違いなくあります。そしてライトを点灯すると・・・・!!リトラクタブルのヘッドライトがまた超イケメン!!!

つくばの峠道を超えてあてどもなく茨城県の笠間方面へ走ったところで帰り道へ。車載ナビとYahooカーナビの到着予想時間に開きがあり、店舗に到着する時間が読めず・・・このあたりの土地勘もなく、遅れてしまって延滞料金を取られるのも嫌なので、結局帰り道も高速道路に乗ることに。
帰り道の高速道路を走っているとぽつぽつと雨が。ライトを点灯に合わせてリトラクタブルのライトがシャキ!っと開くのが中から見ていてもたまらないです。そしてライトを点灯すると、黒のメーターはグリーンのバックライトに照らされて、雰囲気満点!ちょっとクラシカルで最高にスポーティでこれもたまりません。帰り道の高速道路で気が付いたのですが、風切り音はとても静かなんですね。空力的にも良く洗練されたクルマだということがわかります。
結局レンタカー店に帰着したのは予定の一時間も前・・・。しかし雨も本降りになってきたことですし、ちょうどよいころ合いでしょう。
FDをドライブするという貴重な体験に大満足しながら、運河駅までの帰り道を歩く私でした。ここまでつらつらと書いてきた総括ですが、時代を感じる部分も含めて最高に楽しいクルマだということです。運転するという行為に全力になれる、夢中になれるクルマだと思いました。
おもしろレンタカーでは、FDに限らずかなりの数のスポーツカーがレンタルできるので、お近くに住んでいる方は利用してみてはどうでしょうか?私も今度はユーノスロードスターをレンタルしてみたいなと思っています。
Posted at 2020/07/11 17:23:18 | |
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