
DVDを借りて映画を観ました。
タイトルは「ナミヤ雑貨店の奇蹟」と言う、東野圭吾の同名小説を原作にした邦画。
ファンタジー物語。
2017年に劇場公開されました。
イントロダクション:関連サイトより
東野圭吾作品史上、最も泣ける感動作
世界累計800万部を突破し、「東野圭吾史上、最も泣ける感動作」と発売より高い支持を受ける小説「ナミヤ雑貨店の奇蹟」が待望の映画化!
時間と空間を越えて、繋がりの謎が明らかとなる時、思いもよらない感動と驚きのラストが待ち受ける——。
主演に山田涼介、雑貨店主に西田敏行。共演に、尾野真千子、村上虹郎、寛 一 郎、林遣都、成海璃子、門脇麦、萩原聖人と豪華俳優たちが顔を揃えました。監督は『余命1ヶ月の花嫁』『PとJK』の廣木隆一。
ストーリー:
1969年の夏。
ナミヤ雑貨店は悩み相談を受けていました。
相談事を手紙にして夜間にシャッターの郵便受けに投函すると、翌日には店の脇の牛乳箱に返事が入っているのです。
他人の手紙を開けて盗み読みしてはいけないと云う暗黙のルールがありました。
悩み相談を受けているのは、ナミヤ雑貨店の店主浪矢雄治(西田敏行)。
2012年。
児童養護施設丸光園出身の若者3人敦也(山田涼介)、幸平(寛一郎)、翔太(村上虹郎)は丸光園が買収され、そこにラブホかパチンコ屋が出来るとの噂を信じ、施設を買い取ろうとしている田村晴美(尾野真千子)を懲らしめる為に強盗に押し入り、椅子に拘束して逃げ出します。
3人は廃屋であるナミヤ雑貨店に忍び込み、明け方迄潜伏する事にします。
すると、シャッターの郵便受けに手紙が届きます。
3人は用心して外を探しますが、差出人の姿はありません。
手紙の差出人は魚屋ミュージシャンと名乗る方からで、書き出しは「昨日ジョンレノンが死にました」と記されていました。
ジョンレノンが死亡したのは1980年なので、32年前から来た手紙だと3人は驚きます。
3人は気味悪がって店を出て、霧が深くなった商店街を走って逃げますが、何故か?ナミヤ雑貨店の前に戻っているのでした。
3人は諦めて店内に戻り、暇つぶしに先程の手紙の返事を書く事にします。
1980年。
ミュージシャン志望の松岡克郎(林遣都)は大学を中退し、3年程音楽活動に専念しますが芽が出ないまま。
克郎は妹にナミヤ雑貨店の店主の消息を訪ねると、息子夫婦の許へ引越したと教えられます。
克郎は空き家だと聞かされたものの、懐かしさもあってナミヤ雑貨店に悩み事相談の「・・・ナミヤさんがビートルズに興味があるか判りませんが・・・彼らに憧れて・・・音楽の道で生きて行こうか?迷っています」と手紙を出します。
克郎は返事が来る事は期待しないでいましたが、翌日、郵便箱に返事があり驚きます。
2012年と1980年が交錯。
魚屋ミュージシャン:克郎が貰った手紙には「音楽で食べて行けるのは、一部の人間だけですよ」とありました。
克郎は「可能性に賭けるのも良いのでは?」と再び手紙を出します。
それに対し3人は「3年もやって芽が出ないのは、才能がない証拠!」と返事を書きます。
すると克郎は「直接、聴いて欲しい」と手紙を出します。
その夜、克郎はナミヤ雑貨店のシャッター前で自分が作曲した曲をハーモニカで演奏します。
2012年にヒットしている女性シンガーのセリの曲である事に気付き、外に廻って魚屋ミュージシャンを探しますが見つけられません。
3人は「貴方の音楽で救われる人がいる筈だから、続けるべきだ」と返事を書きます。
1988年。
メジャーデビューはしていませんが克郎は音楽を続け、小さなイベントをこなし、児童養護施設丸光園のクリスマスパーティーに呼ばれて歌っていました。
克郎の作曲した曲に関心を示した少女セリ(鈴木梨央)がいました。
その晩に丸光園に克郎は泊まりますが、丸光園が火事になってしまいます。
