
正月早々にネット配信動画で映画を観ました。
タイトルは「The NET 網に囚われた男」と言う2017年公開の韓国映画でキム・ギドク監督の作品です。
あらすじは『北朝鮮の漁師ナム・チョル(リュ・スンボム)は妻(イ・ウヌ)と幼い娘と貧しいながらも平穏な日々を過ごしていました。
ある日の朝、妻はチョルを漁に行く様に起こします。
チョルは北朝鮮国境警備隊の許可を得て、自分の小さなボーターボートで出漁します。
チョルのボートのスクリューに漁網が絡まってエンジンが故障し、ボートは潮に流され韓国領域へ侵入してしまいます。
韓国の警察に身柄拘束されたチョルは北朝鮮のスパイ容疑で取調官(キム・ヨンミン)に非情な尋問を受けます。
取調官は朝鮮戦争で家族を失っていて、敵国であった北朝鮮に異常な憎悪を抱いています。
チョルには警護官としてオ・ジヌ(イ・ウォングン)が監視役を兼ねています。
ジヌはチョルが家族の写真を肌身離さず持ち歩き、車で移送中の際は目を閉じて韓国の街並みを見ないでいる事にスパイではないと確信しています。
チョルはトイレで居合わせたスパイ容疑で捕らえられた男からソウル市の腸詰スープが美味しいと評判の店で働く娘ダルレへ伝言を頼まれます。
その後、スパイ容疑の男はスパイの証拠が挙がり、舌を噛み切り自殺してしまいます。
取調官はチョルへ執拗に容赦ない尋問を繰り返します。
警察の取調室室長(チェ・グィファ)はチョルがスパイではないと思っていますが、独裁国家に帰す事は出来ないので韓国へ亡命させる様に画策します。
チョルは北朝鮮に居る妻と娘を韓国に呼び寄せてくれる条件ならと言いますが、取調室室長は無理だと応え、チョルは亡命を断ります。
取調室室長はチョルに韓国の賑わいを見せれば心変わりするだろうとチョルをソウル繁華街へ放り出します。
一人取り残されたチョルは思わず目を開いてしまいます。
北朝鮮とは違い、韓国の繁華街は人や物や音楽で溢れていてカルチャーショックを受けます。
チョルは自分が監視されている事に気付き、外衣に着けられていたGPS発信機を外し投げ捨て逃走します。
見張っていたジヌや監視員達はチョルを追い駆けますが撒かれてしまいます。
途中、チンピラ2人に絡まれている女性をチョルが助けます。
女性はお礼に屋台で食事を奢りながら、身の上話をします。
女性は家族を養う為に体を売っていると言います。
チョルは経済的に反映し豊かである筈の韓国の影の部分を知り、平和とは、幸福とは?と悩みます。
その後、チョルは自死したスパイの伝言を腸詰スープが美味しいと評判の店で働くダルレに伝えます。
自分を信じてくれたジヌを裏切れないとチョルはジヌの許へ戻ります。
チョルを監視していた取調官は腸詰スープが美味しいと評判の店で働くダルレに伝えた事がスパイ行為であると、これ迄以上に執拗な尋問を繰り返します。
ダルレがスパイとして捕まった為にチョルの状況も悪くなります。
取調官はチョルにスパイと認めれば家族の許へ帰してやると言います。
心の折れたチョルは捏造を強要された自供書に拇印をしてしまいます。
北朝鮮へ帰れないと知ったチョルは舌を噛み自殺しようとしますが、それを察知したジヌに助けられます。
取調室室長はチョルを亡命させる為にソウル市街見物の映像をTVニュースにリークします。
北朝鮮のTVニュースでは、チョルの妻と娘が「祖国や家族を裏切る様な人ではない!」と訴えていました。
メディアの報道合戦で南北の関係悪化を恐れた韓国当局は事態収拾の為にチョルを帰国させる事にします。
漂流したチョルのボートのエンジンは新しい物に取り換えてありました。
チョルはボートに乗り離岸すると、韓国から充てがわれた衣服を脱ぎ投げ捨てます。
そして、北朝鮮に戻りますが行き先は家族の許ではなく、国家安全保衛部でした。
何故、ボートが故障した際に乗り捨て泳いで帰らなかったか?問い詰められます。
韓国での出来事を調書にする為に、韓国での取調べの様に北朝鮮でも執拗に尋問されます。
チョルはジヌが韓国支援団の贈り物を換金した紙幣を持っていて、それを韓国の取調官へ賄賂として渡します。
やっと、家族と再会出来たチョルですが、特別監視対象者となってしまった為に漁師としての資格も奪われてしまいました。
しかし、チョルは引き止める国境警備員に「魚を獲らないと家族が生きて行けない」と言い残し、ボートで離岸します。
「撃ちたいなら撃てばいい」と言うチョルに国境警備員は発泡し、チョルは銃弾で倒れてしまいます。
察したか?家では妻が泣き崩れています。
娘はチョルが韓国から持ち帰った真新しい熊のぬいぐるみではなく、薄汚れてツギハギだらけの熊のぬいぐるみを大事そうに抱えていました。』
「幸災楽禍」ではないのだけれど、独裁国家の有様を聞くと自分は日本に生まれ育って良かったと、この映画を観て思いました。
人それぞれに幸福の価値観は違うのでしょうが、家族の笑顔があり、空腹に耐える事のない日常を送れるだけでも幸せなのかも知れません。
正月休みの3密回避のDVD、ネット配信動画で一人映画観賞をみんカラの皆さんにもお勧めします。
ブログ一覧 |
映画 | 音楽/映画/テレビ
Posted at
2021/01/01 19:18:11