
8が納車され、早くも1週間が経ちました。
この1週間、両者の特性、長所・短所を見比べるべく、ほぼ毎日テレコで転がしていました。
クルマの限界性能を試すようなことはもちろん不可能ですが、よく通る道を8で通ることによって性能しかりユーティリティしかり、色々なことが見えてきました。
尚、8は「4人乗りスポーツカー」という観点、「BKアクセラはスポーツコンパクト」という観点からアクセラ乗りとして8に対して思うことを書いてみます。

先ず運転席や後部座席の印象について。
座ってみて感じたのは、思いの外アイポイントが高いということ。
スポーツカーとしては少し全高が高めの8ですが、座面高さももれなく高めに感じられます。
ステアリングはチルトはあってもテレスコはなし。
これは×ポイント。
また、クラクションはBKアクセラと同じ前期型8の方が圧倒的に操作しやすいです(笑
中央のカモメマークの部分だけがクラクションなので、2時の位置を右手で持ちながら親指を伸ばしても届きません(汗)
タイプRSには専用のRECAROセミバケットシートが奢られています。
素材は背もたれと座面のファブリックと、サポート部分の革、コンビシートです。
サポートが革なので、カーブを曲るとちょっと滑ります。
ここはBKアクセラで使用しているSR-6のような起毛素材にして欲しかったところです。
背もたれの角度調整はありますが、RECARO製ということもあり、シートリフターは備わっていません。
身長171cmの私(胴脚の長さは多分普通)がフルバケットシートによく設定されている角度より若干起こして座ると、水色の線辺りがアイポイントになります。
頭上は拳1個チョイくらいが入り十分なクリアランスですが、185cmを超えるような人だと頭がぶつかるかもしれません。
だだ、スポーツカーであることを考えると優秀ですね。
個人的な好みとしてBKアクセラでも純正シートの頃は最下部で座っていたこともあり、もう少し低めが好みです。
ただ、それをしなかったのには恐らくあんな訳が…。

クラッチを切った時、若干膝が曲がるくらいのポジションでシート位置を調整しています。
そのシート位置で後部座席を見てみると、二ースペースはこんな感じ。
痩せ型の私で膝周りに拳1個分くらいのゆとりがあります。とっても優秀。

いざ座ると、頭上は手のひら1枚が入るくらいの余裕があり、そして問題の足置き場は…運転席下に潜り込む状態となりました。
これが4座スポーツカーをコンセプトにしている所以でしょう。
これ以上運転席が低いと足を突っ込めなくなってしまいます。
ついでにいうと、このポジションに不満で社外シートに交換し、ポジションを最下部で合わせたりすると、サイドガラスの下端がいよいよ目線の高さに近くなり、横が見えなくなります。
そう考えると、運転席のシートポジションはなんだかんだこれが
制約のある中で最善のポジションだったんだなと感じます。
よく考えられています。

運転席の足元はこんな感じ。
ペダルレイアウトは上々。
しかしヒールアンドトゥしやすいアクセルペダルの形になっているとはいうものの、結局奥まっていて、ブレーキにきちんとつま先を置きたい自分にとっては足首の動作が億劫。
結果アクセルペダルカバーをつける始末でした(笑
私にはアクセルペダルが奥まっている方が安全という理屈がどうも理解不能ですが、
せめてスポーツカーくらいブレーキに近い高さにして欲しいというのが素直な感想です。
また左脚はトランスミッションのレイアウトの関係上、フットレストに左足を置くともたれ掛かるようになり、少し窮屈感があります。
ただ、慣れれば気になるようなものではありませんでした。

続いてユーティリティ関係です。
巷ではよく謎扱いされているサンバイザーのメッシュ部分。
これ防眩のためにここから覗けるようにしているのでは?と感じました。
一時的にこの部分から除くくらいなら全く怖くありません。
またETCが標準搭載されているためか、カードを挟むためのバンドはありません。
駐車券を挟みたい時はどうするんでしょうか?
赤矢印部分にあるサングラスケースを使ってくださいという事ですかね。

