
最近寒くてバイクや車いじりをしていませんが(根性無し!)、修理中毒なので止まって放っておいた時計を修理(?)してみます。
修理するのはアトモスという時計で、温度差で永久に動くという触れ込みの時計です(でも、止まる・・・)。揮発性の溶媒(塩化メチレン?)が密閉容器の中で外気温によって蒸発したり凝縮したりして容器(ベローズ)を伸び縮みさせ、そのエネルギーでゼンマイを巻き上げるという仕組みです。シリアルナンバーから1966年製で、55年前のものです(リトホンと同じ!)
問題があると思われる時計の基幹部分を外してみます。まずはレバーを動かして振り子を固定します。そのあとで文字盤を外します。小っちゃいネジ2個で止まっているだけなので楽勝ですね。
次に文字盤を支えている金属板も取ります。文字盤との間にある紙をめくるとネジがあり、それを2個外すと取れます。
次に基幹部分を止めているネジ2個を取ります。下の写真の赤矢印のところで、写真ではネジを外した状態です。この機械部分はすぐに取れるのですが、不用意に取るとゼンマイが勢いよくほどけて機械にダメージを与えるので、緑で囲んだ部分の歯車を押さえておいてから機械を外し、その後徐々にゼンマイの力をリリースします。
すると、ユニット部分が簡単に取れます。
分解してわからなくなると困るので、写真を数枚とっておきます。この程度なら大丈夫だとは思いますが・・・上に変な形で伸びているところ(矢印部分)が、振り子を左右に動かします。振り子は60秒で一振動(!)です。ハイビートの腕時計は1秒に10振動の物もあるので、アトモスがいかにゆっくり動くかがわかるでしょう。
基本的な仕組みはテンプ式の時計と同じです。下の写真の赤矢印部分は機械式腕時計と同じアンクルになっています。
アンクル部分の軸受け(ほぞあな)やシャフト(ほぞ)を、先を削った爪楊枝を入れて清掃します。プロは専用の木を使うんですが、私はいつも爪楊枝です・・・
下の写真の赤矢印のボルト4個を外すと全部の歯車が外れるのですが、適切な大きさの時計ドライバーがなく、ネジも固かったので外すのをあきらめました。アンクルがない状態で手で歯車を回すといい感じで回ったので、まあ良しとします。古歯ブラシ(毛先の細いやつ)で歯車を掃除しておきます。特にガンギ車を念入りにやりました。
あとは元に戻すだけです。機械部分を戻す前に歯車を手で回してゼンマイを巻き上げておきます。今はちゃんと動いていますが、どのくらい動きますかねえ?ちなみに、工具は写真のようなプロ用の物を使っています(ダイソーでも売っていますが・・・)。今回は腕時計じゃないのであまり使いませんが、目につけるルーペとかオイラーとかも持っています。
これで半年くらいは動いてくれるといいんですけどね~
Posted at 2022/02/19 18:44:12 | |
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