
ネット配信で映画を観ました。
映画タイトルは「高津川」と言う、錦織良成が原作、脚本、監督を務めた邦画。
島根県の高津川の流れる街を舞台にして、人口流出や石見神楽の伝承の困難な現実を問題提起したヒューマンドラマ。
2022年に劇場公開されました。
イントロダクション1:公式サイトより
白い船の感動から17年...
優しい映画が出来ました。
癒されること間違いなし。
ゆったりとした時間が流れ、スクリーンの中に溶けてしまうかのような錯覚を覚えるほどの優しい映画が誕生しました。
一級河川としては珍しいダムが一つも無い清流、「高津川」を舞台に、人口流出に歯止めのかからない現実の中、
歌舞伎の源流ともいわれる「神楽KAGURA舞」の伝承を続けながらも懸命に生きる人々の日常の営みを、力強く描いた力作です。
日本一の清流、高津川流域で健気に生きる人々の姿が心にしみこんできます。
清流のように清らかに流れる物語はきっと、あなたの心を癒すこと間違いなしです
強烈なメッセージが、シンプルに心に迫ってくるのです。
エンタメ映画しか観ない、という方には特にお薦めです。
静かな一体感を感じる映画を是非映画館で体感してください。
監督は、中村麻美、濱田岳主演の「白い船」、中井貴一主演の「RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語」の錦織良成。
主演は甲本雅裕。ヒロインに戸田菜穂。
田口浩正、高橋長英、奈良岡朋子らのベテラン勢が脇を固めます。
大野いと、新人の石川雷蔵らの若手も爽やかな演技で魅せます。
年代を問わず、心に響く感動作、映画「高津川」…。
ご期待ください。
イントロダクション2:公式サイトより
メッセージが、静かに心に迫ってくる。
「高津川」というタイトルから伝わってくるのは、
かつて昭和の時代によく作られた日本映画のような、ほのぼのとしたイメージなのかもしれない。
しかし、現代においては、映画「高津川」は随分“尖がっている映画”である。
人々が明日の幸せを夢みて働き、経済発展を遂げた昭和の時代には日本中どこにでもあった自然豊かな風景がスクリーンいっぱいに広がる。
そして 高津川の流域で暮らす人たちの営みが淡々と描かれる。
まるでファンタジーの世界のようだ。
「日本という国は、ハイテク産業に支えられた経済大国としての顔だけではなく、
全国津々浦々の自然や有形無形の慣習や文化が豊かに残っていることを忘れてはいけない。
令和を迎えた日本。
都会への若者流出による人口減や高齢化によって、農業、林業、漁業、祭りやモノづくりなどの存続、継承に赤信号が灯る。
錦織監督の作品は、今まで、地方を舞台にしながら“日本”を描いてきた。
映画「高津川」で描かれた物語は、令和の時代を迎えた日本の国のどこにでもある物語。
「このままにしておいてはいけない」
静かな時間が流れている映画だが、日本の真の豊かさを問う強烈なメッセージがシンプルに心に迫ってくる。
ストーリー:公式サイトより
ダムが一つもない一級河川、日本一の清流「高津川」の流域に暮らす、牧場を経営している斎藤学(甲本雅裕)。
妻を亡くし、母絹江(奈良岡朋子)、娘の七海(大野いと)、息子の竜也(石川雷蔵)の4人暮らし。
七海は大阪から帰って来たばかりで、高校生の弟・竜也の考えていることは分からない。
地元の誇りである「神楽」の舞いは歌舞伎の源流ともいわれ、代々舞手が受け継がれて来たが
学は、今年舞手の舞台を踏む竜也が稽古をさぼってばかりいること、進路のことを危惧する日々だった。
地方の問題の「都会への若者の流出による人口減」や「祭りや技術の伝承の存続」は危機的状況にあり、
高津川流域で暮らす人々も同じ問題を抱えていた。
そんな時、母校である小学校が閉校になるという知らせや、高津川上流にリゾート開発の話が持ち上がり、
学の同級生で母親の介護をしながら老舗の和菓子屋を継いだ陽子(戸田菜穂)、
寿司屋を継いだ健一(岡田浩暉)、高津川の清流で農業・養蜂をしている秀夫(緒形幹太)、
東京で弁護士をしている誠(田口浩正)、市役所勤めの智子(春木みさよ)、主婦の久美子(藤巻るも)らが集まって
何をすべきか相談することに。
母校の閉校を受け、最後の運動会に「日本各地にいる卒業生を集めよう」という話になる。
高津川の恩恵や重要性は認識しつつも何が出来るか答えは出ないまま…
唯一リゾート開発を否定しなかった誠は、学に連れられ誠の父、正(高橋長英)の元へ
目を逸らしてきた現実と今失おうとしている大切なものを目の当たりにすることとなる。
守るべきは何だったのか。
失おうとしているものは何なのか。
今それぞれの想いを乗せた最後の運動会が開催される。
それぞれが見つけ出した答えとは…
私見:
映画ポスターに「毎日を何気なく 過ごしていると 足元にある 小さな幸せに 気づかないものだ」と表記されていました。
齢を重ねた私には、至極同意する言葉です。
年齢から来る体力の衰えで石見神楽が舞えなくなった大庭正(高橋長英)は、神楽と言う生き甲斐を失って認知症の症状が進行しました。
正の息子の大庭誠(田口浩正)は東京の大学を卒業して弁護士をしていました。
主人公の斎藤学(甲本雅裕)に同窓会をするので田舎に帰って来て欲しいと頼まれた誠。
誠は父親の正と再会しますが、正は誠を息子と認識出来なくなっていました。
高津川上流にリゾート開発の話があり、開発会社は正の持っている土地を譲って欲しいと言っているそうです。
(時間の概念も曖昧になった)正は東京の大学に通っている息子の誠の学費の足しにする為に土地を売ろうと思っていると言います。
斎藤学は、正へ「東京の優秀な弁護士先生に相談すると良いよ!」と誠を紹介します。
誠は長い事、父親と疎遠になっていた事を心の中で詫び、滂沱の涙。
ここが私の琴線に触れた感動的な場面でした。
親は認知機能が衰えても、我が子への愛は失わないと言う事なのでしょうね。
