2022年04月07日
納入時期を聞くとどうもメーカーに在庫がないようで、1ヶ月ほど時間をくださいとのこと。
一月で1000kmか。
今のところ年間5000kmペースなので、意識的に走るようにしないと月1000kmは達成できそうもない。
職場が家から自転車で5分なので、基本的に平日に車が動くことはほとんどない。
夜にでも走りに行くか・・・なんてことを考えていたのでが、はっきり言って杞憂だった。
ドライブが楽しすぎるwww。
店長の言う通り、全然違う車になってしまった。
今までのよいしょ!よいしょ!というフィーリングはどこにもない。
こんなにもクイックにステア、アクセルに反応するのか。
かと言ってピーキーさは微塵もない。
懐の深さはまさにBMW。
BMWの良さである懐の深さを維持しつつ、あらゆる初期応答性が向上している。
ハンドルを切ればスッと素直にノーズがインを向き、アクセルを開ければ間髪入れずに車が反応する。
本当に1400kgあるのか?まるで1200kgの車に乗っているようだ。
ブッシュを固めた効果は如実に出ている。
車の挙動をチェックするために意識的にリアを出してやろうとしたが、パワーが控えめなこともあり、なかなかブレイクせずリアが滑り出さない。
純正の足はこの辺でブレイクしていたような気がしたが、さらに限界があがっているようだ。
普段からドリフトをするわけではないが、挙動コントロールの一環として一応できるようにはしている。
ドリフトを全くやる気のないという方でも、緊急回避や車の挙動コントロールの上達ためにもドリフトは学んでおいた方が良いと思う。
これでもか、これでもかと頑張っていると、ようやくズルっと滑った。
ただその滑り出しも実に穏やかだ。
この限界点の挙動がどうなるかを知っておきたかった。
私にとって一番困るのは限界が高く、全然大丈夫!と思って調子に乗っていたら突然もうダメ~とブレイクする足だ。
この足は普段は「まだまだ大丈夫っす!」という感じなのだが、滑りそうになってくると「あ、そろそろ厳しいっす!」と余裕をもって教えてくれる。
多分「あ、滑る」と知覚してから実際に滑り出すまで1秒くらいの余裕があるんじゃないかと思う。
1秒あればゆっくりとしたステア操作でカウンターを当てるなり、アクセルを調整するなりできる。
私が今までに乗った車で最もピーキーだったのはRX-7(FD3S)である。
この車はフルノーマルの状態で「あ、滑る」と思った瞬間には滑ってた。
ただ、限界も低かったので、わかってしまえばそろそろやばいという予想が立てやすかったので、ある意味扱いやすかった。
その点手を焼いたのがS2000である。
S2000(AP1)は限界が凄い高いのだが、行くときには一気に行くタイプであった。
滑り出すインフォメーションはしっかり伝えてくれるのだが、直前すぎて対応できない。
しかも限界が高い分そろそろ滑りそうという予想が立てにくい。
S2000は腕に自信のある方向けの車だと思う。
MR2でAWとかSWの前期とかも相当やばいという話は聞くが、私の周りにMR2乗りがいなかったので乗ったことはない。
今回の足はゆっくりインフォメーションしてくれるS2000という感じだろうか。
さすがにあそこまでハンドリングがシャープではないが、いい感じに穏やかにした感じである。
これがstudieの言うブッシュ管理。
純正のブッシュを基本としながら要所要所を固めるチョイス。
レスポンスが格段に向上したのにピーキーじゃない。
懸念していたリアメンバーのリジット化も全然嫌な感じはしない。
BMWの良いところを知り尽くし、それを活かしたstudieならではのセッティングである。
そしてシュニッツァーのサスとスタビ。
この相乗効果で穏やかにクイック、そして素直というなんとも絶妙なフィーリングに仕上がった。
正直私の想像を完全に超えたフィーリングで感動した。
もう時間さえあれば車に乗っていたい。
そう思わせるほどだった。
退社する時間はだいたい22時過ぎくらいが多いのだが、そのまま走りに出かけ、地元の峠であったり、磐梯山や吾妻山へと足を延ばしたりして、3時くらいに帰宅する。
そして7:30に出勤する、それを週3くらいでこなす日々を過ごした。
まるで大学生時代にEK9を手に入れた時のようだ。
はっきり言って社会人のすることではなかったが、止められなかった。
シュニッツァーサスだが、純正の足と比べると固くはなっているようだ。
ただ、ゴツゴツというよりはコシが強くなったような感じ。
まだなじみも出ていない状態だが、ツッパリ感はむしろ低減している。
固いのに突っ張らない。
コシが強いので継ぎ目や段差でショックはあるが、おさまりが速い。
