
ネット配信で映画を観ました。
タイトルは「ザ・フォーリナー/復讐者」と言う、英国、中国、米国による合作映画。
作家スティーブン・レザーの小説「チャイナマン」を原作として映画化したアクション&サスペンス物。
日本では2019年に公開された。
あらすじ:
主人公のクァン・ノク・ミン(ジャッキー・チェン)はロンドンでチャイニーズレストランを営んでいます。
彼は若い頃に妻と双子の娘を亡くしており、現在は唯一の家族である愛娘ファン(ケイティ・ルング)と二人暮らしです。
ところが、ロンドン市街で北アイルランド解放テロ組織UDIの起こした爆破テロの巻き添えに遭い、娘のファンは亡くなってしまいます。
その後、ロンドン警視庁へUDIからの犯行声明が届きます。
北アイルランド占領に加担する組織に融資する銀行を爆破して行くと言う内容でした。
その頃、北アイルランド首都のベルファストでは、副首相リアム・ヘネシー(ピアース・ブロスナン)が愛人マギー(チャーリー・マーフィ)の所で爆破テロのニュースを知ります。
リアムは、今でこそ北アイルランド副首相ですが、若い頃はUDIに所属し過激派組織活動家として北アイルランドの解放の為に働いていました。
元米国特殊部隊員だったクァンは愛娘を殺したテロリストへ復讐すると決心します。
クァンはロンドン警視庁テロ対策司令部指揮官リチャード・ブロムリー(レイ・フィアロン)を訪ね、娘を殺した犯人の情報を求めますが、誰か?は特定出来ていないとけんもほろろです。
クァンはTVニュースで北アイルランド副首相リアムの会見インタビューを見て、リアムなら爆破テロ犯人の情報を得ているのではないかと思いました。
クァンは身辺を整理して、北アイルランドベルファストの副首相リアムの所へ向かいます。
リアムは娘を亡くしたクァンへ同情はしますが、テロリストに関して知っている事はないとクァンを追い返します。
クァンはリアムが犯人を隠していると思い実力行使に出て、リアム邸宅のトイレ部分を爆破してしまいました。
クァンはリアムを尾行し、愛人のマギーとの浮気現場を写メでリアムに送付します。
リアムは目障りなクァンを排除する為、元英軍特殊部隊だった甥ショーン・モリソン(ロリー・フレック・バーンズ)を呼び寄せます。
ショーンはリアムの妻メアリー・ヘネシー(オーラ・ブラディ)の浮気相手でした。
テロ対策司令部指揮官リチャードは特定した犯人が誰か?をリアムに知らせます。
リアムが協力を依頼した元同志のヒュー・マクグラス(ダーモット・クロウリー)が黒幕で過激派組織の急進派リーダーでした。
裏切られて激昂したリアムはヒューを呼び出し、射殺してしまいます。
リアムの愛人マギーも関わっていて、彼女にとってリアムは枕営業相手だった様です。
マギーは航空機爆破テロを行う為、飛行機で渡航する報道記者のイワン・ウッドのノートパソコンに爆弾を仕込みます。
その頃、ショーンはクァンを始末しようとしますが、返り討ちに遭い、拘束されてしまいます。
クァンは愛娘ファンを殺した爆破テロの実行犯の特徴をショーンから訊き出した後、彼を解放しました。
リアムの許に戻ったショーンは、リアムに妻メアリーとの関係を指摘され、メアリーを経由してヒューに極秘情報が洩れていたと責められます。
テロリストのアジトを警視庁特殊部隊が取り囲んで監視していました。
その様な中、クァンはガス点検作業員を装ってアジトに潜入し、テロリスト達を殺害して愛娘ファンの仇を討ちました。
アジトの中からの銃撃音がしたのを機に警視庁特殊部隊もアジトに突入しますが、男性テロリストは全員が絶命しており、女性テロリストのマギーだけが瀕死の状態と言う有様でした。
警視庁特殊部隊はマギーから航空機爆破テロの実行計画を訊き出し、テロを未然に防ぐ事が出来ました。
ショーンは自分を情報収集の為に利用していたメアリーを射殺します。
クァンはリアムの許を訪れ「お前がテロを計画した」と問い詰めます。
すると、リアムは「クァンの娘達を巻き添えに殺す気はなかった」と弁解します。
クァンはリアムがテロリストのマギーとの浮気現場を撮影した動画をネットに配信しました。
その行為の目論見は、北アイルランド解放テロ組織UDIのマギーと密会していたリアムは市民から糾弾されて、北アイルランド副首相の職を辞する事になるとクァンは踏んでの事です。
復讐を終えたクァンがロンドンのチャイニーズレストランへ帰ると、クァンの帰りを心待ちにしていたケイ・ラム(リウ・タオ)がハグしてきました。
私見:
この映画の物語の火種となった「北アイルランド紛争」、北アイルランド領有を巡る英国とアイルランドの領土問題は1998年に「ベルファスト合意」で和平合意がなされ、紛争は終結しているのが救いです。
以前のジャッキー・チェン主演の映画はコミカルなアクション物が多かったと思いますが、今回の「ザ・フォーリナー/復讐者」の主人公クァン・ノク・ミンは終始ハードボイルドを貫いていて、笑えるところは皆無でした。
映画タイトルの一部を成す「フォーリナー」には、“外国人”、“異邦人”と言う意味があるそうです。
原作になった小説のタイトル「チャイナマン」では、北アイルランド解放を謳う内容をイメージし難いでしょうから、日本での映画タイトルは「ザ・フォーリナー/復讐者」で良かったと思います。