
さて、スプリング交換を決意した件ですが、部品がほぼ手元に揃いました。
取り付けに関してはとりあえずフロント側は無茶すると壊すので(抜き治具もないし)、大人しくアライメント調整時に依頼します。
まずウチのアクセラに装着中のBLITZ ZZ-R吊るしスプリングについて。
自由長は、フロントが直巻180mm、リアが樽型専用形状の190mmとなっています。
また内径(ID=Inner Diameters)に関しては、汎用性の低い62mmとなっています(リアスプリングもメインの部分はφ62)。
使用用途は街乗りとワインディングのハーフ、サーキットは検討外(別に走れない仕様でも無い)。
ということで、乗り心地のスポイルは最小限に抑えたいところ。
スプリングはなるべく長さを確保するのが乗り心地確保にあたってのセオリーです。
従ってターゲットはフロントで180mm(≒7インチ)以上、リアで190mm(≒7.5インチ)以上ということになります。
但し、リアの190mmのスプリングは基本的に各メーカー設定がありませんので、180mmや200mmという選択肢にならざるを得ません。
さらにリアを汎用性の高い直巻きにする為(というか、アクセラ専用形状の樽型のものなど車高調キットを買う以外選択肢がない為、直巻化はほぼ必須条件)、以前のブログに載せた通り直巻アダプターが必要となります。
今回注文したodulaさんの直巻スプリングアダプターは、HP掲載情報によれば140〜150mmのバネに対応とあるので、アダプター部で40mm程度底上げ状態になるのでしょう。
IDは2.5インチ、ないしは65mmのスプリングに対応と記載があるので、これも加味した上で選択することになります。
因みに、フロントも選べるスプリングの選択肢を増やすためID65化します。
一般に、バネレートを上げるとバネの許容ストロークが減る傾向にあり(有効ストロークを超えると線間密着、或いは線間密着しないがバネの性能が劣化する可能性がある)、今回はフロント7k→8k、リア4k→6kにそれぞれ上げる為、許容ストロークは下がる可能性があります。
(BLITZ純正バネはHPに掲載がなく、調べるのが面倒でそのまま(爆))

ということで、前後共になるべく許容ストロークを確保できるメーカーのものを選定しました。
右がフロント、左がリアとなります。
スプリングメーカーは最初から言ってしまうと面白くないので、出処は装着後にて^^
まぁ、許容ストロークが少ないスプリングを調べればある程度お察しですが(爆

ちなみにスプリングの硬さ、メーカーを選定するにあたり、念の為どれぐらいのストロークになるかを計算してみた過程がコレです。(計算方法は前提条件を変えれば他もあります。AutoExeの貴島ゼミナールでは違った計算法が取り上げられています。)
計算は前後の加減速Gを無視した、定常円旋回で、1.5の横Gがかかったものとしています。
最終的な縮み具合は電卓で計算してしまいましたが、あとは外輪にかかる荷重をレバー比(TEIN車高調のデータから参考値として利用、フロント1.2、リア1.4)を考慮し、スプリングが1mmストロークする時の荷重(今回の私の装着予定のものでいえばフロント8k、リア6k)で割ってあげることで、どれだけ沈み込むかを計算します。
※ちなみにkとはバネレートのであり、正確にはkg/mm(キログラム毎ミリメートル)と表記。メーカーによってはこれに重力加速度(単位:g=地球上では約9.80665)を掛け合わせたN/mm表記の場合もある。
この1.5Gというのは公道を走る上ではオーバーに算出していますが、実際に車両設計をする上では万が一の場合を想定する為(数十kmの速度での側面衝突etc...)、極端な荷重条件とします。
かつて私も大学の研究で教授指導のもと、ハイブリッドソーラーカーのサスペンションアームを作り、一般自動車程のマージンではありませんが、「80km/hで半径100mの円を定常旋回」という、あの細いタイヤでありえないシーンを想定して設計しました。
で、今回の計算の結論を言えばフロント8k、リア6kのバネでも1.5G時線間密着します(笑

ただ、おそらくリアに限っては吊るしのスプリング同様、線間密着の前にバンプタッチするでしょう。
※バンプタッチとは、ショックのダストブーツ内にあるバネが線間密着するのを防止をする役目を担う「バンプラバー」(図の白点線部)が、ストロークによりショック上部に突き当たることを言います。
静止状態でスプリングをジャッキで無理やり押し上げると、どれくらいで目一杯のストロークになるかが分かるので、拘る方はそのやり方で疑似走行状態を作り、最終的にバンプラバーをカットしてセッティングを出します。(自分がやるかどうかは、まずスプリング交換をして走ってみてからにする予定(笑))
フロントスプリングは以前述べた通り現状線間密着の跡がある為、プリセットされているバンプラバーはショック内へのゴミ進入抑制としてしか働いていない模様。
8kを装着しても線間密着の懸念はあります。
まぁ密着してもBLITZ程の錆にはならないと思いますが。
かと言ってその為にバンプラバーを厚みのある物に交換するのもめんどいので…

TEINからリリースされているサイレンサーラバーを装着することにしました。
前回のブログに載せたラバースペーサーは厚みがあり、線間密着が起こりやすいスプリングの巻き始めには取り付けができそうもない為。
これでほぼ対策は出来たと言って良いかと思います。

またステアリング操作時のスプリングからの異音とハンドリングの滑らかさを狙い、フロント側に限りスラストベアリングを装着します。
購入したヤフオクの出品者より、一般的なリチウムグリースより、 ゴム製品への攻撃抑制にも優れたクレアグリースを塗布して頂きました。
大変感謝。
折角知識を頂いたので、コチラでもウレアグリースを調達。
ベアリングだけでなく、バネの座面等組み合わさる部分に塗っておこうと思います。
リアはodulaのアダプターの台座部分が割と綺麗に表面処理されている為、操舵輪でもないので装着は様子見とします。
アライメント予約は7/30に取りましたので、これで遅くともフロント、リア共に一新となります(車高調に他のトラブルがなければ(笑))。
プリロード(1G状態での初期荷重調整)に関しては今まで少しだけかかっていましたが、(作業者の人的ミスかは不明だが、触った感じ恐らく2周程度)、プリロードをかける=スプリングの縮み側のストロークが増えるため、線間密着のリスクが増えると今更ながら気づきました。
よって基本的にはゼロでいこうと考えています。
プリロードに関しては、こちらの方の動画が解かりやすいです。ご参考まで。
https://youtu.be/mreVEf3sWiw