
※この記事で紹介している内容は、ドラレコの消費電力や仕様の違い、また使用する昇圧コンバータの性能によっては正しく動作しないことがあります。ご自身のドラレコで動作するかどうかを、これらをもとにご考慮の上実践してください。
煽り運転という言葉が蔓延した現代、ドライブレコーダーはもはや必需品ですね。
ドラレコはその多くが駐車監視機能なるものを備えていますが、基本この機能は内臓バッテリーが生きている時間内しか機能しません。
かといって、常時電源から電源を取ってしまえば長く駐車している時にはバッテリーがあがってしまいます。
これを解決できるのが、車の電源が入っている状態(ACC電源ON)の時は車のバッテリーから電源をとり、駐車中はモバイルバッテリーから電源をとるという方法です。
一応これは手動なら簡単に実現可能で、単にドラレコの電源に対応するコード(よくあるのがmini USB)を用意して、駐車状態に入る時に手でモバイルバッテリーと繋げばokです。
ただ、私もこれは昔やっていましたが地味に結構面倒くさいんですよ。
なので、今回はこれを自動化してしまいましょう。
この記事で紹介するのは、①五極リレーを使用する方法と、②ダブルパワーUSBケーブルを使用する方法です。
①五極リレーを使用する方法
◎必要な物(互換品ならリンク以外の物でも可。工具類は基本省略)
・昇圧コンバータ
・
検電テスター(上記の電工ペンチセットであればこれは含まれています)
・絶縁用テープ、ケースなど
○ドラレコがシガーソケット給電の場合
○昇圧コンバータの種類によっては必要になるもの
⇒購入する場合の必需品
○他に必要になるもの(要個別確認)
※リンクは全て10A用です。自車のヒューズの型、電源をとるヒューズのアンペア数を必ず確認してください。
○あると便利な物
ちなみに、今回はんだごてを購入するという方は、ついでにはんだでの結線を試してみてはどうでしょうか。
DIYでは
電工端子を使うのが普通だとは思いますが、はんだでの結線はメリットだらけですので。
以下を読むにあたって、今まで配線をいじったことがなく、電工ペンチも扱ったことがないという方は以下に一通り目を通してからご覧ください。
では、本題に移りましょう。
せっかくなので、どうやって機能をするのかを詳しく見てみましょう。
まず、このエーモンのリレーの場合は配線が色分けされているので分かりやすいですが、黒い筐体の中は以下のようになっています。
デフォルトの状態ではスイッチ(鉄板)が白線側にあるため、赤線と白線が繋がっています。
左に行って、黒のアース用マイナスコードと青のプラスコードの間にはコイルがあります。
中2(?)理科を覚えている人や、
Dr. Stoneを観た人なら分かるかもしれませんが、コイルに電気が流れると、磁場が発生します。これにより、青線に電気が流れると、スイッチが引き寄せられの図のようになります。
スイッチが白線から離れ黄線とくっつき、赤線と黄線が通電するようになりました。
ここまで分かれば後は適切な色の線に適切な電源や電装品を繋げるだけです。
まず、今回は1つの電装品に対して2つのバッテリーを切り替えながら使いたいということを思い出してください。
また、2つのバッテリー間で切り替えをしたいのは、キーONの時とキーOFFの時ですよね。
なので、青線にはキーのONとOFFに連動する電源を接続します。
つまり青線に電気が流れている時は車のバッテリーから電源を取り、流れていない時はモバイルバッテリーから電源を取りたいので、白線をモバイルバッテリーに、黄線はバッテリーから電気を貰える線に接続します。
そうしたら、赤線は当然ドラレコに繋ぐことになります。
黒線は、どこでもいいので車体の金属部分にボディアースします。
したがって、キーオフの時にカーバッテリーではなくサブのバッテリーからドラレコに給電するには、以下のように配線すればいいわけです。
初心者用
では、ここまで分かったところで次は実際の配線です。
今回は、ドラレコがシガー電源をとるものとし、以下のように配線します。