突っ張らないので路面の追従性が高く、路面が荒れたコーナーでも跳ねない。
私的にはむしろ断然乗り心地が良く感じる。
はっきり言って純正サスを全方向で上回っていると感じる(問題は耐久性か?)。
BMWのMスポーツはこれを純正採用すべきだろう。
それくらい万人にお勧めしたい足だと思う。
結局パーツ入庫の連絡がくるまで2500kmを走った。
Posted at 2022/04/07 21:07:42 | |
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E87 | クルマ
2022年04月07日
土曜日は午前中のみの勤務で、いわゆる半ドンというやつだ。
週休二日制が浸透しているこのご時世だが、我が職場は古より伝わる半ドンというシステムを踏襲している。
勤務を終え、車で帰宅がてらちょっと足を延ばしてランチと洒落込もうとドライブをしていると、急きょ携帯電話がなった。
長年愛用しているレカロSP-JをBMWに相応しいようにシボレザーとアルカンターラで地元の帆布店で張替をお願いしていたのだが、先日仕上がり早速取り付けて大変ご機嫌なのである。
そんなご機嫌に水を差す着信音に、いささかムッとしながら「なんだ?仕事で何かトラブルか?」と着信を見ると、studie仙台とある。
おお、ついにパーツが届いたかとあわてて路肩に車をとめ、電話に出ると「足回り関係のパーツが揃ったので、都合の良い日に来て欲しい。」とのこと。
私は思わず「では明日の10時にお伺いします」と半ば反射的に答えてしまっていた。
私は中学生の頃から自転車が趣味でロードバイクに乗っている。
実は、明日は職場の自転車仲間と今年最後の走り収めツーリングに行く予定となっていた。
今更やっぱり明日は無理ですと電話を掛け直すのもなんだし、明日行けないとまた来週まで延びてしまう。
それは我慢ができない。
自転車仲間には悪いが、急きょ機材トラブルで参加できなくなったとドタキャンの連絡を入れ、翌朝仙台へと車を走らせた。
今回のメニューはサスアームブッシュ、ロアコンアームブッシュ、スタビリンクブッシュ、リアメンバーブッシュの打替え、アッパーマウント、サスペンション、スタビライザーの交換である。
足回りを一気にやってしまおうという作戦だ。
リアメンバーブッシュはリジット化、ロアコンアームブッシュは強化ウレタン品、リアのサスアームブッシュ、スタビリンク、アッパーマウントは純正品での対応だ。
サスペンションはACシュニッツァーの純正形状サス、スタビライザーも同じくシュニッツァーでリアのみの交換となる。
「これだけ一気に変えると、車の動きも一気に変わります。こう、スパッ、スパッというハンドリングにしたいのなら、今回のチューニングでそういう車になりますよ」と店長は太鼓判を押してくれた。
さて、今後のチューニングについて確認をしている際に、一つ気になるパーツについて確認してみた。
それはCOXのボディダンパーという製品だ。
私は以前から車にボディが捻じれた後の反発を調整するためのダンパーのようなパーツがあればよいのにと常々思っていた。
それがstudieのチューニングのページを見ていたら、すでに製品化されているのである。
この製品のベースとなるのはヤマハが開発していたパフォーマンスダンパーで、古くはトヨタ・クラウンアスリートVXという300台限定車に標準採用されたことから始まったアイテムであり、パフォーマンスダンパーはそれ以来、200万本以上を製造、販売してきた歴史ある商品だというのである。
COXボディダンパーは基本的な部分をヤマハが開発。
それをベースにCOXが取り付け部の設計、そしてセッティングを担当。
COXは1978年の創立以来、レースで得た知見を武器にパーツ開発を行ってきた名門中の名門。
ヤマハとCOXのタッグは夢のコラボレーションとも言える。
そして数多くの車種に展開するため、それぞれのクルマに精通しているスペシャルなショップがセッティング、販売、取り付けに関わっている。
例えば、BMWならstudie、MINIはAMSECHS、トヨタ・ハイエースはFET、スバル・レヴォーグはSYMS、そしてトヨタ・エスクァイアはDTECといった感じだ。
店長の談では、ここまでの協力体制を整えたのにはワケがあるという。
それは取り付けブラケットの厚みや形状によって、乗り味が変わってしまったり、取り付ける際にはトルク管理などを適正に行わないと本来の旨味が出てこないというノウハウもあるので、よほどその車に精通しているショップでなければここまで性能を引き出す開発はできなかったというのである。
ちなみにこのボディダンパー、お値段がなんと10万円強。
たかがダンパーがなぜこんなにも高いのか?
