
ネット配信で映画を観ました。
タイトルは「凍える鏡」と言う、2008年公開されたヒューマンドラマ仕立ての邦画。
自己愛性パーソナリティ障害の主人公を初主演の田中圭が演じ、その主人公に関わる重要な役どころの渡辺美佐子にとっては映画出演100本目の記念作品でもある。
キャプション:ウェブサイトより
お母さん、言いたいことがあります。
今作「凍える鏡」は、もはや親から「無条件の愛」を与えられることのなくなった現代人の孤独とそこからの回復を、ひと組の母子と青年との関わりを通して描き出した21世紀の寓話です。
あらすじ:ウィキペディアより(キャストは加筆しました)
画家をめざす青年・岡野瞬(田中圭)は東京の路上で自分の描いた絵を売っていた。ある日、信州の山荘でひとり暮らしをしている年老いた童話作家・矢崎香澄(渡辺美佐子)が講演のために上京し、その帰り道、街角で瞬の絵に目を留める。これが2人の出会いであった。
やがて自殺した香澄の親友の部屋の片付けなどをきっかけに、親子以上に年の離れた瞬と香澄は不思議な絆で結ばれていく。
瞬は少年のように純粋な心を持ちながら、すぐに怒りを爆発させては周囲と問題を起こす不安定な精神状態で、それを心配した香澄は、臨床心理士をしている一人娘・矢崎由里子(冨樫真)に瞬の治療を頼む。
由里子は瞬と面談し、彼に自己愛性パーソナリティ障害の傾向があることを感じる。カウンセリングを通して少しずつ心の平穏を覚え、同時に由里子に好意を抱いていく瞬。その過程で、瞬が幼児期に母から虐待を受けていた事実が明らかになっていく。そして実は、由里子自身も母親の香澄に対し、密かに充たされぬ感情を抱いていたのだった…。
私見&ストーリー補足:
主人公で画家志望の岡野瞬(田中圭)の才能に童話作家の矢崎香澄(渡辺美佐子)が目を留め、童話の挿絵を瞬に任せたいと言います。
香澄が息子程に年齢の離れた瞬と親しく接して行くうちに、彼が精神的に不安定なところがあると気付きます。
香澄は臨床心理士をしている娘の由里子(冨樫真)に瞬の治療を依頼します。
由里子は瞬が自己愛性パーソナリティ障害を抱えていると診断し、カウンセリングをして行くと瞬が幼い頃に母親から虐待されていた事を知ります。
香澄は瞬の心の病を知りながらも、養子にすると実の娘の由里子に宣言します。
瞬は実母にはない優しさを香澄に感じており、養子になる事は嫌ではない様です。
しかし、由里子は幼い時から童話作家として忙しく創作活動して来た香澄の無私の愛を受けた事がなく、その事を由里子は不満に思っていました。
不満が爆発した由里子は香澄と口論になります。
その後、香澄は持病の心臓が苦しくなり倒れて緊急入院しました。
由里子は付きっ切りで香澄の看病をしていました。
病室で香澄は安静に寝ており、看病疲れか?由里子は香澄の傍で突っ伏し寝入ってしまいました。
瞬はその傍で、2人の寝姿をモデルに童話絵本の挿絵を描いていました。
目覚めた香澄と由里子は瞬の描いた挿絵を見せられ、仲たがいは解消された様です。
映画タイトルの「凍える鏡」とは?
「自己心理学」提唱者で精神分析学者ハインツ・コフートの心理学理論では“鏡”は「子供は親と言う“鏡”に自分を映し出す事で、己の行動の意味を知り、自己を育てて行く」とあり、映画タイトルはそこからの引用の様です。
主人公の瞬にとっては、その“鏡”つまり親(本編では母親)が“凍える”程の冷たい存在だった事が、彼の人格に大きく影響していました。
しかし、矢崎香澄、由里子の母娘に出会えた事で、その後の瞬の人生は良くなって行くのではないかと思います。
12/19のブログで映画「ファーストラヴ」を取り上げましたが、その中では容疑者が複雑解離性PTSDを患っていました。
本編の主人公の岡野瞬(田中圭)は自己愛性パーソナリティ障害を患っています。
どちらの場合も幼い時に親からの正しい愛情に満たされないで育った結果の様です。
子育てする親は無償の愛を注いで、その重責を果たさなければなりません。
Posted at 2021/12/21 09:58:33 | |
トラックバック(0) |
映画 | 音楽/映画/テレビ