
ポルシェ911 PDKとBMW M4 DCTとの比較については、PDKのシフトアップ高速性のナゾが解明されることもなく、半年ほど、悶々としていました。
そんなときに、事情あって、いくつかの他の自動車について、じっくり分析する機会をえました。
ALPINA B5、BMW M5、BMW118(先代のFRモデル)です。
この三つの自動車の共通点は、
「ZF8HP」の高性能ATを積んでいることです。
はっきりいって、ZF8HP第二世代、第三世代の変速スピード
かなり速いです。。。 とくに、シフトアップが!
M4 DCT よりも、速い!!!
シフトアップ操作した、瞬時にギア変わってます。
もちろん、トルコンですから、極めてスムーズに。
運転していて、脳裏に浮かんだのは、Mディビジョンにおけるセールス&マーケティング担当副社長ピーター・クインタス氏のコメント。
『BMW Mディビジョンにおけるセールス&マーケティング担当副社長ピーター・クインタス氏が「マニュアル・トランスミッションとデュアルクラッチは早晩無くなる」と発言。
(中略)
ピーター・クインタス氏によると「DCTが通常の(トルコン式)オートマティック・トランスミッションに対して変速スピードの優位性を持つ時代は終わった」とのこと。
加えて「かつて、DCTは通常のATに対して2つの利点があった。それは軽量性と変速スピードだ」と語っており、「今ではその両方共が失われようとしている」とも。』
出典: BMW「マニュアルに加えDCTも消滅。もはやトルコン式ATには勝てない」
投稿日:2017/05/02 閲覧 https://intensive911.com/?p=91423
出典引用日:2020/11/30
もちろん、、
既に、ツインクラッチの優位性は相対的に失われつつあることは知ってました。
ダメ押しは、2020年に発表された新型4シリーズやM4が、ZF社のとても優秀な第三世代高性能ATである8HPシリーズを搭載したことで、確定的に証明されたのですが。
それは、ZF8HPシリーズの全速ロックアップ&高速シフト性能を体験してからは、本当に納得できる。
そして、
BMW118(F20)を乗っているときに、
あっ。! と気付いた。
「似ている。。」
ZF8HPのシフトアップ時の変速フィーリングが、とても似ているんです。
あの車に。。。
そう。 ポルシェ911 PDK に そっくり。
たまたま、同じZF社のトランスミッションですが、ZFのPDK と ZF8HPが
どうして これほど似ているかというと、
思うに、
PDKは、エンジン回転数と、トランスミッション回転数が一致する前から、コンマ数秒の世界だけど、早めに、湿式多層クラッチをつなげているから。
だから、ポルシェ911でシフトアップすると、極端にいうと、とりあえず、半クラッチ&シンクロで、まずギア変更が終わって、その後で回転が落ちて、同期していく、
まるで、オートマ(ZF8HP)のような、フィーリング。
一方で、M4でのシフトアップすると、まず回転が落ち始めて、同期速度に近くなってからギア変更が終わる感じ。基本、3ペダルMTのフィーリングです。
その差が、シフトアップ時のポルシェPDKの変速が、M4よりも速いように感じた原因だ!
そして、PDKがAT車(高性能ZFの8HP)に似ているのも、説明できる。
AT車は、トルコンが流体クラッチみたいなものですから、エンジン回転とトランスミッション回転が同期する前から、次のギアをつなぎ始めても、大きな問題にはならない。

そこで、あれ? と思ったが、
ZF8HPは流体クラッチみたいなものだから、いいとしても、
PDKは、大丈夫なのか!!
PDKも、DCTと同じく、基本MTだから、回転差が大きい状態で、早めのミートしていくと、クラッチディスクが激しく摩耗してしまう。
これは、エンジニアリング的には、禁じ手ではないか。
だが、おそらく、
ポルシェのエンジニアは、そんなことは百も承知だったと思う。
そもそも、
ポルシェPDKは、クリープ現象のある変速機だ。
AT車と同じクリープ現象を意図的に、作出している。
これは、多層クラッチ盤をヤスリがけしているようなもの。。
(とんでもない仕様だ。。)
そう、
PDKは、クラッチ消耗について、最初から確信犯なのである。
(その5につづく)
ブログ一覧 | 日記
Posted at
2020/11/30 18:13:56