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KSKSKSのブログ一覧

2021年08月12日 イイね!

【豆知識】エンジンモデル#2

【豆知識】エンジンモデル#2ひさしぶりの投稿です。今回はエンジンモデルの燃焼の話です。

前回のブログで紹介したとおりシミュレーションでの空気の流れは上流側の圧力と温度⇒流れる先の圧力と温度で空気の質量流量が算出できますので、シリンダの混合気量を求めることができます。

混合気は燃焼行程を通じてクランク力を発生させ、その後排気行程に移ります。

クランク力の発生源は燃焼行程で得られる熱(熱発生率)です。この熱は理論的に算出しても同定しないのでシミュレーションでは実エンジンで測定した筒内圧力データに基づいて算出します。

 熱発生率:dQ[J/°]=Cv/R*P*V’ + Cv/R*V*P’
 (P:筒内圧力、V:現在のピストン容積、Cv:定積比熱、R:気体状数)

この式からわかるように、熱発生率は実エンジンで計測したPとV(Vはクランク角Θ[°]から換算)です。で、測定するのに↓↓こんな機材等を使っているみたいです。うーん、使ってみたい。。。


以下が実測定データをグラフ化したものです。


実際にシミュレーションで使うときは、測定データから前述の式で熱発生率を算出した後にWiebe関数で近似します(一般的のようです)。


φ0:燃焼行程期間の角度
φ:燃焼行程開始点からの現在角度
Q0:1サイクルの供給燃料発熱量(↓参照値を使ってピストン室内に流れ込んだ質量流量を空燃費比で割った燃料質量で算出)


aとmは測定データから求めます。自動算出できるフリーソフトあったので使ってみました。なおφ0も自動で算出されます。


※書ききれないので、第二回に続きます。

Posted at 2021/08/13 00:57:22 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2021年08月01日 イイね!

その後のブサ君;;

その後のブサ君;;先日、ブサの車検完了の連絡があり、納車してもらう準備をしています。
ドッペルギャンガー内の湿気対策で床に除湿シートを敷いていく予定です。
(売り手の回し者ではありません[笑])


そこそこ高価ですが、シリカゲルに期待です。錆やカビは天敵ですし。。。

ところで、車検で交換した純正部品はいい値張りました;;純正部品はどんどん価格が高騰しているみたいなので、参考にしてみてください。


自分的には燃料ポンプとか、中華製でもよかったのですが(純正は錆びちゃうし)、しばらくまともにメンテしなかったので元気になるんだったらいいかなと。戻ってきたら箱根へGOGO/

また納車したらブログします。


Posted at 2021/08/01 22:58:58 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2021年07月23日 イイね!

【豆知識】エンジンモデル#1

 オリンピック開会式ですね~。

 夜はビール飲みながらTVに張り付き予定ですが、休日ということもあって日中は興味があったエンジンシミュレータモデルで熱力学を振り返りしてました。

 ときどき豆知識としてコラムみたいに挙げようかと思います。間違っていたら指摘いただけると助かりますmm

 今日はスロットル管内でございます。

 エンジンのシミュレーションは熱力学が主体になりますので、大原則は
 ・気体状態方程式
 ・質量保存則
 ・エネルギー保存則
です。その他のキーワードは開口面積、質量流量、エンタルピー、マイヤー式、ポアソンの法則です。

 等価モデルを構成するために必要な状態(質量流量、圧力、温度)を変数として大原則を使って状態方程式を組み、離散サンプリングで更新していきます。

 スロットルモデルのイメージ図を書いてみます。


 図には2つの境界があり、1つは吸気管に入るブロックA、もう1つは吸気バルブから出るブロックBです。このことを前提にして、

①スロットル前の状態(圧力・温度)と吸気管内(A~B)の状態から、吸入する空気の質量流量を計算
②吸気バルブ先(ピストン室)の状態と吸気管内の状態から、排出する空気の質量流量を計算
③入出する質量流量の積算により、空気密度・分子数(モル)・増減エネルギー・活動レベル(分子の平均自由度)を計算して、結果を使って圧力と温度を算出

です。

 ピストン室(←空燃比で仕事量を換算するため燃焼学、ピストンの運動により圧力・温度変化を加える必要がある)・排気管も同様な状態方程式を組み①から③みたいな計算を順次行います。この一連の計算を微小時間で行っていき各状態変数を更新していきます。

 ちなみにシミュレータモデルは吸入空気量と入力した燃料噴射量によりピストンの回転力を計算して回転数やクランク角度などを出力しています。

 こんな感じでシミュレーションは計算していますので、これにECUの燃料噴射タイミングと時間・点火タイミングを入力すると、それに従ってエンジンの回転が上がったり下がったりするようにできます。

 今後のコラムではピストン室内のモデルは補足を加えていきます。
Posted at 2021/07/23 19:26:36 | コメント(0) | トラックバック(0) | クルマ
2021年07月18日 イイね!

