
ネット配信で映画を観ました。
映画タイトルは「トガニ 幼き瞳の告発」と言う、韓国作家の孔枝泳の小説「トガニ 幼き瞳の告白」を原作に映像化した作品。
日本では2012年に劇場公開されました。
イントロダクション:関連サイトより
韓国の聴覚障害者学校で起きた実在の性的虐待事件を基にしたコン・ジヨンのベストセラー小説を映画化した衝撃の社会派ドラマ。校長や教師たちによるおぞましい虐待に加え、理不尽な司法制度にも翻弄される幼き児童たちの悲痛な運命を力強く描き出す。本作の公開によって韓国国内で改めて事件にスポットが当てられ、事件発覚後も存続していた学校の閉鎖や性犯罪に関する法改正が実現するなど、社会的にも大きな反響を呼ぶこととなった。主演は「あなたの初恋探します」のコン・ユ、共演に「人喰猪、公民館襲撃す!」のチョン・ユミ。監督は「マイ・ファーザー」のファン・ドンヒョク。
ストーリー:関連サイトより
恩師からの紹介で、霧の街として有名な郊外の街ムジンにある聴覚障害者学校・慈愛学園で、美術教師の職を得たカン・イノ(コン・ユ)は、ソウルで暮らす母に愛娘・ソリを託し、1人新天地で働くことを決める。だが着任早々、イノは学園に漂う不穏な空気を感じ取る。一見人当たりがよく温和そうに見える校長だが、その目は決して笑っていない。そんな校長と瓜二つの双子の弟・行政室長に至っては、教職に就くための代償として平然と不正な金を要求してくる始末。そして何より生徒たちのおびえたような暗い表情に、違和感をぬぐえない。そんなある日、イノは職員室で同僚のパク教師が男子生徒・ミンス(ペク・スンファン)を袋叩きにしている現場に出くわす。パクは、寮を黙って抜け出した罰を与えているという。そして女生徒・ユリ(チョン・インソ)に導かれるようにたどり着いたある部屋の前。そこでは女寮長のユン・ジャエが、女生徒・ヨンドゥ(キム・ヒョンス)を、回る洗濯槽の水の中に顔ごと押し込んでいた。躾をしているとうそぶく彼女に、激昂するイノ。ぐったりしているヨンドゥをすぐさま入院させ、人権センターの幹事、ソ・ユジン(チョン・ユミ)に連絡を取る。ヨンドゥによると自分を含めた複数の生徒が、校長をはじめとする数人の教師たちから日常的に性的虐待を受けているという。しかも地元の名士である校長は、警察さえも買収済み。警察はこの事実を知りながら、見過ごしているのだった。怒りに震える二人は、マスコミの力を利用して真実を暴露することを決意。TVカメラの前で、自らの体験を語る子供たちの痛々しい手話はイノの心をえぐる。子供たちの衝撃的な告白が放映されたことで、警察もようやく重い腰をあげ、校長たちは逮捕。戦いの場は法廷へと移ってゆくが、イノは学園から解雇を言い渡されてしまう……。
私見:
映画タイトルの朝鮮語「トガニ」とは「るつぼ」を意味するそうです。
光州のろうあ者福祉施設の光州インファ学校で実際に起きていた入所児童に対する性的虐待と関係者の隠蔽を取り上げた映画でした。
心に残ったのは、1時間58分過ぎ
ムジン市人権センターの幹事ソ・ユジン(チョン・ユミ)が、性的虐待被害児童のキム・ヨンドゥ(キム・ヒョンス)とチン・ユリ(チョン・インソ)に「この事件が起きる前と起きた後で、何が一番変わったか?」と訊いたそうです。
すると彼女達は「私達も他の人と同じ様に、大切な存在だと知った事」と答えたそうです。
ユジンは「成長する子供達を見て、こう思いました。私達の闘いは、世界を変える為でなく、世界が私達を 変えない様にする為だと…。とても寒くなりました。冬が寒いのは、傍に居る人の温もりを感じる為だそうです。今は離れてるけど、子供達と私の温もりが伝わる事を祈ってます」と主人公カン・イノ(コン・ユ)へ報告していたシーン。
その後、スクリーンの背景に“白い霧の街 ムジンに お越しください”と表記されたポスターが映り込みます。
当時のムジンは“白い霧の街”どころか、“黒い霧の街”だった様です。
エンドロールで「2011年現在 加害者の一部は復職し、この事件の裁判は終了しました。しかし真実を解明する闘いは、今なお続いています」とありました。
この映画が公開後に起きた社会現象が後押しし、事件が再検証されて障碍者女性や13歳未満の児童への性的虐待を厳罰化と公訴時効を廃止する法律、通称「トガニ法」が制定されました。
当初不起訴とされた加害者らは逮捕、起訴され、光州インファ学校は2012年に廃校となりました。
そう言った意味で、この映画の功績は大きかった様です。
蛇足ですが、この映画で「前官礼遇」と言う言葉を知りましたが、私の様な下級国民には関係のない制度である事は解りました。
Posted at 2023/01/16 09:56:35 | |
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