セリの弟が逃げ遅れた為に助けに戻った克郎、セリの弟を助ける事は出来ましたが、克郎は火に呑まれて命を落としてしまいました。
2012年。
成長したセリ(門脇麦)はコンサートで弟を火事から救ってくれた松岡克郎の曲に、歌詞を付けて歌っていました。
1980年。
ある日、ナミヤ雑貨店の店主浪矢が受けた相談は、グリーンリバーさんからのもので「不倫相手の子供を妊娠した」と云う事でした。
その年の秋に浪矢は膵臓癌の為に入院していました。
そこで見た新聞記事に、母子が車で海に落ち無理心中とあり、女性の名は川辺みどり(菜葉菜)とありました。
浪矢は相談者のグリーンリバーさんではないかとショックを受けます。
浪矢は自分の余命が短い事を悟り、息子の貴之(萩原聖人)に遺言を渡し、店に戻ります。
遺言には店主の33回忌の命日にナミヤ雑貨店の悩み相談一夜限りの復活と書いてありました。
雑貨店に帰った浪矢は32年後の未来から、沢山の手紙を受け取っていました。
浪矢の許を昭和2年の皆月暁子(成海璃子)が訪れていました。
皆月暁子は丸光園の創設者ですが、浪矢の元彼女です。
2人は32年後の未来からの手紙を読みあっています。
丸光園で成長したグリーンリバー川辺みどりの娘の川辺映子(山下リオ)からの手紙には、高1の時に偶然見つけた新聞記事で母親の無理心中で自分だけ生き残った事を知り、校舎から投身自殺を謀ったけれど、死ねなかったと記されていました。
入院中に同じ丸光園で生活するセリから、丸光園の園長から預かって来たと云う、川辺みどり宛てのナミヤ雑貨店店主からの手紙が渡されます。
そこには「子供を幸せにする覚悟があるなら、産みなさい」とありました。
セリに「お母さんは幸せにする覚悟があったから貴方を産んだんだよ」と諭されます。
当時、川辺みどりは女手ひとつで子供を育てながら昼夜仕事を掛け持ちし車を運転した為、過労による居眠り運転をして事故ってしまったのです。
川辺映子は母親が無理心中をしようとした訳ではない事を知り、今は強く生きて行こうと決心していると手紙の結びには書かれていました。
読み終えた浪矢は目が潤んでいました。
すると、シャッターの郵便受けに手紙が投函された音がしました。
浪矢が便箋を開いて見ると白紙でした。
白紙の差出人は2012年にナミヤ雑貨店に忍び込んでいる敦也のものです。
浪矢は早速返事を出します。
そこには「名無しの権兵衛様 私は白紙の手紙を貰い考えました。この白紙は今の貴方には道が見えていない事だと受け止めました。貴方の未来は、まだ白紙だと云う事です。貴方の未来には、どんな事も描け、可能性は無限に拡がっています。最後に素晴らしい難問を頂けた事、感謝します」と記されていました。
敦也は返事を読み涙し、改心します。
そして、幸平、翔太と共に強盗に押し入った田村晴美の邸宅に行きます。
警察が現場検証している最中で、3人が拘束していた晴美は無事でした。
3人は晴美に向かって歩を進め・・・。
その後、敦也は介護関係の医療従事者、幸平は航空機の整備士、翔太は割烹の板前に、それぞれなる為の修業中です。
途中、差出人迷える子犬:田村晴美の逸話がありますが割愛しました。
私見:
悩み相談を受け付けていたナミヤ雑貨店店主の浪矢雄治(西田敏行)は、悩み相談に対する自分の回答が相談者の人生を左右し、時には狂わせていたのではないか?と自責の念を抱きます。
それで、遺言書に自分の33回忌の命日にナミヤ雑貨店の悩み相談一夜限りの復活を実現して欲しいと書かれていました。
悩み相談者のその後の状況を手紙に書いて教えて欲しいと言う願いでした。
時空を超えての手紙のやりとりはファンタジー物語そのものですが、ある意味でヒューマンドラマ群像劇でした。
琴線に触れる良い映画です。
