今月上旬の猛暑の中、ある女性からLINEが。
「お願いがあります。もしお暇なら海に連れて行ってくれませんか?」
この女性は以前ある地域ボランティアで知り合った大学3年生で、明るくて聡明な女性で僕の車の話をずっと笑顔で聞いてくれていた。
僕は予定をさっと思い出して
「連休の次の日曜に湘南はどう?」
「はい、うれしいです!」
ということでこの前の日曜日に数年ぶりに湘南へドライブとなった。
彼女が住むのは家からほど近い高円寺なので車で10分もかからない。
行き先でランチをすることにしたので、10時に東高円寺駅前でピックアップして初台から首都高に乗って鎌倉方面をめざした。
車中では数ヵ月ぶりに久しく会ったお互いの近況など他愛のない世間話に花を咲かせてると、1時間半の道程もあっという間に鎌倉に到着した。
お昼も近いのでまずはランチからということになり、車をどこかに駐車して店を探すことにした。しかし僕の車は車高の関係で、そんじょそこらの機械式コインパーキングは無理なので平置きの駐車場を探すのに苦労した。やっと有人の駐車場をみつけて駐車、時間は既に12時を回っている。
車中でランチは何にするかで二人の意見は一致していたので、以前にも行ったことのあるちょっと風変わりなこの店にした。
食べるのに夢中で、ランチは撮り忘れました(笑)
生しらす丼さいこー♪
お腹もいっぱいなったところで、どこに行こうか?ということになり、大好きな水族館を提案すると「私もそう思ってました!」ということで江の島水族館へ向けて車を走らせた。
日曜日ということもあって館内は混んでるかな?と思いきや、夏休み前だからか意外と空いていた。
彼女は入口に置いてあったビジター用の車椅子を指して「これ押しましょうか?」と言ってくれたが、それに座って押されたらただのおっさん介護になってしまうので、彼女の優しさだけ貰って笑みで断った(笑)
館内を巡ると巨大な水槽をはじめ、たくさんの展示水槽に様々な生き物たちが暑さ知らずで優雅に泳ぎ廻っている。
彼女の生き物たちを見る目が、まるで小さな少女が初めて目の当たりにする世界を見つめてるようで、純粋に可愛かった。と同時に自分にもこんな娘が居てくれたら、どれだけ幸せかと真剣に妄想した(笑)
それから時間が経つのも忘れて、めいっぱい館内を観て回り
そろそろ夕方になってきたので、帰路につくべく水族館を後にした。
帰りの車内はさすがに疲れたのか、口数も少なめでスピーカーから薄く流れてくるボサノバをBGMに車窓を眺めていた。
都区内に入って首都高を新宿で降りて夕食でも誘おうかと思ったが、今流れてる空気感が好かったのでこのまま自宅近くまで送ることにした。
すると彼女がポツリと口を開き
「今日はわがままを聞いてくれてありがとうございました。何となくふっ切れました・・・」
「ふっ切れた・・・?」
「はい、実は今付き合ってるカレと別れようかと思ってたけど、イマイチ言い出せなかったんです」
「なぜ別れたいと?」
「カレ大学の同級生で、入学当初から付き合ってたのですが、3年も付き合っていてこの人は違うと少し前になって気付いたんです・・・」
「そうか、でもなぜ今日ふっ切れたの?」
「カレと過ごしている時間よりも、影さんと一緒に過ごしてる時間の方が遥かに楽しいと気付いたからです」
「えっ・・・?」
「あ、大丈夫ですよ。いくら影さんが奥様と別れてるからって、面倒はかけませんから!」
「なんだ、チキショー。ちなみに俺は別れたんじゃなくて捨てられたんだよ 笑」
「笑えませんよ・・・」
そんなやりとりしていると、朝ピックアップした東高円寺駅前に到着して彼女はいつもの明るい笑顔でさよならを言って車を降りた。
そして僕は一人になった車内で呟く「この娘はいい女になるなぁ、もったいねー!」
Posted at 2013/07/25 13:49:25 | |
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