
DVDを借りて映画を観ました。
タイトルは「土を喰らう十二カ月」と言う、作家の水上勉の料理エッセイ「土を喰う日々 わが精進十二カ月」を原案にしたヒューマンドラマ。
2022年に劇場公開されました。
イントロダクション:公式サイトより(詳細は省略)
四季の恵みに感謝し、十二カ月を生きる。
Point.1
一年半をかけて撮影した沢田研二の待望の主演作
Point.2
水上勉の料理エッセイを中江裕司監督が脚本化
Point.3
料理研究家・土井善晴が映画に初挑戦
Point.4
松たか子ほか、実力派の豪華俳優陣が結集
Point.5
スクリーンで、主人公と十二カ月を体感する
ストーリー:公式サイトより
立春
作家のツトム(沢田研二)は、人里離れた信州の山荘で、犬のさんしょと13年前に亡くなった妻の八重子の遺骨と共に暮らしている。口減らしのため禅寺に奉公に出され、9歳から精進料理を身に着けた彼にとって、畑で育てた野菜や山で収穫する山菜などを使って作る料理は日々の楽しみのひとつだ。とりわけ、担当編集者で恋人の真知子(松たか子)が東京から訪ねてくるときは、楽しさが一段と増す。皮を少し残して囲炉裏であぶった子芋を、「あちち」と頬張る真知子。「おいしい。皮のところがいいわ」と喜ぶ姿に、ツトムは嬉しそうだ。
立夏
山荘から少し離れたところに、八重子の母チエ(奈良岡朋子)が畑を耕しながらひとりで暮らしている。時折様子を見に来るツトムを、チエは山盛りの白飯、たくあんと味噌汁でもてなした。八重子の墓をまだ作っていないことを、今日もチエにたしなめられた。帰りには自家製の味噌を樽ごとと、八重子の月命日に供えるぼた餅を持たされた。
小暑
塩漬けした梅を天日干しにする季節、ツトムの山荘に文子(檀ふみ)が訪ねてくる。彼女は、ツトムが世話になった禅寺の住職の娘。住職に習った梅酢ジュースを飲みながらの昔話。文子は、亡き母が60年前に住職と一緒に漬けた梅干しを持参していた。「母は、もしツトムさんに会うたらお裾分けしてあげなさい、と言うて死にました」と文子。夜、ひとりになったツトムは、作った人が亡くなった後も生き続けている梅干しの味に泣いた。
処暑
チエが亡くなった。義弟夫婦(尾美としのり、西田尚美)に頼まれて山荘で葬式を出すことになったツトムは、大工(火野正平)に棺桶と祭壇を頼み、写真屋(瀧川鯉八)に遺影を頼みと、通夜の支度に大忙しだ。東京から真知子もやって来て、通夜振る舞いの支度を手伝うことに。
夜、思いがけなくたくさん集まった弔問客は、チエに作り方を習ったそれぞれの味噌を祭壇に供えた。
葬儀のあと、真知子を栗の渋皮煮でねぎらったツトムは、「ここに住まないか」と持ち掛ける。「ちょっと考えさせて」と応じた真知子だが、しばらくして、ふたりの心境に変化を生じさせる出来事が起こる――。
ストーリー補足&私見:
本編は、立春:一年のはじまり。啓蟄:生き物が目覚める。清明:万物が春を謳歌する。立夏:菖蒲湯で邪気を祓う。小満:生命が満ち満ちる。芒種:雨露の恵みをうける。小暑:梅雨が明け 太陽が照る。立秋:ひぐらしが鳴く。処暑:穀物が実る。白露:露が草に宿る。秋分:極楽浄土の岸に到る。寒露:大気が冷え 空が澄む。霜降:秋が深まり 霜が降りる。立冬:木枯らしが吹く。冬至:栄養をとり 無病息災を願う。
二十四節気の時系列に沿って、主人公は自然の恵みを精進料理に昇華させて食する。
心に残ったのは、ストーリー欄の“小暑”で紹介されている文子が持参した60年前に両親が漬けた梅干しをツトムが食するシーン。
ツトム曰く「舌に転げた、その梅干しは、最初の舌触りは塩の吹いた辛い物だったが、やがて舌の上で僕自身が滲み出す唾によって丸く膨らみ、後は甘露の様な甘さとなった。作った人が亡くなった後も生き続けている梅干し。その味に私は泣いた」
Posted at 2023/08/16 08:31:00 | |
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