
DVDを借りて映画を観ました。
タイトルは「ドクター・デスの遺産-BLACK FILE-」と言う2020年に公開されたクライムサスペンス映画。
作家の中山七里の推理小説「ドクター・デスの遺産」を原作に映画化。
解説:公式サイトより
130人を安楽死させた実在の医師をモデルに映画化
警視庁№1コンビが挑む安楽死を手口にする連続殺人犯【ドクター・デス】の正体とは—!?
「苦しむことなく殺してさしあげます。」 ある闇サイトで依頼を受け、人を安楽死させる連続殺人犯ドクター・デス。
警視庁のNo.1コンビ犬養と高千穂は捜査に乗り出すが、遺族は犯人に感謝し嘘の証言で守る。ドクター・デスは救いの神か猟奇殺人犯か──物語が進むほど、殺人犯が正しいかのような錯覚にハマる。
130人もの患者を安楽死させた実在の医師をモデルに描かれた禁断のクライム・サスペンス! あなたはこの正義に驚愕する──。
ストーリー&私見:
映画は、少年が公衆電話で「お父さんが殺された」と警察に通報するシーンから始まります。
警視庁の犬養隼人(綾野剛)刑事は入院中の娘の沙耶香(田牧そら)を見舞っていました。
その病室へ高千穂明日香(北川景子)刑事が、通報のあった不審死事件の捜査に出向く為に犬養を迎えに来ました。
2人は被害者の馬籠健一の捜査に当たり、健一の妻の小枝子からは「病死だった」との証言を得ますが、通報した息子の大地からは「悪いお医者さんに殺された」と聞かされます。
大地は医者が往診に来た直後に父親が死んだと証言しました。
犬養は火葬直前の馬籠健一の遺体を鑑識に送り、解剖させました。
すると、体内から塩化カリウムが検出され、中毒死であった事が判明します。
犬養のアパート付近の防犯カメラからは犬養宅に出入りする医師と看護師が確認出来ました。
犬養小枝子を取り調べると夫は肺がん末期で鎮痛剤が効かないので楽にして欲しい、殺して欲しいと哀願していたと告白しました。
それで、闇サイトで知った“ドクター・デスの往診室”で安楽死をお願いし“ドクター・デス”が夫を楽にしてくれたと感謝していました。
博学の高千穂は“ドクター・デス”が実在した米国の病理学者で130人に及ぶ末期病患者を尊厳死させて自殺幇助の罪で服役したジャック・ケヴォーキアンをモデルにして様だと言います。
犬養は「末期病の患者が死を望んでも、手を貸す事は殺人だ」と怒りを露わにします。
闇サイト“ドクター・デスの往診室”を調査すると馬籠以外にも、自殺手助けを願う依頼者が複数いる事が判りました。
その内の一人の依頼者の父親である岸田聡に事情聴取すると、息子の正人の生前ビデオレターに看護師が映り込んでいました。
その看護師は雛森めぐみ(木村佳乃)である事が判りました。
彼女は田中一郎医師にアルバイトとして雇われただけで、注射は鎮痛剤だと思っていたと犯行を否認します。
警察は証言者達の情報を元に作成したドクター・デス田中一郎の似顔絵からホームレスの寺町亘輝(柄本明)を逮捕します。
同じ頃、警察の監視対象だった雛森めぐみが行方不明になります。
犬養と高千穂が雛森めぐみのアパートを家宅捜索すると雛森がドクター・デスであった証拠が発見されました。
ホームレスの寺町の方がドクター・デス雛森に雇われていたのでした。
雛森は犬養沙耶香の入院する病院へ現れ、腎不全を患っている沙耶香に犬養隼人は刑事の仕事と沙耶香の看病が大変で娘の存在が重荷になっていると吹き込みます。
自暴自棄になった沙耶香は闇サイト“ドクター・デスの往診室”に「自分を殺して、父親を楽にさせてあげたい」と書き込みました。
雛森は犬養に電話し「苦しんでいる人を楽にしてあげるのが、救世主としての私の使命」だと言いますが、犬養は「お前はただの快楽殺人者だ」と言い返します。
その後、雛森は沙耶香を車に乗せて沙耶香の言う思い出の場所へ向かいます。
雛森は犬養に電話し「沙耶香の最期を見届けたいなら、一人で娘の思い出の場所に来る様に」と告げます。
犬養は車で河口湖畔を目指し、遅れて高千穂もバイクで追い駆けます。
犬養はコテージのベッドに寝かされている沙耶香を発見し助け様とした時、雛森に麻酔注射を打たれて意識を失くしてしまいます。
遅れて到着した高千穂が雛森を逮捕しました。
病院のベッドで意識を取り戻した犬養は娘の沙耶香も無事と聞いて安堵しました。
その後の捜査でドクター・デス雛森は35人以上の安楽死を行っていた事が明らかになりました。
獄中で雛森は自分の手を下した被害者達の感謝の言葉を思い出しながら「安らかな死を…」と口にするのでした。
ドクター・デスと聞いて思い出したのが、手塚治虫の医療漫画「ブラックジャック」のセミレギュラー的な登場人物の「ドクター・キリコ」でした。
回復の見込みのなくて、苦痛に喘ぐ患者に安楽死を行う点は似ていますが、ドクター・キリコは患者の心情に寄り添った行為だったと認識しましたが、今映画のドクター・デスは患者の弱みに付け込んだ快楽殺人行為の様です。
両者とも、自殺幇助若しくは殺人で日本では有罪ですが…。
不要不急の外出を控えたお家時間にDVD、ネット配信動画の映画観賞をみんカラの皆さんにもお勧めします。