
インジェクションミニのインテークマニホールドには、出口付近に“鍔”(三日月形の出っ張り)があります。これはinj最初期車には無く、数年経ったモデルから後付けされたんだそうです。

うちの車はラストイヤー2000年登録ですので、元々は当然“鍔”アリのインマニが付いていました。

かつてお世話になっていたショップで数年前、この“鍔”を削るサービスが始まりました。店主いわく、こんな邪魔なもんメーカーがなんで付けたのか意味が分かんないヨ、削れば調子爆上がりだヨ絶好調だヨ、でした。
その当時、その店で新商品が出るたびに飛びついていた私は、すぐに施工してもらいました。

時は流れて、今の主治医にその事を話すと「”鍔“は有った方がいい」と言われました。
主治医の説明では、メーカーは意味の無いことはしないから、inj車になって数年でわざわざ“鍔”を付けたということは理由が有るんだよ、でした。

どちらがどう?という訳では無いのですが、かつて私は人から言われるままに新商品を取り付けたり部品交換、部品加工したりしてました。効果があったものもそれ程でも無かったものも色々とあり、それはそれで人柱スピリッツ!などとウソブイてました。
そんな青い自分を反省して、今一度、インマニについておさらいしたいと思います。

前置きが長くなりました。
さて、通常のミニは4気筒に対して吸気は2ポートです。ヘッドの中で流路が分岐され、それぞれ4つの気筒へ吸気が分配されます。
これを指して、昔だから古い設計だから、とか、省スペース化の為に効率を犠牲にした、とか言われがちですが、例えば4バルブエンジン等では1ポートがヘッド内で分岐して2バルブに分配されてる訳だし、ヘッドの中で流路を分岐させるのは、現代でも別に珍しいことでは無いように思えます。

ほとんどの直4エンジンと同じく、ミニの点火順序は1→3→4→2ですので、表にするとこんな感じです。
ここで注目したのが、2本のインマニのうち、片方で連続2回吸気される、という点です。インマニBで2→1と吸気してから、インマニAで3→4と吸気されます。
ということは、一方が吸気を2回してる間、もう片方は2回停滞、2本のインマニは互い違いに吸気〜吸気〜停滞〜停滞を繰り返してることになります。

1番が爆発する時、同時に4番が下がってインマニAから吸気します。3番は上がって圧縮を始め、同じく上がる2番は排気をします。

圧縮していた3番が爆発する時は、上がる4番が圧縮、1番が排気します。
そして下がる2番が吸気ですが、この時2番気筒は、インマニBで停滞していた混合気を吸い込みます。インマニBの中で停滞していた混合気を、ピストンの負圧だけでエイヤッと動かさないとなりません。
いわば混合気の静→動です。

4番が爆発して下がる時、同じく下がる1番が吸気しますが、この時は先ほど2番に吸われてインマニB内で勢いが付いている混合気が、続けて1番に押し込まれ吸い込まれます。
インマニB、動→動です。

2番が爆発する時は同時に下がる3番が吸気です。しかしインマニBからAに交代してるので、3番気筒は今度はインマニAで停滞していた混合気を吸い込む必要があります。
今度はインマニAで静→動です。

ふたたび1番が爆発する時、吸気は4番で、3番の吸気で勢いが付いているインマニAから混合気が押し込まれます。バルブがちょこっとでも開いた瞬間から混合気が押し込まれます。
インマニAで動→動です。

整理すると、1番4番は前の行程で勢いのついている混合気を吸い込むのに対して、2番3番が吸気の時は、常に停滞していた混合気をゼロから引っ張り込まにゃならんことになります。
ちょうど、コーヒーをかき混ぜるのに、イチから回すのと既に回ってるところからかき混ぜるのとの違いに似ています。
そこで考えました。1、4番の外側シリンダーは混合気の充填率が高く、2、3番の内側シリンダーは低いのではないかと。
さらに、混合気は均一な気体ではなく空気中にガソリン粒子がフワフワ漂っている状態なので、2、3番吸気の直前みたいに一旦停滞すると、この粒同士が引っ付いて大きくなり爆発し辛くなるのではないか、とか、カーブ外側の流速がある混合気を吸い込む1、4番には、より強くシリンダーに押し込む力が働くのでは、とか、考えれば考えるほど、外側シリンダーが有利に思えてきます。

そこでやっと”鍔“の登場です。
言わば終わりが見えているミニに対して、ローバー社が設計変更までしてこの出っ張りを付けたのは何故か?それは「1、4番への吸気を制限」してでも「4つのシリンダーへより均等に混合気を送り込む」ために、あえて付けたのではないかと考えました。
だとしたら目的は明白、完全燃焼による排ガスのクリーン化でしょう。インジェクション導入も同時点火化も、全てはこのためでした。
当時、先行き不明だったミニを1日でも長く永らえさせんとするローバー社の強い気持ちが、このたかだか4立方センチメートルには込められている気がしてなりません。
···と、無駄にスケールが大きな話になってしまいましたが、いち庶民としては壮大な経営理念よりも、どっちのインマニを使った方が良かんべか?の方が気になります。
一度、付け替えて検証したいと思います。
Posted at 2026/05/27 00:30:06 | |
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