
DVDを借りて映画を観ました。
タイトルは「ちょっと今から仕事やめてくる」と言う、北川恵海の同名小説を原作した邦画。
社会派ヒューマンドラマ。
2017年に劇場公開されました。
イントロダクション:関連サイトより
僕に勇気をくれたのは、得体の知れないヤマモトでした。すべての“働く人”が共感して泣いた、70万部突破のベストセラー小説が待望の映画化!
主演の福士蒼汰が大阪弁での演技に初挑戦!その他、工藤阿須加、黒木華、小池栄子、吉田鋼太郎など実力派俳優が集結!
ストーリー:
青山隆(工藤阿須加)は就職活動で希望する会社には入れず、唯一内定を出してくれた会社に入社します。
ところが、そこはブラック企業と呼ばれる会社でした。
隆は営業マンとして働きますが営業成績も揮わず、毎日の様に営業部長の山上守(吉田鋼太郎)からは怒鳴られるばかりです。
引き換え、五十嵐美紀(黒木華)は営業成績が良く朝礼で表彰されていました。
ある日、隆は仕事で帰りが遅くなり、身体の疲れも精神的にもピークでした。
電車がホームに入って来る時に、隆は死にたいと云う思いもあり、バランスを崩してホームから落ちそうになります。
その時、隆の身体を掴んで引っ張ってくれた人がいました。
その男はヤマモト(福士蒼汰)と名乗り、隆の小学校の頃の時の友人だと云います。
2人は寿司屋に行き、ビールを酌み交わします。
隆はヤマモトの事が思い出せず、トイレに立ったフリで幼馴染みの友人に電話でヤマモトについて訊き出します。
その友人が云うにはヤマモトケンイチなら、小学校3年生の時に転校して行ったと教えてくれました。
2人の会話は噛み合わないながらも、それなりに楽しむ事が出来、ケータイ番号を教え合い別れました。
その翌日は休日、隆が起きるとアパートの外でヤマモトが待っています。
ヤマモトが出掛けようと誘いに来ていたのです。
ヤマモトは隆をデパートに連れて行き、明るいカラーのネクタイを数本選びます。
そして、営業の為の実践的なアドバイスをします。
ヤマモトの今はニートだが、以前に堅い会社に勤めていたのだと打ち明けます。
それから、隆は変化し取引先に好感を持たれる様になり、新たな契約を結ぶ事が出来ました。
お礼に隆はヤマモトを誘って居酒屋で飲んでいました。
すると、隆にこの間の幼馴染みの友人から電話があり、ヤマモトケンイチは現在ニューヨークで舞台監督の仕事をしていると連絡が入ります。
フェイスブックで確認すると、今一緒に飲んでいるヤマモトとは全くの別人でした。
怪しんだ隆が目の前のヤマモトに尋ねると、ヤマモトは幼馴染みだと思ったが、話している内に勘違いに気付いていたものの云い出せなくなったと告白します。
隆の折角契約した仕事でしたが、発注書に誤記があり、納品された物が違うと取引先からクレームが入ります。
山上部長に怒鳴られ、隆は五十嵐と取引先に詫びに行きます。
隆は以前の無気力社員へ戻ってしまいました。
隆は街を歩いていると、霊園行きのバスに乗ったヤマモトを見掛けます。
隆はヤマモトについて知らない事ばかりだった事に気付き、「山本純」をググってみます。
「みぃのブログ」がヒットし、山本純は3年前に死んでいると記事にありました。
食品会社の社員だった山本純は長時間労働とパワハラによるストレスで会社の屋上から飛び降り自殺をしたのです。
隆の自殺を停める為にヤマモトは幽霊になって現れたと隆は考えました。
隆が会社に行って、五十嵐に協力しようとしますが、山上部長や五十嵐は邪魔をするなと隆を叱責します。
心の折れた隆は屋上に上って自殺しようとしますが、ヤマモトがそこに現れます。
ヤマモトは隆に「人生は誰の為にある?」と訊きます。
隆は答えられません。
ヤマモトは「人生はお前だけのものではない。お前を大切に思う人のものでもある」と云います。
隆は週末の休みに山梨の実家に帰省します。
いつも隆が邪険にしている両親(池田成志、森口瑤子)は隆の帰りを心から喜んでくれました。
翌朝、隆はヤマモトを喫茶店で待ち合わせします。
隆は「ちょっと今から仕事やめてくる」と云って会社に行きました。
山上部長からは罵られましたが、隆は退職すると云う気持ちは揺らぎません。
隆が立ち去ろうとすると、五十嵐が隆の発注書を書き換えたミスさせたのは自分だったと詫びます。
その後、隆はヤマモトへ連絡を入れますが、取り継がれなくなっていました。
隆は「みぃのブログ」にメッセージを送り、ブログの管理人で孤児院の経営者大場玲子(小池栄子)に会いに行きます。
そこで隆はヤマモトが双子である事を聞きました。
両親が事故で他界し、山本純と優は5歳の時に施設にやって来ました。
山本純は医者として、優は教師としてバヌアツ共和国の孤児達を助けたいと云う夢を持っていました。
優は一足先にバヌアツ共和国へ行ってボランティアをしていました。
純は大学入試では施設の子供達からうつった風邪が酷くて受験出来ませんでした。
施設は18歳迄しか居られないので、純は就職します。
働きながら受験するつもりだったのですが、入社したのがブラック企業だったので・・・後は「みぃのブログ」に表記されていた通りです。
優は純が死んだのは、自分にも責任があると悔やんでいました。
優が初めて隆を電車のホームで見た時、純と同じ様な表情をしていた事が気になり助けたのだそうです。
ヤマモトは優の方だったのです。
玲子は優から預かった1枚の写真を隆に渡します。
バヌアツの子供達に囲まれたヤマモトの写真です。
裏には「俺の天使達や、お前も一緒にここで笑ってみぃひんか?」と書かれていました。
それから、暫くして隆はバヌアツのヤマモトの所を訪ねます。
バヌアツの子供達に歓迎された隆は子供達と鬼ごっこをします。
ヤマモトは空に向かって「人生って、それ程悪いもんやないやろ」と呟きます。
私見:
ブラック企業で働き心の折れ掛けていた主人公の青山隆(工藤阿須加)は、もう一人の主人公のヤマモト(福士蒼汰)に諭されて、故郷の両親に数年ぶりに会いに行きます。
本編中盤で、青山隆は両親へ「自分が、もし会社を辞めたいって言ったら、どうする?」と訊きます。
すると、母親の容子(森口瑤子)は「別に良いんじゃない。だって、会社は世界に一つじゃないんだから!」
父親の晴彦(池田成志)は「若いんだから、いくら失敗したって良いじゃないか!?人生なんて生きていれば何とかなる!」と励ましていました。
新年早々に辞職を促しているみたいで恐縮です。
仕事は自分が生きる為の糧を得る手段ですが、仕事が人生の全てではないので、ブラック企業に苦しんでいる方は「ちょっと今から仕事やめてくる」的な決断も必要だと思います。
ヤマモト:山本優と双子で、ブラック企業で働いて心が折れてビルの屋上から投身自殺した山本純の様に成ってはいけませんからね!!!