BMWだからボッタくってんのかと思っていたが、作り込みを知ると納得せざるを得ない。
ダンパーの減衰力に関してもヤマハは20種類ものパターンを準備し、それを前後に組み合わせて装着するのだが、これらすべてを車種別に走り込みを行い、トライ&エラーを繰り返しながらベストセッティングを見出すには、かなりの労力が必要であったというのである。
実際に開発に係ったstudieだからこそ聞ける裏話である。
それを聞くとダンパーの製造費というよりはその開発費によるものであり、ある程度高額なのも致し方ないと思える。
そこで、このボディダンパーはおすすめではないのかと聞くと、「間違いなくおすすめではあります。ただ、求めている軽快なフィールとは少し違います。むしろより落ち着いたフィールとなるでしょう。とは言え、上質さも同時に求めるというのであれば、装着してもよいでしょう。」とのこと。
自分は今までボディにはダンパーが必要だと常々考えていた。
ボディをいたずらに固めて捻じれさせないのではなく、捻じれさせた上で力を逃がす。
それによって捻じれ感の少ないフィーリングに仕上げたいのだと力説し、取付をお願いした。
今回足回りをやったので、次は吸排気系と燃焼系、ボディダンパー、それとアライメントの調整を行うので1000kmほど走って馴染みがでたところで来店してくださいという話になった。
Posted at 2022/04/07 20:48:01 | |
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E87 | クルマ
2022年03月12日
「吸排気はどうします?」
と聞かれたので、もっと吹けるようにしたいと答えた。
アクセルに対するエンジンのレスポンスが良くないように思うこと、別の個体に乗った時にはもっと軽快に回った印象があるので、調整でなんとかならないかと聞いてみると、「おそらくはATの変速制御の問題でしょう。前のオーナーがあまり踏まなかったのかもしれません。コンピューターのリセットをしてみてどうかですね。N43エンジンはよく回るはすです」
とのことなので、リセットをお願いした。
また、「エンジンのレスポンスを上げたいのなら、エアクリ、マフラーの交換もおすすめですが、なによりおススメしているのがプラズマダイレクトとプラズマグラウンドのセットです。」とのこと。
それはどのような製品なのかを聞くと、
プラズマダイレクトはイグニッションコイルで、通常のコイルは1回の火花を発生させるだけだが、プラズマダイレクトは3連続で火花を発生させるマルチスパークなのだと言う。
これにより点火エネルギーをはるかに高めることができる。
またプラズマグラウンドはプラズマダイレクトとの相乗効果を狙った製品で、電流の強化をすることで点火エネルギーを高めることが可能どのこと。
アーシングなどの電流関係は結構オカルト的なものもあり果たしてどこまで効果が見込めるのか不明瞭なところがある。
さらには金額を聞くと、プラズマダイレクトが10万円、プラズマグラウンドが4万円と思った以上に高額で、即答はせずにとりあえず今後のプランとして考慮しておくにとどまった。
エンジンチューニングの基本はいい吸気、いい燃焼、いい排気だと考えているので、点火系のチューニングはこのいい燃焼にあたる。
どうせならエアクリ、マフラーも変えつつ導入を考えたいが予算的に果たしてどうなのか。
そこでエアクリ、マフラー交換に是非について聞いてみた。
というのも、280馬力規制を吸排気で抑え込んでいた国産車と違い、輸入車は純正品の状態でかなり高効率なものがすでに導入されている。
国産車のようにマフラー交換で○十馬力アップなんてことにはならないだろう。
さらにはコンピューター制御が進んでおり、パーツを交換したところで、コンピューターが補正をしてしまい、狙ったような性能の向上は見込めないのではないかと考えていた。
「おっしゃる通り、ターボ車ではないので、エアクリを変えたから、マフラーを変えたからで何十馬力上がりますなんてことはありません。ただ、NA車の場合、そういう一つ一つの積み重ねが効いてきます。」
「実際に大きなパワーアップをしたいというのであれば、ターボ化や排気量アップという手段が必要になりますが、今回はフィーリングを良くしたいということですよね。ならばエアクリ、マフラーの交換は効果大だと思います。」