運転席ドアです。
正直ドアに関しては仕方ない面もありますが、残念が多数。
ドアポケットはアクセラより前後方向に小さいです。
ペットボトルは入らないですね。
この後紹介するセンターコンソールにはカップホルダーがありますが、出来ればカップホルダーとして使いたくないので…。
見た目より深めに作られている点は良いのですが、ドアを閉める時の取っ手部と機能が統合されているため、油断するとこの横の隙間から物が落ちます(汗)
乗降時は注意を払う必要があります。
また、支点力点の問題もありますが、ドアが結構重いです。
さらに駐車場等でドアを少しだけ開きたい時、勝手に止まる1段階目と2段階目の開きが大きいです。
この画像は分かりにくいですが2段階目。
これだと隣の車や壁にパンチしやすいです。
かと言って1段階目で乗り降りしようとすると、
痩せ型の私すら体を少しくねらせないといけません。
前席のドア、もう少し何とかならなかったものか…。

後部座席のドアはこのようにベンチレーション機能が着いており、これはナイスアイデアですね。
今のところ、この窓に関する進水トラブル等は耳にしていません。

さて問題のフロントからリアにかけて続くセンターコンソールです。
結論から言えば、後席側はGood、前席側はBadです。
1枚目。後席にもドリンクホルダー、小物入れが完備、とても重宝します。
2枚目。後席は可倒式では無いものの、ご覧のようにトランクスルーがあり、いざと言う時はスキー板みたいな長尺物も積めます(但し、外したトランクスルーの蓋を引っ掛けておいたりするフックはなし)
そして問題の3枚目。
開閉方法に癖があり、ボタンを押しながらまずそのまま後ろに引きます。
その後助手席側にはね上げます。
おそらくは運転席に座りながら使えるような設計にしたのでしょうが、如何せんレール等の造りがちゃっちい。
Rマジックの大原代表曰く、中古の中には車壊れて①の段階を踏まずに助手席側に開いてしまうケースもあるそうです。
この個体はここに限らず内装は全て健康品ですが、繊細に扱わないと若干ミシミシ鳴るので怖いです。(汗)
そのため、肘掛としてのパッドも着いていますが、損傷防止で肘掛としてはあえて利用せず、普段はステップ①の位置に固定しています。
普段直ぐにシフト操作ができるよう基本的には片手運転状態ですが、手を置く位置は4枚目のように特徴的なサイドブレーキレバーにこんな感じで手をかけます。
この状態は比較的ラクです。
但し、この持っている部分は剛性感がなく少しフニャフニャ。ここを持ちながらサイドブレーキを引くとかかりが悪いです。
なぜ柔らかい素材にしているかは不明です。
そしてもうひとつ恐ろしい問題があり、ちょっとエンジンを回したりといった中負荷走行辺りから、このカップホルダーの辺りが熱を持ち始めます。
冬場は暖かいのでまだ良いですが、夏場は最悪。
冷たい飲み物があっという間にぬるま湯ドリンクと化します(汗)
もうひとつのSNSで教えて貰った情報では、後期になってここが熱くなりにくいような対策がされたとの事ですが、いやいやどれほど変わったのか分かりませんが確実に熱を持ちます。
エンジンを限りなくバルクヘッド側に寄せたことによる弊害でしょうか。
もしそういう側面があるなら仕方ないことですが、であればそれこそ先程言った
ドアにドリンクホルダーを設けて欲しいということです。
ただでさえ熱のこもりやすいスポーツカーの室内なので、早くも来夏どうしようかと考え中。
NDロードスターみたいな感覚で、どこかにドリンクホルダーのフックでも着けますかね。。。

トランクルームに移ります。
一眼レフのカメラ機材を置いてみると、この凹みがカーブを曲った時荷物固定の役目を担うためとても重宝します。
スペースに関してもアクセラよりは積載能力は当然下がるものの、望外の積載能力です。
FDと違って荷室確保のためか、スペアタイヤはなくパンク修理キットが右奥にマジックテープ止めされています。

最後はこの後席のフリースタイルドア。
これはもう4座スポーツカーとしてよく考え抜いたと思います。
後席のアクセスも簡単です。
所謂ピラー内蔵型ですが、ドアそのものが小さいので、重くても少ない力で開閉できます。

