ZX-10の車検を受けるに当たり、純正マフラーから交換したスーパーコンバットマフラーの音量が車検に合格できるか心配だった。取り替えたままの状態で音を聴いてみると結構迫力のあるサウンドで、明らかに純正よりは音が大きい。やはり客観的な数値による確認が必要と考え騒音計を購入し測定してみたところ、5000rpmにて101dbと出た。1988年式ZX-10は、規制値99dbなので規制値オーバーだ。より正しい測定値を求めるため、騒音計校正器も購入し、騒音計を校正して正しい測定値に基づいた騒音低減対策を実施することにする。
目指すのは恒久的に車検に合格できるが、抜けや音もそこそこ良いマフラー。そこでまずスーパーコンバットの内部を観察すると、構造はリプレースマフラーで一般的なパンチングメタルによるストレート構造ではなく、中間に1カ所、膨張室のような部屋がある構造で、これで爆音になるのを防いでいるようである。これは純正マフラーのような膨張室ではなく、部屋を挟んで向き合う内径40φのパイプが穴半分向こうが見える形で向き合ったような形になっている。この構造と前半部分のグラスウール、パンチングメタルの組み合わせで消音するハイブリッド構造ともいえる造りだ。
ただ、グラスウールの劣化で音量は微妙に上がり、車検に合格できるかどうかの音量となっている。そこで対策案であるが、膨張室よりエンジン側の部分は太いパンチングメタルの部屋になっているので、この部分に膨張室入り口の内径40φパイプの中にちょうど入るサイズのパンチングメタルパイプを準備し、これにグラスウールを巻いて挿入することで消音効果をアップすることにした。
パンチングメタルパイプは耐食性を考慮しステンレス製の物を探したところ、外径38φのちょうど良い物が見つかった。
これを写真のように加工してグラスウールを巻き内部に挿入、組み立てて騒音測定してみたところ、あまり音量が下がらない。
何が原因か考えてみたところ、グラスウールの密度が高く音を吸収しきれないのではと思い、パンチングメタルと接触する部分の密度を下げてみることにする。何か良い物がないかネットで探したところ、ステンレスウールという物があった。早速仕入れてパンチングメタルにステンレスウールを巻き騒音測定。しかしこれでも思うように音量が下がらない。次にステンレスウールを巻いてその外側にグラスウールを巻くという2重構造にしてみたところ聴いただけでわかるほど音量が下がった。
早速測定してみると、98dbとなった。スーパーコンバットカーボンサイレンサー独特の低音の効いたジェントルサウンドのままで、エンジンの吹けも詰まった感じは無く拭け上がるが、音量は純正より少し大きい程度で希望通りの状態になった。
そして車検を受けるべく、福山自動車検査登録事務所に行く。
いつもここで受けているが、2輪は検査を受ける人が少なく空いていて順番待ちが無い。今回も2輪はなんと私1人。検査員の指示に従い灯火類のチェックから検査開始、そしていよいよマフラーの音量確認。結果は検査場の測定器でも余裕で規制値内に収まり無事合格した。
Posted at 2021/05/16 13:13:43 | |
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