と言って店内にいた常連と思われるお客さんに声をかけ、エアクリの吸気音を聞かせてもらうことになった。
お客さんの車(E92M3)のボンネットを開けながら、「我々がおすすめしている吸気システムはこのラムエアーシステムです。空気の取り込み口までダクトを伸ばして、フレッシュな空気を吸い込めるようになっています。」と実物を見ながら説明してくれた。
オーナーに空ぶかしをしてもらうと、キュオオオオオオーと勇ましい吸気音が。
「すごい吸うでしょう。ターボとまでは言いませんが、より多くの空気をエンジンに取り込むことができます。」
音と実際の吸気量が必ずしも比例しているかはわからないが、少なくともこの吸気音はやる気にさせてくれる。
オーナーの方も、プラズマダイレクト、プラズマグラウンド、ラムエアーは絶対入れた方がいいと太鼓判を押してくれた。
エンジンのツキと高回転の伸びが目に見えて違うとのこと。
マフラーに関しては好みの音質があるからどれとは言えないが、これも変えた方が絶対に気持ちがいいとのこと。
オーナーに今付けているマフラーについて聞くと、スーパースプリントというイタリア製のマフラーで、ちょっとうるさいが音は最高なのだと言う。
空ぶかししてもらった時に聞いたが、はたしてちょっとなのだろうかというくらい勇ましかった。
まあ、M3だしね。
オーナーの話を聞いているうちにこのセットを多少高くても導入してみようかと気持ちになってきた。
ちなみにマフラーのおすすめはこのスーパースプリントかと聞くと、「スーパースプリントは確かにおススメですが、音量は相当あります。話を聞いている限りだとあまりうるさくない方がコンセプトに合っているのではないかと思いますが?」と聞かれ、確かに純正でもいいのだけど、ちょっと物足りないから純正プラスアルファくらいのがあればと尋ねると、「performanceのマフラーがおすすめです。純正オプションのスポーツマフラーで音質、品質ともにおすすめできますよ」とのこと。
マフラーの音に関しては実はあまりこだわりはなかったのだが、以前無限のスポーツマフラーを使用して、非常に気に入っていた。
純正オプションならば信頼性も高く、またBMW自身が考えるBMWのスポーツマフラーの音を期待できそうだったので、おすすめに従うことにした。
後々知ったのだが、perfomanceマフラーはスーパースプリントの半額ほどのお値段で、コストパフォーマンスも優れていた。
そんなこんなの話をしていると、点検が修了し、その結果について確認をすることになった。
結果的には全て問題なしのグッドコンディションだとわかった。
まあ、4年落ち程度で3万キロしか走行していない車である。
交換部品なども特になく、今すぐ手を入れなければならない部分はないようだ。
とりあえず中古車のリフレッシュとしてエンジンクリーニングとRECSの施行、エンジンオイル、ATFの交換をしてもらい、同時にCPMとリジカラの取り付けもしてもらった。
今後についてはまず足回り、そして吸排気系に手を付けていくことで話はまとまった。
初めての訪店であったが、店長みずから付きっ切りで対応、説明をしてくれて濃密な時間となった。
お見送りをされてお店からでると、いきなり別の車になっていて驚いた。
まずエンジンの軽快さがまるで違う。
これがコンピューターのリセットの威力か、はたまたエンジンクリーニングが効いたのか、オイル交換が効いたのか、レスポンスが格段にいい。
ついついうれしくなってアクセルを踏み込んでしまう。
そしてCPMとリジカラ。
車の乗り味がカッチリとしている。
しかも硬質なゴツゴツするカッチリではなく、しなやかに引き締まっている感じ。
もっさり感が顔をひそめ、それでいてピーキーな感じは皆無である。
まさに私が欲しかった方向性。
この時点で私はstudieの信者になってしまった。
studieの言う事を聞いていれば、理想の車が作れる。
それくらいの引き出しをむこうは持っている。
後は自分のイメージをいかに正確に伝えられるかだろう。
迷っていた吸排気とプラズマダイレクトも導入決定だ。
早くstudieおすすめのパーツをつけたい、試して見たい。
この車がこれからどんな車に生まれ変わるのだろうとワクワク感に包まれながら帰路についた。
Posted at 2022/03/12 15:04:11 | |
