
4月の始めに愛車の車検があった。整備会社にはいつも代車をお願いしているが、小さな整備会社なので代車は走行距離が多めの、ややヤレたクルマが多い(失礼)。一昨年は走行距離が17万キロ近い古いアルト(6代目 HA24S)に乗っていて、途中でオルタベルトが切れるトラブルに遭遇、急いで停めたコンビニの駐車場まで代わりのクルマを持ってきてもらうという事態に。
そんなこともあって今年の代車は何かなと少し期待(不安?)を抱いて整備会社に行った。狭い敷地内には色々な自動車が置いてあって、例のアルトも置いてある。「今年もアルトかな」と思っていたら、「そっちの白のクルマ」と言われてクルマを見ると、見慣れない比較的キレイなクルマ。すぐにクルマの名前が分からなかったので、バックドアのロゴを見ると、「TOPPO BJ」の文字。「えっ、TOPPOってこんなだっけ?」
「TOPPO」と聞いて思い浮かぶのが三菱ミニカTOPPO。ミニカTOPPOは1990年に6代目ミニカ・バンのボンネットはそのままに、運転席から後ろが極端にハイルーフになったデザインのトール型ワゴン。そのミニカTOPPOをイメージしていたので、普通のトール型ワゴンのTOPPO BJを見た時に意外な気持ちになったのだ。
ミニカTOPPOは1990年から1998年まで販売されたのだが、その後継車種として1998年に発売されたのがTOPPO BJだった。つまり私の知っているTOPPOが古すぎるのだ。
室内は軽らしいシンプルな構成。コラムシフトのせいか、フロアシフトの愛車よりかなり広く感じる。
メーターはターボ車なのでタコメーター付き。アナログメーターだがシンプルで見やすい。レッドゾーンは8000rpmからになっている。
室内灯の何もないところをブッシュするとサングラスなどを入れておく小物入れのフタが開く。これは中級グレード以上に装備されているらしい。室内灯もやや凝っていて、ドアを閉めてもすぐには消えず、しばらく点灯した後、ゆっくり消灯する。
バックドアは軽では珍しい横開き。自宅のガレージは屋根が低いので、横開きは屋根に当たる心配がなく使いやすい。
ボディにはTOPPO BJのロゴとストライプが入っていてスポーティーなイメージ。
因みに名前のTOPPOはルーフ(TOP)が高いことから愛嬌を込めて命名されたもの。BJはBig Joyの略で「大きな、楽しみ」という意味らしい。
初めて乗るクルマはどんな走りをするか楽しみになる。しかも発売されて20年以上経つのに走行距離はまだ5万キロに満たない。今の愛車に乗り換える前は550ccのミラ・ターボに乗っていたこともあり、乗り換えた時はNAのパワーの無さに驚いたものだったが、TOPPO BJはターボ付きなので、どんな走りをするか期待が膨らむ。
このクルマには以前紹介した軽バンの「BRAVO」と同じ、4A30型DOHC 4気筒20バルブエンジンを搭載されていた。時期的にはドッカンターボ時代のクルマだが、運転してみると加速はとてもマイルド。トルクがあるので坂道もストレスなく上がっていくが、なんとなく走りがもっさりしていて、もう少し加速が良ければなあという印象。
愛嬌のある名前に、スポーティーなデザイン、室内も広く横開きのバックドアも使いやすいので、もう少し売れても良かったんじゃないかと思うのだが、この走りが影響したのか早くも2004年には販売終了となってしまった。
販売総数は30万台弱。ほぼ同じ時期に販売されたMC型ワゴンRの3分の1以下。その後、三菱は2008年まで1550mmを超えるトール型ワゴンを販売していない。
ワゴンRをはじめ、ムーヴなど軽トールワゴン全盛の時代に、異例の販売終了となったTOPPO BJはちょっと悲しい運命を辿ったクルマだった。
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2023/05/07 00:10:58