私の場合は接合部は全てはんだで結線しますが、ギボシ端子による結線でも問題ありません。 また、大抵の場合車からの取り出し電源は5Aあれば十分足りるため、今回は青線と黄線を結線してしまいます。
したがって、もとのヒューズは10Aまたは15AのACC電源(またはIG電源)からとるといいでしょう。
次に、この配線で一番重要なのは昇圧コンバータです。
車のバッテリーはDC12Vなのに対し、USB(モバイルバッテリー)の出力電圧は5Vです。
したがって、モバイルバッテリーから取り出した電源をそのまま車の配線に割り込ませることはできません。
ここで必要になるのがこのコンバータです。
(このようなコンバータは出力電流が低いものが多いため、ものによってはご使用のドラレコに適応しない可能性があります。これに関してはご自身で確認の上購入してください。)
可変式の変圧器には金色の回し手がついているので、これを回して12Vの電圧を取り出します。
設定が出来たら回し手を接着剤などで接着してしまいましょう。
また、今回使っているもの(性能は保証しません)であれば電圧が目視できるため設定が簡単ですが、このような機構がついていない場合、上で「必要なもの」として紹介している通り、メーター付き検電テスターを使用し電圧を測りながら設定する必要があります。 また、大抵のコンバータでははんだ付けが必要になるのでこの点にも注意してください
(リンクのものは不要です)。
ここまでくれば、後は実際に配線を作るだけですね。
完成図を載せておきます。
昇圧コンバータのところにある袋は、絶縁用にいろいろ加工して作った塩化ビニール製の小袋です。
ダイソーで購入しました。
コンバータは基盤や金属部分がむき出しでそのまま車の配線の中に突っ込むのは心もとないので、これで包むことにしました。
絶縁によく使われるビニールテープも大半は塩化ビニール製です。
同じものを作る場合は、袋を購入する際に必ず素材を見て塩化ビニール製であることを確認してください。
この袋はそこそこ厚みがあるのでこのままでも大丈夫なはずですが、一応表裏をひっくり返してビニールテープを貼ってあります。
また、ジッパーの部分と布のような部分は切り取ってあります。
左右には穴をあけて配線とケーブルが通るようにしてます。
袋にコンバータを引っ込めると...
こんな感じ。
あとは実際に車に着けて機能テストをして、問題なければ袋の口を閉じて上からまたビニールテープでぐるぐる巻きにすればokです。
また、モバイルバッテリーとの接続に使うUSBケーブルは、今回
スイッチ付きのものを使用しています。
私は自宅の駐車場では駐車監視の必要がないため、これを取り付けることにしました。
モバイルバッテリーの電池節減にも有効のはずなので、USBケーブルはこのようなものを使うか、別途配線にスイッチを組み込むことをお勧めします。
以上が1つ目の方法になります。
②ダブルパワーUSBケーブルを使用する方法
◎必要なもの
この方法の肝はダブルパワーのUSBケーブルです。
このケーブルは入力2に出力1の構造となっているため、各自必要なケーブルを用意して引き回すだけです。
以下は、ドラレコの入力がmini BタイプのUSBで電源がシガーソケットの場合の配線の一例です(矢印の頭はオス、尻はメスを表しています)。
これは単なる例ですので、ご自身のドラレコにあった配線をしてください。
この方法の利点は①の方法よりもとっかかりが付きやすく、さらにより大きい消費電力のドラレコにも対応できる点にあります。
しかし欠点もあり、2つのバッテリー両方からドラレコに電気が流れ込んでしまうリスクがあります。
また、線同士はUSB端子で結線することになるので、割と簡単に端子が抜けてしまい動作しなくなってしまうリスクもあります。
普通配線は内張りの中に隠すでしょうから、こうなってしまえばすぐに確認もできませんし、接続し直すにしてもそれらを外さなければ再接続できません。
したがって、①の方法のほうが使い勝手がいいのは確かです。
簡単にまとめると、自動化できれば非常に楽だけれども、配線でどうにかする場合汎用性が低くなかなか難しいのです。
ですが、自動化できれば本当に楽ですので、興味のある方は試してみてください。