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E87 | クルマ
2022年02月21日
足回りの変更と同時にスタビライザーの変更もお願いした。
よりロールを抑えたビタっとしたフィーリングにしたかったことと、よりアンダーの少ないニュートラルに近いハンドリングにしたかった。
E87はアンダー傾向であるが、決して強アンダーではない。
基本アンダーであるが、舵を入れてやればちゃんと曲がってくれる弱アンダーだ。
これは非常に安心の設定だが、かなり余裕を持ったセッティングであり、スポーツカーの視点で言えばもう少しオーバー気味でいい。
ニュートラルが北、アンダーが東だとすれば、現在の弱アンダーは北東。
これを北北東にしたい、北ではなく、あくまで北北東だと熱弁し、それにはリアスタビを強めてやればよいと思っていると話すと、「言わんとしていることは何となくわかりました。おっしゃる通りでリアを強めてやればそのような挙動になります。足回りを強化したので、スタビも変えてやればバランスもとれますしね」とのこと。
そこでスタビを前後ではなく、後ろだけ変更したいと考えるが、メーカーは基本的に前後のバランスを見て開発しているし、純正とのバランスを考えると、片方だけと言うのも果たしてどうなのか、それとも前後で交換してなおかつリアが強い製品があるのかと聞くと、「シュニッツァーのスタビにしましょう。足回りと同じメーカーを使うことによってよりメーカーの狙い通りのセッティングとなりますし、今おっしゃられたことをメーカーとしても考えたのでしょうね、これがリアのみの設定なんです。前は純正のままで後ろだけ強めるというのがシュニッツァーのニュルを走り込んだ回答です。これもまさにドンピシャです。」と言われた。
この時はACシュニッツァーと言うメーカーを知らなかったのだが、後から調べるとBMW専門の老舗大御所チューナーで、日本におけるホンダのspoonみたいなものだろうか。
そのパーツは性能、品質ともに申し分なく、純正ワークスと同等の信頼性がある。
今となっては、少々値が張るが、困ったらシュニッツァーくらいの感覚である。
シュニッツァーの純正形状サスとリアスタビで足回りは決まった。
心配していた価格なのだが、1シリーズだとそれほど高くないことが分かり胸をなでおろした。
EK9と同等か多少毛が生えた程度である。
と言っても私のEK9はフル無限だったので、他メーカーからすればやや高め。
1シリーズのアフターパーツはそれよりやや髙い程度で、客が話していたのは5シリーズとかMモデルような場合であり、即ウン十万なんてことはそうそうないようだ。
車をシャッキリさせたいのであればボディ補強が有効ですと提案を受けた。
それは自分でも納得できる。
ボディを固めればヨレが少なくなり、シャキッとしたフィーリングとなる。
ボディ補強と言えばタワーバーやロールケージが代表だ。
しかしこれらの補強はヨレをなくす分ボディに負担がかかるのと、ギシギシ音などの要因にもなってくる。
特にハッチバックであるならば、フロントのタワーバーよりもリアのタワーバーの方がはっきりと違いを感じることができるが、せっかく荷物をのせられるようにとのハッチバックなので、リアのタワーバーをつけてしまうと邪魔で荷物を入れられなくなってしまうのでつけたくない。
そもそもドイツ車はボディ剛性がもともと高いと思うのでボディ補強は必要ないのではないか。
これらの点はどうなのかを尋ねると、「おっしゃる通り、タワーバーやロールバーはそういう弊害があります。ですが、そういう装備はサーキットを走る人向けでしょう。BMWに乗る方でタワーバー付けたいという人はあまりいませんね。フロントのタワーバーぐらいならたまにいますが、ロールケージはサーキットのガチ勢だけです。」
では補強とはどうするのかと尋ねると、おススメのパーツが2つありますと言う。
1つはCPMというメーカーのLowerReinforcementという補強板で、もう1つがspoonが発売しているリジカラ(リジットカラー)というカラーである。
両方とも在庫があるとのことで実物を見せてもらったが、CPMは補強板と言うにはあまりにもコンパクトな設計。
手のひらに乗ってしまうぐらいの大きさの板で、本当にこんなものが効くのかと疑いの眼差しを向けると、これは床下に装着する補強板で、マフラーを通す溝を橋渡しするように装着するようだ。
