
遅ればせながら4連休中の私は特にやる事も無く、本日は生憎の雨天の為またまたWOWOWオンデマンドで映画鑑賞を。
随分前に配信も始まっていて観たいけれどなかなか観る気になれなかった「オッペンハイマー」を。(ネタバレ注意!)
唯一の被爆国の国民としては”原爆の父”と言われる科学者の伝記的ストーリーを自ら進んで観ようとは思っていなかったが、逆に唯一の被爆国の国民として何があったのかを知りたいという思いで観てみる事に。
ストーリーの基盤になっているのは所謂”オッペンハイマー事件”と言われる1954年の原子力委員会の聴聞会とルイス・ストローズ氏との確執を描いてはいるのですが、その中で実際に原爆が作られ結果的に日本に投下する事となった経過や葛藤が豪華キャストで3時間という長尺の大作で描かれています。
製作しているのが原爆を作り実際に使用した張本人の米国という事もあり、映画の中で描かれている事柄が全て真実とは思えないし、特に投下するにあたっての部分は都合の良い(非が無いといった美化した)描き方、脚色をしていると思いますが、当時の対ドイツ、ソ連との軍備拡張(核開発)争いや軍事的・政治的な背景、科学者としての狂気なまでの飽くなき探求心と言った描写などは概ね事実なんでしょうが、難しい内容の映画ですね。。。
只、オッペンハイマーの科学者と一人の人間としての葛藤も理解できるし、印象的だったのは原爆投下の成功後トルーマン大統領との直接会談の中で言ったセリフ「私の手は血塗られたように感じる」に対してトルーマン大統領が「恨まれるのは(原爆を)落とした私の方だ」と言いながら水爆開発の縮小を訴えたオッペンハイマーの意見を退けた事。自国の利益や保身にしか頭に無い米国らしさが良く表れているシーンだと思いました。
またオッペンハイマーが米国が開発に成功すれば実際に使用しなくとも他国への(核開発の)抑止力にもなるという事を訴えるシーンもありましたが、実際はどうでしょう?逆に核開発競争に拍車をかけて今では旧ソ連のみならずあらゆる国々が核を持つ時代になってしまったのでは?
公開時にも言われていた事だとは思いますが、近年軍拡競争が激しくなりつつある今こそ唯一の被爆国である日本が核廃絶に向けてもっと大きな声を上げて行くべきではないのでしょうか?
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2025/05/30 13:17:36