
以前から米司法省が実施してきた反トラスト法(独占禁止法)審査が終了し、デルタ航空とノースウエスト航空の統合が完了しました。 存続会社はデルタ、世界最大の航空会社の誕生です。 同時に、伝統あるノースウエストは消滅します。
ノースウエストは、僕が初めて海外旅行した際に利用した航空会社であり、それ以降、選択可能な際には常にノースウエストを利用してきたので、消滅してしまうのはとても寂しいものがあります。
ノースウエストはサービスが悪いので有名ですが(笑)、航空マニアの間では「パイロットの腕が良い」というのでも有名です。 米軍出身のパイロットが多いので、頑丈な輸送機と同じような感覚で旅客機を扱ってしまい、着陸時にパンクしたりパーツを脱落したり(笑)ということをよくやります。 その代わり、民間機では飛行許可が出ないような悪天候でも飛び、地上からの航法支援の無い状況で不整地に着陸・・・なんて過酷なことを繰り返していましたから、民間機だけを飛ばしていたパイロットとは緊急時の危機回避能力が段違いです。 事実、死傷者を伴う重大事故を起こす確率の低さは世界でもトップクラスです。
かつてアメリカには「
赤い尾翼を追え」という言葉がありました。 普通のパイロットが着陸を断念するような悪天候下でも、ノースウエスト機は目立つ赤い尾翼を見せつけながら、何事も無かったかのように安全に着陸していく・・・それが度重なり、ノースウエスト機をなぞって同じ高度、速度、進入角度でアプローチすれば安全に着陸できる・・・ということで「赤い尾翼を追え」という言葉が生まれたのです。 しまいには空港の管制官すら「赤い尾翼を追え」と指示を出す事があったそうです。
ノースウエストは機体の塗装を一新しても、その伝統に誇りを持ってか、常に垂直尾翼は赤いままでした。 しかし、存続会社はデルタということなので「赤い尾翼」は徐々に姿を消していくのでしょう・・・。 たくさん思い出のあるノースウエストが、カッコいい伝説を作った「赤い尾翼(レッド・テイル)」が消えてしまうというのは、とてもとても寂しく思います。
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Posted at
2008/10/30 17:57:00