ここを補強するだけで凄い効果的なのだと言う。
マジかよ…にわかには信じられないんだけど…。
言ってしまえば短いタワーバーだと思うのだが、この短さが良いのだと言う。
どういう事なのか、タワーバーは端から端までを繋ぐので、補強しすぎになってしまう。
車はコーナーや道の起伏等によって、走行中は常に前後左右に捻じれている。
それをバーで補強をすることによってこの捻じれを抑制する、捻じれさせないようにすることによって姿勢変化をなくすのがタワーバーをつける目的である。
CPMのボディ補強は全く考え方が異なり、捻じれさせないことを目的とするのではない。
ボディが捻じれることは許容する。
まずボディをきちんと捻じれさせて、その捻じれを抑制する。
結果として捻じれにくいということは同じなのだが、そもそも捻じれさせないのと、捻じれてそれを止めるのではプロセスが異なり、ボディにとってはこの捻じれるという事が非常に大事な点だと言う。
なるほど…。
私もタワーバーに否定的なのは、ボディにとって捻じれが大切なものであり、捻じれさせないということがボディにとって負担であると考えているからである。(ボディの負担を考慮しないタイムアタック仕様には非常に有効と考える。)
その観点からすればその理論は理解できる。
ただ、こんな手のひらサイズの一枚の板がそれを成しえるかどうかは別問題である。
CPMについてはとりあえず一旦置いておくとして、次はspoonのリジカラである。
ホンダ好きの私にとってはspoonの名前は馴染み深いものだが、まさかBMWのチューンでspoonの名前を見ることになるとは思わなかった。
そもそもspoonがホンダ以外のパーツを作っていること自体驚きであるが、話を聞いていくと、メーカー云々関係ない話の様だ。
車はボディとサブフレームをボルトで連結することで成り立っているが、ライン生産をしている以上、そのボルト穴はかなり余裕を持たせて作られている。
もしこの余裕がなければ一台一台位置合わせをしながらの作業となり、とてもライン生産はできない。
それこそフェラーリのように職人が一台一台組み上げるようなことになってしまう。
これはドイツの高級車であろうと、国産車であろうとライン生産をしている以上同じである。(もっともこの2者ではラインの速度は3倍くらい国産車が速いらしい)
ボルトでいかに締めようと、そもそも穴が大きいのでガタがでる。
このガタをカラーを挟んで埋めようと言うのがリジカラだというのである。
これについてはyoutubeでspoonのオフィシャルビデオがあり、それを見せてくれた。(パーツレビューリジカラ参照)
見た結果なるほどと納得せざるを得ないものであり、是非とも装着したいと思った矢先、この2つは現在在庫があるのでつけて帰りますか?と聞かれた。
値段を聞いてみると思ったより高く、CPMが2万円、リジカラが4万円(工賃込)という値段設定だ。
見た目に反して意外と高く、またこのやりとりは先ほどホイホイと決まってしまった30万円の商談と同じパターン。
値段はそこまでではないものの、はたして口車に乗ってよいものかと思ったが、今回は値段も含めてstudieのコンサルに任せると決めたばかりであり、装着をお願いした。
Posted at 2022/02/21 15:50:51 | |
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E87 | クルマ
2022年02月12日
さて、笑顔で迎えてくれた店長だが、「お待ちしておりました。遠いところからわざわざお越しいただいてありがとうございます」と丁寧に接してくれた。
私も中古車なので状態の把握をしたいこと、現状いくつかの不満点があるので、チューニングによって解消したいが、輸入車のチューニングは初めてでノウハウがないこと、その相談をしたいことを告げると、では早速車を点検していきましょうという流れになった。
点検作業中、私は店長と話をすることとなったが、まずは何を求めてBMWの1シリーズを購入したか、そして今後どのような車に仕立てていきたいかを熱弁した。
BMW120iをベースに大人のスポーツカーを作りたいが、スポーツカーの目線でみると車の動きが重い。
パワーは求めていないが、フィーリングを良くしていきたい。
