
2/17のブログ「小説『ガラスの太陽R-ルージュ』を読んで…」の末尾に「この物語の続きとなるのが、私がまだ読んでいない姫川玲子シリーズの「ノーマンズランド」へ繋がるのです。あ~、早く続きを読んでみたい!」と表記したにも関わらず、小説家の誉田哲也さんの最新刊の「アクトレス」の方を先に読みました。
今年の1/18に出版されたばかりの書き下ろし作品です。
書籍 詳細:公式ニュースリリースより
私たちは、この一週間で大人になる覚悟を決めた。
「ドミナン事件」から5年。森奈緒、片山希莉、市原琴音たちは自立し新生活を始めていた。ある日、希莉の書いた小説が、若手人気女優・真瀬環菜名義で発表されることになる。不服ながらも抗えない希莉。さらに小説が発表されるや、作中の事件をなぞるように「事件」が発生してしまう。偶然とは思えないが、誰が何のために模倣したのかは見当もつかない。真相に近づこうとしたとき、ふたたび逃れられない悲劇が彼女たちに忍び寄る……。
私見:
この小説は「ストロベリーナイト」シリーズではありませんが、「ストロベリーナイト事件」を担当した元捜査一課長和田が登場します。
ストロベリーナイトのファンである私は、和田の登場は素直に嬉しかったりしました。
その和田が、「日本の殺人事件の8割が被害者の顔見知りによる犯行。殺人事件全体の半数以上が親族による犯行」と説明していました。
この如何にもな説明が私の心に引っ掛かったのですが、後に女優の真瀬環菜殺しの犯人像の伏線だったとは…。
後半では、殺害被害者の真瀬環菜のエッセイのゴーストライターである加藤里英の文章について、主人公の片山希莉の見解があります。
文章は「論理的思考の結晶」で「言語による感覚の再構築」と言っても良い。
意味の通じる文章を書く為には、書き手が読み手よりも意味を正確に理解していなければならない。
どの様に読み取るか「解釈の幅」を想定し、表現方法を選択しなければならない。当然語彙力もいる。
私は耳が痛いです。
私もみんカラでブログを公開しているからには、少なからず他者に理解される文章でなければならない事は解っていますが、私には筆力がないので、それが難しいのです。
終盤で、家族だって事と、家族でいるって事、家族になるって事は、少しずつ意味が違う。
要するに、家族って言うのは、無条件に存在しているんじゃない。
放っといて維持出来るものでもない。
お互いが思い合って、尊重し合って、努力があって維持出来るものなんだ。と言う内容がありました。
家族が仲良ければ、私見の冒頭に記した日本の殺人事件全体の半数、これが無くなるのでは?と言う事ですよね!?
小説のタイトル「アクトレス」は“女優”と言う意味で、主人公の一人の片山希莉、殺害された被害者の真瀬環菜が女優でした。
ブログ一覧 |
読書 | 趣味
Posted at
2022/02/20 09:50:54