熱力学のお勉強

最近プログのコンピュータ製作で、知識として熱力学を勉強中です。

なにぶん専門が違うのでとっつきにくいのですが、流体については少しずつわかってきました。

エンジンの等価モデルは、管内毎に計算していき、温度と圧力を次の系に渡していくような感じで、次の管内で質量流量を求めて再度出口の圧力と温度を渡す。管は剛体なので体積一定で外部への仕事がゼロで保存則などを使うと流量が算出できるわけです。
これをマニホールド→吸気ポート→筒内→排気管で計算していきます。実際の計算は離散サンプル毎に微小時間で計算します。

FEMを駆使するとより正確に計算できるってやつですね。今回作ったのは簡易的ですが折を見て紹介します。

Posted at 2021/07/18 20:40:23 | コメント(0) | トラックバック(0)
2021年07月10日 イイね!

コンピュータ#5

コンピュータ#5前回は点火タイミングを確認しましたが、今回はインジェクターの噴射時間が正しく出力されているかを確認していきます。

A. 必要な燃料噴射量

Tunerstudioで噴射量を主に決めているのは、VEマップとAFRになります。

①VEテーブル
 VE(Volumetric Efficiency)は空気の充填効率で、回転数と負圧で基本値を決めています。過給機有で充填効率が大きく変わりますが、NAの場合は100%強までの値になるくらいで、傾向としては負圧が高くなって空気の流入慣性効果が上がると充填効率が上がっていきます。単位は%。値は吸い込み量だけを反映していて、空気密度の影響はこの値に乗算することになります。
VEはシリンダ容量(1.6Lの場合、400cc)に乗算することで、Dジェトロは吸気空気量を補正します。
↓は15%の例です。


②AFRテーブル
 AFR(Air/Fuel Rate)はよく知られている空燃費比で、マップにより構成されています。初期値では理論空燃費比に合わせています。
↓はマップ例です。変哲もないですが。。。


その他、燃料噴射量に乗算する各補正係数の設定もできますが、正しく設定できるかどうか検証するため1にしています。

↓理想燃料噴射量はExcelで検算しました。空気密度は温度20℃、湿度50%、大気圧1013.25hPaのときの値です。VE値15%、負圧36kPaのときの1気筒あたりで必要な燃料噴射量は0.0043ccになります。インジェクター制御によりこの噴射量を出力できていればよいことになります。


B. インジェクター制御
端子にパルス電圧をかけ、時間を変えることでトータルの噴射量を制御しています。今回はシーケンシャル制御を使っていますので、エンジンの4工程(1サイクル)で2回にわけて噴射することになります(↓イメージ図)。


先ほど求めた燃料噴射量の1/2になるようなパルス電圧時間になっていればよいことになります。

インジェクターですが、電圧を与えてもいきなりONになることはありません。ソレノイドには機械的な遅れ等が生じますので、実際の駆動時間は以下のようになります。

インジェクター駆動時間[ms]=Injection dead time(無効時間, InjOpeningTimeともいう)+必要燃料[cc]/(インジェクター容量[cc/min]/(60*10^3))

です。

検証です。ブラックヘッドのAE111は295cc/minの噴射量ですが、検証のため100cc/minに、Injection dead timeを約0にしています。

↓オシロスコープによるECUのインジェクターパルス電圧で、駆動時間1.33msです。


↓駆動時間から燃料噴射量を検算しています。1サイクルあたり噴射量が0.00438CCになっていますので、先ほどの結果と略一致しています。


動き自体大丈夫そうです。後はブラックヘッドの諸元を反映させればよいことになります。

ちなみにTunerstudioでは以下の算出によりインジェクターのパルス電圧時間を決めています。Eは補正係数です。詳しくはFuel設定メニューから確認してみてください。
PW = REQ_FUEL(必要燃料) * VE * MAP * E + accel(Accel Enrishment) + Injector_open_time
E(gamma_Enrich) =(Warmup / 100)*(O2_Closed Loop / 100)*(AirCorr / 100)*(BaroCorr / 100)

なお#4の点火タイミングと今回の噴射時間をPCシミュレータモデルにフィードバック入力してClosedループで動かしています。最終的にArduinoにシミュレータモデルを移植する予定ですので、別コラムで今後紹介していきます。
Posted at 2021/07/10 16:12:03 | コメント(0) | トラックバック(0) | クルマ

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KSKSKSです。 AE86に手をつけて約30年、あっという間に過ぎました。当時の格安の中古車を買って6代目、劣化も楽しみの一つで、まさに戦友とはこのこと...
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