
最近修理するものが無くなって禁断症状が出てきたと見えて、ヤフオクでカルマンギアのダッシュボードに付いている時計(ジャンク品なので安かった)を”ポチっとな!”としてしまいました。左の写真の大きいスピードメーターの右側にあるやつです。
いつものことですが、品物が到着したら、最初の写真を撮るのを忘れて早速作業開始となるので(学習機能なし!)、Beforeの写真はヤフオクの写真を拝借しました。’67~’71にのみ使用された小さいタイプです(12V)。ドイツ時計の中堅メーカー、キンツレとVDOのコラボ時計ですね。
試しに後ろの+電極と本体アースに12Vを繋いでも時計はピクリとも動きませんでした。
早速ベゼルを外して修理開始です。下の写真では、外したベゼルをすでにラビングコンパウンドで錆取りし、風防ガラス(プラ)は王道のソフト99で磨いているのですでに綺麗になっています。
時計はテンプがある機械式(年代からしてクオーツはない!)で、その動力のスプリングを電気的に巻き上げる仕組みです。テンプや各歯車の「ほぞ」(軸のことです)を爪楊枝で5-56を付けつつ掃除します。歯車の歯の間も爪楊枝で掃除です(分解はめんどくさそうなので・・・)。すると、歯車に回転力を加えるとテンプが動くようになりました。まずはメデタシ!あとは電気的に巻き上げる仕組みが作動すれば復活です。
時計は、以下の写真のように右下の金属円盤がスプリングに引かれて黄色矢印方向に回り、それが時計の歯車に伝わって(青矢印)時計が作動します、時計が動くにしたがって円盤に取り付けられたポイントのような接点(赤矢印)が閉じていきます。
下の写真のように接点が閉じると電磁石の力で円盤が今までとは逆方向(下写真の黄色矢印方向)に「パシャッ」と瞬時に回ってスプリングが巻かれ、同時に接点が開くという仕組みです。その時には赤矢印のレバーがギアの上を滑って逆回転終了時にギアと噛み合います。このサイクルを2分半程度の間隔で繰り返します。2分半ごとに一瞬だけ電気を使うって感じです。うまく説明できていますかね?
下写真の赤で囲った部分が電磁石です。2分半ごとに接点が閉じて通電→スプリング巻き上げを繰り返すため、時計からはそのたびに「カシャッ」という音が聞こえます。機械式時計のカチカチ音より大きめの音がします。巻き上げ機構は問題なく作動したので、時計は復活です!
スロー動画も撮ってみました・・・テンプはまあまあ良く振れています。
このような仕組みで動くので、12V以下でも作動します。ただし、電圧が低いと電磁石の力も弱くなり、結果として巻き上げの力が弱くなるので、カシャッという巻き上げ間隔は短くなります。9V(006P)で、1分半くらいの巻き上げ間隔になりますが、時計としての正確性はほとんど変わりません(テンプ式なので)。しばらく作動することを確認して、時計用の油をほぞに給油してから元に戻します。ダイヤルや針も掃除したので、結構きれいになりました。大満足です!
ダイソーで買った9V電池で動くので、しばらく机の上で時を刻んでもらいます。
この電池でどのくらい動くんでしょうね?肝心の時計としての正確性はかなりいいようです。実用に問題はないと思いますし、裏側から微調整も可能になっています。
この時計を装着できる実車が手に入れば言うことなしなんですが・・・でも、こんなのを買うということは、実車に手を出すのも時間の問題なのかもしれません(その前にお金の問題が・・・)。モンキーでも実車購入の前にフロントフェンダーだけなぜか購入していましたからねえ・・・
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Posted at
2023/02/11 18:15:55