
ネット配信で映画を観ました。
映画タイトルは「22才の別れLycoris葉見ず花見ず物語」と言う、伊勢正三の作詞、作曲した「22才の別れ」をモチーフにして、大林宜彦が脚本、監督を務めて制作した邦画。
2007年に劇場公開されました。
イントロダクション:関連サイトより
大林宣彦監督が「なごり雪」に続いて大分を舞台に描くノスタルジックな恋愛ストーリー。伊勢正三のフォークソングの名曲『22才の別れ』をモチーフに、人生の岐路に立った中年男の切ない別れの記憶と、そこに秘められた母娘二代にわたる哀しい恋の物語を綴る。主演は「踊る大捜査線」の筧利夫。
ストーリー:関連サイトより(キャストを加筆)
200X年秋のある夜、福岡市で暮らす・川野俊郎(筧利夫)が自宅前の公園を通ると、顔見知りの若い女性・田口花鈴(鈴木聖奈)の姿を見つける。21才の誕生日を迎えた花鈴は故郷の“うすき竹宵”に見立ててロウソクの火を灯していたが、その日は彼女の母の命日でもあった。花鈴が自身と同じ大分県出身と知った川野が話を聞くと、彼女の母は川野の若い頃の恋人・北島葉子(中村美鈴)ということが判明する。葉子は東京で川野と同棲していたが別れてしまい、故郷で他の男性と結婚したが花鈴の出産時に亡くなったのだった。
27年前、大分の高校生だった川野(寺尾由布樹)は同級生の葉子に好意を寄せていたが、彼女は別の男子生徒に片思いしていた。内気な川野は、朗らかな葉子とクラスでも人気のその男子生徒の動向が気になるが、離れた場所からそっと様子をうかがうしかできない。そんなある日川野が、自転車のチェーンが外れて困る葉子を手助けしたことがきっかけで彼女と親しくなる。密かに葉子と付き合い始めた川野は、彼女に連れられてヒガンバナが咲く“リコリスの森”に時々訪れて楽しく会話する日々を送る。
高校卒業後、東京の大学に進学した川野は苦学生としてバイトをしながら、同じく上京した葉子と慎ましやかに同棲生活を送る。その後川野はそれなりに都会生活に馴染んでいくが、葉子は彼の知らぬ間に都会暮らしの疲れが徐々に溜まっていく。葉子の22才の誕生日を迎え川野がケーキを買って帰ると、彼女から「故郷に戻ってあなたのお嫁さんになりたい」と告げられる。しかし東京で働くことを夢見る川野は頷くことができず、ロウソクの火を吹き消した彼女は寂しそうに大分へと帰りそのまま破局してしまう。
(現在)花鈴から好意を寄せられた川野は、母娘との偶然の巡り合わせに驚きながらも彼女と付き合うことを決める。その後川野は花鈴と交流を深めるが、彼女は「今お金がなくてボロい自宅アパートを見られたくない」と彼が来るのを拒み続ける。しかしある日2人の交際を知る川野の知人(清水美砂)から「花鈴さんがアパートから若い男と出てくるのを見た」と聞かされる。若い男が何者かを確かめることにした川野は、花鈴がいない時間に相手の男から話を聞くことに。
相手の男・浅野浩之(窪塚俊介)は、「お金がなくて同級生の花鈴と上京して肩を寄せ合い同居人として支え合ってきた」と話すが、川野は彼が彼女を愛していることに気づく。その夜花鈴に会った川野は浩之と話したことを打ち明けた後、葉子との過去を話して「花鈴に僕たちと同じ失敗をしてほしくない」と告げる。花鈴と浩之が結ばれることを望んだ川野は、最後に葉子との思い出の場所である“リコリスの森”に花鈴と訪れ、彼女との恋にピリオドを打つのだった。
ストーリー補足&私見:
映画タイトル「22才の別れLycoris葉見ず花見ず物語」の“Lycoris葉見ず花見ず”について、本編の40分過ぎ、若かりし頃の主人公の川野俊郎へ彼女の北島葉子が説明しています。
「リコリス、それは曼殊沙華、彼岸花とも言い、他には死人花、地獄花、幽霊花、墓花、捨て子花とも言うわ。花言葉は2つ“想うのは貴方ひとり”。“哀しい思い出”。この花、花が咲く時には葉がなく、花が終わってから葉が茂るの、葉は花を見る事はなく、花も葉を見る事がないから、もう一つの名は“葉見ず花見ず”…」
このリコリスの花言葉が物語の軸になっている様です。
川野俊郎(筧利夫)は恋人で既に亡くなっている北島葉子(中村美鈴)の事を想い続けて独身でした。
川野は葉子の娘である田口花鈴(鈴木聖奈)と奇跡的な出会いをし、母親の面影のある花鈴と結婚の約束をします。
その後、川野は花鈴が朴訥な青年の浅野浩之(窪塚俊介)とルームシェアしている事を知ります。
花鈴と浅野浩之はやましい関係ではない様ですが、川野は浅野が花鈴に好意を抱いている事を見抜きます。
花鈴が幸せになるなら、川野との結婚を賛成すると言う浅野は花鈴の許から去って行こうとします。
川野は若い頃、葉子を好きだったのに別れてしまった事を後悔していました。
浅野には自分と同じ様な過ちを犯して欲しくないと、川野は身を引き、花鈴と浅野の幸せを願います。
川野はリコリスの咲く丘で、花鈴を抱き寄せてサヨナラを告げました。
大林宜彦監督の演出の妙でサスペンスドラマ風ですが、BGMの「22才の別れ」が恋愛映画なのだと思考を引き戻してくれます。
純文学作品を観ている気になってしまいました。
映画の興行としてはヒットしなかったかも知れませんが、私はこの作品を鑑賞出来て良かったと思いました。

Posted at 2023/12/07 09:58:52 | |
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