ハンドリングもエンジンももっさり感が強く、もっとカーン突き抜けるようなフィーリングが欲しい。
サーキットは考えておらず、ワインディングなんかを気持ちよく駆け抜けたい。
同時に上質さも追及していきたい。
スポーツカーとしての音は大事だが、その音は上品でありたい。
ロードノイズやジャダー、ギシギシ音、ゴツゴツ感は排除しつつ、スポーツカーとして芯のある乗り味を確保しつつも、快適性のある車を目指したい。
乗った事はないが、アルピナがイメージが近いのではないかなどと言いたい放題を話すと、今度は店長の方から私の今までの車歴を聞いてきた。
初めての車はHKSの製品で固められたサーキット仕様のR32GT-R、次に無限をメインにしたライトチューンのEK9、そしてK20Aに換装し、ワンオフパーツも満載のフルチューンMR-Sと告げると、「やってますねえ(苦笑)」と苦笑いをされた。
R32GT-Rは購入時点でサーキット仕様で自分では何もいじっていないし、EK9は安心の無限によるライトチューンだったが、MR-Sはさすがに自分でも苦笑いである。
「まあ、でもおっしゃっているイメージは何となくつかめてきました。今おっしゃったような車からすればBMWがダルだと感じるのも仕方がないでしょう。ですがチューニングによってイメージに寄せていくことは可能です。1つずつ解決していきましょう。」
と、いくつかプランを用意してくれた。
「最終的にはよりスポーツカーらしい軽快なフィーリングが欲しいということだと思うのですけど、これは色々な要因が重なります。物理的な車の重さもあるし、レスポンスの悪さ、エンジンの吹けの悪さなんかも感じ方としては影響してきます。」
と説明をしてくれた。
まず、物理的な軽量化というのはあまりお勧めしないとのこと。
上質さを求めるのであれば、ついているものを省くというのは得策ではない。
やるとすれば、鉄製のパーツをアルミ製のものに置き換えていくというようなことになるが、全体のバランスをよく考えてやらないとせっかくの重量バランスが崩れてしまう。
結果、一部ではなく車全体での交換になってくるので金額的にもかさむし、一般的にはそこまで追求しなくてもよいのではないか。
お勧めするとすればシート交換だと言う。
純正シートはかなり重いので、レカロなんかに交換すれば片側で10kg、両方で20kg近い軽量化が可能。
シートは車の中心にあるので、重量バランス的にもあまり影響を受けないのもメリット。ただし、中心部分の軽量化はフィーリング的にはあまり効果を感じにくいとのこと。
私はEK9の頃からレカロSP-Jを愛用しており、車が変わってもシートは乗せ換えて使い続けてきた。
今回も使用するつもりで、BMWにふさわしいようにシボレザーとアルカンターラでちょっと高級な雰囲気で張替をお願いしているところである。
軽快なフィールで一番おすすめはレスポンスアップであると言う。
BMWは良くも悪くもダルで、落ち着きのある車に作っている。
だが、それはそのようなセッティングにしているだけで、逆にレスポンスのよいセッティングも可能とのこと。
ここはBMWをレーシングカーに仕立てるノウハウを多く持っているstudieのコンサルティングに期待したい。
BMWやベンツが重厚な乗り味なのは凝りに凝ったサスペンションによることが大きいという。
E87のサスペンションは前マクファーソンストラットの後マルチリンクである。
ただ前のマクファーソンストラットもダブルリンクのロアアームをもつタイプ(ダブルジョイントスプリングストラットと言うらしい)になっており、後のマルチリンクはE60にも採用された5リンクのインテグラルアーム式となっている。
横方向のトレーディングアームを配置すれば乗り心地にも有利ながら、横力にも強いようにできるし、アームを分割してタイヤのストロークで転舵軸が変化することにより、走行性能向上にも寄与するなんてこともできる。
非常に凝った金のかかっているサスペンションだが、リンク数が増えればそれだけ反応伝達が悪くなる。
なのでリンクのブッシュ管理がレスポンスアップの肝であるとのこと。
この辺りは前の車でもいじっていた部分なので、説明も納得できる。
そこで店長に提示されたのはリアメンバーブッシュのピロボールによるリジット化と、前のロアコンアームブッシュの強化ウレタン品への変更である。
ピロ化と聞いてちょっと怯んだ。