締めに肝心の走行に関わる部分です。
ステアフィールは評判通り良いですね。
但しパワステがきちんと作動していても、重いです。
アクセラの重さを1とすると、2倍程度の重さです。
タワーバー等が入ってることも多少は考えられますが、これは元々重いんでしょう。
アライメント調整後も激的な変化はありませんでした。
力のない人だとちょっと運転疲れします。
だからこそ、テレスコ機能が欲しかったな。
6MTはスポーツカーらしくショートストロークで、節度感が滅茶苦茶高いです。
但し、軽く入り過ぎるような感じもし、アクセラと違って走行時ノブが振動します。
耐久性はいかがなもんでしょうか。
どことなくシフトミスばかりしていると、不安な気がするのも事実です。
またスポーツカーらしくエンジンブレーキが強烈なためか、特に1→2速の変速時、アクセルを抜くほんの少し前にクラッチを切り始めて即座に2速へのシフトを完了しないとギアが抜きにくいです。
2速へ入れた時のガタガタ感も結構なものなので、余程のシーンでない限り、今のところ1→2速のシフトアップ過程に限りダブルクラッチを使っている始末です。
クラッチは愛車紹介でも述べた通り、個体差の影響なのかシビアです。
時速7km/hで1速が半クラッチ無しで繋がる速度です(アイドリングの回転数は約950rpm)
アクセラの場合大体6km/hで完全に繋がり、繋げてからアクセルでスルスルと加速してもスムーズに走行ができますが、それと同じやり方で発進するとギクシャクが物凄いことになります。
つい昨日やっとスイートスポットを発見しましたが、クラッチはミートポイントまで一挙に合わせ、アクセルの煽りはクラッチと同時かコンマ2秒程度先に、深めに素早く1回、ニュートラル状態の約2000rpmの踏み込み方で合わせます。
7km/hではクラッチは完全に繋がず、10km/h程度で完全に繋ぎます。
場合によっては気持ち後輪がホイールスピンしかかります(汗)
1速は少し引っ張り気味に行い(少なくとも20km弱)、早めに2速へ入れてしまうのが振動を抑制するコツのようでした。
渋滞時は前走車と距離を置く必要があり、少々キツいものがあります(笑

ワインディングでの走行は言わずもがな素晴らしかったです。
F1カーとは流石に全然違いますが、
前後重量配分50:50、軽量コンパクトなロータリーエンジンだからこそ成し得る、高剛性と超フロントミッドシップによる塊感を如実に感じられるコーナリング性能でした。
ハンドルの重さが、咄嗟のシーンで操作遅れになりそうな点だけは気になりますが。
アクセラで発生する旋回中の小刻みにカウンターを当てる動作は皆無に等しいレベルでピタッと路面に貼り付き、舵角もほぼ1発で決まるのには度肝を抜かれました。。。
サスペンション形式と形状、前後を繋ぐPPF(パープラントフレーム)の恩恵がでかいんでしょうね。
尚後期型は改良により前期より少し重量が増したものの、その殆どが剛性UPのためだと聞いています。
あとは、油温上昇対策でのオイルクーラー増設とかですかね。
サウンド面も唯一無二。
細かい粒が凝縮されているような回転フィールで異次元の滑らかさ。
AutoExeの吸排気に前オーナーが変えられていることも相まってか、老舗チューニングショップのリビルドエンジンやコンプリートエンジンを積んでいなくとも酔いしれる音でした。
街中での上限回転数2000〜2500rpm程度でも十二分に気持ち良さを体感できました。
燃費に関しては触れません(爆)
総評として、ユーティリティ面や使い勝手の面においてアクセラと比較させるのは可哀想ですが、これが実用スポーツカーの真髄と言えるパッケージングでした。
細かい部分に目を瞑れば、大人4人が快適に乗れる設計、独創的スタイリング(ロータリー車らしい低いボンネット、湾曲した見やすいリアガラス、FDから継承するてっぺんが凹んだダブルバブルルーフ等々)、不思議で気持ちの良い回転フィールと言った、
スポーツカーの枠を超え、このクルマだからこそ味わえる部分が沢山詰め込まれたスポーツカーでした。
キャッチコピーにあった文言"A sports car like no other."の表記に偽りのない美味しいクルマです。
ローパワーFFでもチューニングにより、よく曲がり燃費も気にせずオールマイティに走り回れる実用スポーティカー、BKアクセラスポーツ。
燃費とメンテナンスは注意を払う必要があれど、感動を与えてくれる4座ピュアスポーツ、RX-8。
エンジンオイルは専用品を使う必要がある等コストと手はかかるかもしれませんが、これからのカーライフが充実すること間違いなしです。
「でもお金貯蓄しなきゃ(((ボソッ)」
(爆)