映画「トキワ荘の青春」を観て…

DVDを借りて映画を観ました。
映画タイトルは「トキワ荘の青春」と言う、後に有名になる漫画家達が集っていた「トキワ荘」を舞台にした漫画家達の青春映画。
1996年に初公開の邦画をデジタルリマスター版として2021年に劇場公開した作品。

イントロダクション：公式サイトより
手塚治虫をはじめとした日本を代表する漫画家たちが若き日々を過ごし、東京都豊島区に実在した伝説的アパート「トキワ荘」の日常を、昭和30年代の懐かしい空気感をそのままに描いた青春ドラマ。豊島区の木造アパート・トキワ荘に住む「漫画の神様」手塚治虫のもとには、編集者たちが日夜通い詰めていた。向かいの部屋で暮らす漫画家の寺田ヒロオは、その様子を眺めつつ出版社への持ち込みを続けていた。やがてトキワ荘を去った手塚と入れ替わるように、「藤子不二雄」の藤本弘と安孫子素雄、石ノ森章太郎、赤塚不二夫ら、若き漫画家の卵たちが次々と入居してくる。寺田を中心に「新漫画党」を結成した彼らは、貧しい生活の中でも互いを励まし合い、漫画の未来について熱く語り合う日々を送るが……。「東京兄妹」の市川準監督が、実話に基づきフィクションとして描き、1996年に製作・公開された。住人たちの兄貴分的存在だった寺田ヒロオを本木雅弘、彼を囲む若き漫画家を阿部サダヲ、古田新太、生瀬勝久らが演じた。2020年5月、デジタルリマスター版でリバイバル上映。

ストーリー：ウィキペディアより（キャストを加筆）
トキワ荘に集まった若き漫画家志望者たちは、寺田ヒロオ（本木雅弘）をリーダーに新漫画党を結成する。しかし寺田は、新漫画党のメンバー以外の、つげ義春（土屋良太）、棚下照生（栁ユーレイ）との交友では、違った自分の姿を示す。
売れっ子漫画家となった石ノ森章太郎（さとうこうじ）・藤子不二雄（鈴木卓爾＆阿部サダヲ）らと、中々芽が出ない赤塚不二夫（大森嘉之）・森安直哉（古田新太）等、個々での差から若者達の明暗は分かれる。
そして寺田も、自身が理想とする「子供たちに理想を教える漫画」と、雑誌編集者が要求する商業主義との間で、深く思い悩んでいく。

私見：
有能な漫画家達を輩出した“トキワ荘”は余りにも有名ですが、集う漫画家は誰一人として他の漫画家の才能に妬んだり、疎んだりしていませんでした。
寧ろ、忙しく作業している石ノ森章太郎の猫の手代わりに赤塚不二夫がペン入れや仕上げを手伝ったり、お互いをリスペクトしている同志と言った仲だった様です。
この映画の主人公は、トキワ荘の漫画家で成す「新漫画党」のリーダー格の寺田ヒロオ（本木雅弘）。
失礼ながら、私はこの映画を観る迄、寺田ヒロオと言う漫画家を知りませんでした。
寺田は子供目線の漫画を描いていましたが、出版社からもっと刺激のある、売れる漫画を要求されます。
寺田は当初からの「子供に理想を教える漫画」と言うスタンスは曲げる気はないと突っぱねていましたが…。
クライマックスで、寺田は子供達に「自分は、自分の漫画の様な立派な人間ではない。…」と言う様な内容の事を告白していました。
そして、ある年の冬に寺田は“トキワ荘”から引っ越して行ったとナレーションが説明していました。
映画はそこで終わっています。
実在した寺田ヒロオさんは“トキワ荘”を引っ越してから、漫画家として流転の人生を歩まれた様です。