私の中でピロ化はレスポンスとの引き換えに、ゴツゴツ感やギシギシ音といった快適性の悪化をともない、車体への負担と耐久性を考慮しないタイムアタック車用の措置である。
今回は快適性と上質さを十分に考慮し、車体寿命を縮めるようなチューニングは望んでいないので、ピロ化の提示には怪訝を示した。
すると店長は要所を絞って強化することにより快適性を犠牲にせずにメリットを受けられるという。
またBMWはシャシー剛性が国産車とは比べ物にならないため、リジット化によるデメリットが出にくいという話だった。
BMWのリアメンバーはかなり大きなゴムブッシュがあり、ここがBMWの動きが重い元凶とのことだった。
もともとBMWはアウトバーンを200km/hで巡航するクルーザーの側面が強いため、ここで落ち着きを作る設計である。
またロアコンアームブッシュはステアフィールに直結し、ここを固めるだけでシャープかつダイレクトなフィーリングになるとのこと。
ピロ化しても良いが、強化ブッシュで十分フィーリングが改善されるのと、ロアコンのピロ化は異音など快適性に影響が出やすく、またピロボール自身の寿命が短いためおすすめはしないとのことだった。
アッパーマウントブッシュのピロ化はダイレクトに影響が出てしまい、ゴツゴツしたフィーリングになってしまうため、純正がおすすめであり、スタビマウント、スタビリンクのブッシュについては、今後のチューニング次第だが、ストリート仕様であるならば純正でいいでしょうということで話がまとまった。
足回りはどうしますかと聞かれたので、足回りも不満で交換を考えている旨を告げた。
純正の足は低速ではゴツゴツするのに高速ではポヨンポヨンち落ち着かない。
荒れた路面、ギャップで跳ねるので、まずは当たりはマイルドで、なおかつ引き締まっており、荒れた路面でも跳ねないような追従性のよい足回りを実現したい。
そして、できれば純正形状でお願いしたいと要求を並べてみた。
特に純正形状サスにはこだわりがある。
通常チューニングカーの足回りは車高調キットを入れることが多いと思うが、私にとって車高調は結構無駄である。
本来車高調は各サーキットを転戦するような場合に、そのステージごとに調整してセッティングを煮詰める方向けの製品である。
一方私はズボラなのでそんなことはしない。
MR-Sで車高調を組んだが、始めにショップがセッティングしたっきり、ほぼそのままである。
(サーキットに合わせて数回いじったが、だんだんやらなくなった)
機能美を重視する私としては美しくないし、オーバースペックに対する後ろめたさもある。
EK9の足が無限の純正形状サスだったのだが、これが文句の1つもないほど良かったので、純正形状サスには好印象だ。
脚の引き締まり具合、乗り心地、適度な車高ダウン、車高調と比較して半額なありがたい価格設定。
なので、私は可能な限り純正形状サスを探し、良いものがなければ車高調を組むのがセオリーである。
すると、「まさしくドンピシャな足があります。」と言う。
「ACシュニッツァーというドイツの老舗BMWチューナーがあるのですが、そこの純正形状サスが本当におススメです。いわゆるニュルで鍛え上げられた足で、あそこは固いだけじゃ速く走れないんです。路面は荒れ放題で、連続するブラインドコーナーにアップダウンの繰り返し。あそこを速く走ろうと思えばこんな足になるんでしょうね。当たりはマイルドでかつ引き締められており、荒れた路面、ギャップなんかでもストロークを十分に確保しているので跳ねずにビタッと路面に追従します」と言って、装着したカタログを見せてくれた。
純正比で20mmダウンとのことで、ダウン量もドンピシャだった。
ただ値段が少し張り、一般的な純正形状サスの1.5倍くらいするとのこと。
私の考える一般的な純正形状サスとBMWの一般的な純正形状サスの価格が果たして一致するのか一抹の不安を覚えたが、それでも車高調を組むより安くしあがるようだ。
価格も含めてstudieのコンサル能力を測る意味でも今回はすべて任せてみようと思っていた。
ブッシュのピロ化についても完全に納得がいったわけではない。
実際に装着してみて、それで納得がいかなければ今後出入りをしなければいいだけの話である。
Posted at 2022/02/12 14:51:01 | |
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