過日、出張で高知へ行ってきました。高知東部の「香南市」に1泊2日で滞在しました。
ホテル併設の温泉を利用し、話題となっていた「蛍の光」の3番と4番を聞くことができました。3番と4番の歌詞は時代にそぐわないため(戦前の愛国歌となっているため)歌われなくなったようです。
朝5時40分、夜明け前のひんやりとした空気の中ホテルを出発。正午まで業務。
仕事を終えた後はフリーとなったので、土佐の味覚を楽しみたいと国道55号をふらり。道沿いに「安芸しらす食堂本店」を見つけて昼食としました。
「安芸しらす食堂本店」は、しらすの加工場に隣接する海鮮食堂。
以前、姉妹店で「どろめ丼(生しらす丼)」を食べたことがありました。生のしらすは海のミネラルが溶け出したような甘みがあります。あのとろける食感…♡カツオのたたきもいいですが、高知へ行ったらぜひ食べたい名物は「どろめ」ですね。
店舗の駐車場は広く、漁港が目の前。“朝どれ”の魚が出されるのでしょう。新鮮な刺身への期待がふくらみます。
「決めた、今日は刺身も食べよう!」
店舗の1階は事務所としらすの加工品販売コーナー。食堂は2階にあり、眺めの良いカウンターに着席。
店内の壁には、一面に芸能人のサインが飾ってあリました。CHAGEandASKAのファンなので、無意識に「Chage」「飛鳥」の文字を探してしまいます。おふたりは、高知に来る機会はあまりなかったと知りつつも(Chageさんは四万十でうなぎ漁をする動画を撮影していたっけ)。
▲刺身定食。しらすが入ったすまし汁も逸品
この日は生しらすの入荷がなかったため、「刺身定食・釜揚げしらすご飯付き」を注文。刺身は日替わりになっていて、沖ザワラ(カマスサワラ)とカツオの盛り合わせです。
▲手前がカツオで奥が沖ザワラ
沖ザワラは、身はサワラに似た食感だが少し硬め。クセがなく淡白なのに濃厚な旨みを感じられたのは、鮮度抜群だからでしょう。
▲ポン酢は味変程度に。わずかに使うのが吉
ふわっふわの釜揚げしらすがたっぷりのった「じゃこめし」は絶品。一緒に出される「特製ポン酢」をかけながら食べますが、塩味がしっかり効いているので最初はそのまま食べたほうが◎。
ポン酢はひと垂らしでもフレッシュな柚子の香りがはじけます。強い酸味はなく、しらすの旨みを引き立ててくれます。こうして、刺身としらすを満喫しました。
食後は、県道55号を南国市へ戻りながらビュースポットを点々と。「赤野休憩所」の展望台からは、太平洋と琴ヶ浜を一望。
圧倒的なスケールを誇る太平洋。穏やかな瀬戸内海を見慣れている自分にとっては新鮮です。濃紺のまっすぐな水平線を見つめていると、不思議と気持ちが強くなっていく気がしました。
南国市に戻りながら「手結港(ていこう)」を再訪。港には可動橋があり、渡れるのは一日のうち約7時間だけ。14時半の開橋を見学することにし、それまでは港を散策して過ごしました。
手結港は、江戸時代に土佐藩の家老・野中兼山の手によって築かれました。1650年代の着工からすでに350年以上が経っており、日本最古の堀り込み港といわれているそうです。
時代ごとに修復されつつも、石積みの護岸が今も残ります。水面下の「腰巻」と呼ばれる根固め部分は、当時のまま残されています。
開橋時間の14時半を迎え、警報機が鳴って遮断機が降りると、橋がゆっくりと空へ持ち上がっていきます。垂直にそそり立つまで約5分。
風情ある港の景色に近代的な可動橋というコントラストが織りなす景観を眺めていると、何とも言えない感情が胸の奥に湧きました。
港の水面には、アオリイカやオニカマス、アジ、フグ、チョウチョウウオやスズメダイまで、多彩な生き物たちの姿が。黒潮の影響もあって栄養分が流れ込みやすいのでしょうか。石積みのすき間も、生き物たちの隠れ家になっていました。生き物を眺めているだけで時間が溶けてしまいます。
▲かわいい海の生き物たち
15時を回った頃、帰路につきました。南国インター前の道の駅で土産を調達し、ソフトクリームでひと息。
高知道はトンネルが多く、比較的交通量が少ないです。トンネルに差しかかったときにエンジンを高回転にすれば、VTECサウンドがトンネル内に響きます。こんな感じでドライブを楽しんでいると、岡山までの約2時間の移動は苦ではありません。
地域の文化や食に触れる時間は、気分転換であると同時にインプットです。感覚を磨く時間として大切にしていきたいですね。
Posted at 2025/11/01 06:28:41 | |
トラックバック(0) |
食 | 日記