2021年11月02日
さて、車の方向性が決まったところで予算をどうするかと言う問題になってくる。
今回はリフレッシュとチューニング、仕上げも含めて300万とした。
私の車の買い方は300万で新車を買うのではなく、100万くらいで車を買って、200万かけてリフレッシュとチューニングを行い、自分の好みにカスタマイズする。
その方が同じ300万でも満足度が高い物が手に入る。
ポルシェは金額的に難しいにしてもベンツやBMWの中古はカスのような値段で売られている。
ロータスエリーゼやMINI、アルファロメオなんかもオシャレではないかと思ったが、エリーゼはMR、MINIやアルファロメオはFFである(4Cとか超カッコイイが、MRだし何より高い!)。
今回はFRなので、FRにこだわるドイツ車を調べることにした。
SLKのようなモデルはあるもののベンツはどこまで行ってもベンツなので、BMWを検討してみることに。
以前私の伯父がE46の330iに乗っており、よく運転手をさせられた。
私の一族は親戚も含めてそろいもそろってベンツ党であり、私の両親も190Eを2台、Cクラスを3台、並行してVクラスを2台ときて現在はGLBと乗り継いできた。
その様な中で、伯父は一族の中では異端であり、BMW一筋の変わり者だった。
伯父は当時大学生だった私に車を運転させ、どうだいい車だろうと語りかけてきた。
私は自分で車を買うまで日本車に乗った経験がほとんどなく、外車が当たり前の生活だった。
そのため外車に対する憧れのようなものは皆無であり、逆にベンツ、BMWなどと世間は言うが、日本車の方が凄いとアンチ外車派ですらあった。
実際にベンツ、BMWよりも日本のスポーツカーの方が刺激的で、個性的で魅力的だと本気で思っていた。
そんなわけでBMWについても特に魅力は感じておらず、さらにはベンツなんて眠たい車には一生自分では乗らないと思っていた。
私の中のBMWのイメージはベンツほどではないが、高級サルーンであり、それまでスポーツカーとしてBMWを見たことはなかった。
しかし、BMWのエンジン、ハンドリングは世界中で評価を受けているものであり、その最高峰にあるMモデル、特にM3は世界のFRスポーツの頂点として君臨する存在である。
そして当時の私にはBMWで気になる存在があった。
一度だけ街なかで見かけた白いZ4クーペ。
その時の私はその車が何であるかを知らなかったが、ロングノーズショートデッキのそのスタイリングに衝撃を受け、目を奪われた。
それは往年のS30Zやトヨタ2000GTを彷彿とさせ、それを現代のデザインとしてリバイバルしたような他に類を見ない車であった。
エンブレムがBMWだったので調べてみるとE86と言う型式で、Z4のクーペモデルであるらしい。
Z4は本来オープンカーであり、オープンモデルのE85はそれなりに街で見かけたが、クーペモデルが存在していたことをこの時初めて知った。
あのZ4クーペはどうなのか。
セダンのBMWを買う気にはなれないが、Z4クーペならば明らかにスポーツカー然としている。
そこで中古車を調べるが、クーペは個体数が少なく、値段が高止まりしていた。
オープンならば予算内に入ってくる個体も多かったが、クーペとなると難しかった。
そして何より2シータークーペは実用性で絶望的であった。
MR-Sの買い替えを多いに後押しした最大の問題点は実用性である。
大きい荷物を積むことが全くできない車であり、助手席に人を載せると、もう晩飯の買い物すらできない困ったちゃんであった。
少なくても日常での買い物や荷物の運搬が問題なくできる車が欲しい。
当時は1台での運用を前提として考えていたので、Z4はあきらめざるを得なかった。
そこで白羽の矢を立てたのがE87の1シリーズである。
E87はE90型の3シリーズと並行して開発されたモデルであり、プラットフォームの大部分を共有していた。
つまり、3シリーズをそのままコンパクトカーの形にギュッと凝縮したのがE87である。
ちなみにZ4は先代の3シリーズであるE46のプラットフォームを流用して仕立て上げられた派生スポーツカーである。
ガワがスポーツカーでも中身は3シリーズであり、Z4もE87も新旧の3シリーズがコンパクトなボディに形を変えた車と言う点では共通である。
さて、EK9をスポーツカーとして考えた場合、その最大の魅力はもしかするとその積載量かもしれない。
コンパクトハッチであるEK9はその卓越した運動性能とともに巨大な積載量を誇っており、走りに運搬にと大車輪の活躍であった。
同じコンパクトハッチであるE87であるならば積載量を確保でき、その上キビキビと走ってくれるだろうと期待し、E87についての情報を集め始めた。
するとサイズもスポーツカーとしてちょうどよく、足回りも日本車とは比べ物にならないほど凝っている。伯父のE46の運転は何度もしていたので、ボディの良さは折り紙付きであり、過激ではなかったがよく曲がってくれるのを覚えている。
むしろあの走りをコンパクトカーにまとめたのならば、まさに大人のスポーツカーではないかと思えた。
Posted at 2021/11/02 21:14:49 | |
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E87 | クルマ
2021年11月02日
スポーツカーを名乗る以上私にとって大事なのはエンジンである。
エンジンがいい車、これは外せない。
では、私にとっていいエンジンとは何か。
それはまず踏んで楽しいこと。
アクセルを開けて、回転がストレスなく駆け上がっていき、それに伴ってパワーがリアルについてくる。
基本的には踏み甲斐、回し甲斐のあるエンジンが好きである。
レッドゾーンはできれば8000、最低でも7000は欲しい。
アクセルを踏みつけて、回転が上がると共にパワーもあがる。
つまり、最大馬力の発生回転数がレッドゾーンに近いエンジンが好ましい。
さらには、その時に高揚感が感じられるエンジンがマストである。
私はB16B、K20AとタイプRのエンジンに乗って以降、NA信者である。
ターボエンジンは圧倒的パワーを得られるが、回転感と言う点ではNAのようなフィーリングを得ることはできず、サーキットでなければ、そのパワーの恩恵を受けることはない。
高回転域のフィーリングを求める一方で街なかでの低速トルクも重要である。
高回転型のNAエンジンは得てして下が弱い。
高回転NAがよいと言っておきながら下が欲しいという事自体間違っているという声が飛んでくるが、低速トルクはあった方がいいに決まっているのだ。
EK9なんかだと街なかを走るのに3000~4000、場合によっては5000回転なんかもザラであった。
以前の私なら、下がないのならばその分回せばいいんだくらいに思っていたが、人様の目につく街なかでそんなにスピードが出ているわけではないのに、ブォンブォンいわせている車は大人とは呼べまい。
普段は2000くらいで日常に溶け込み、いざアクセルを踏み込めば上まで気持ちよく回るエンジンがよい。
パワーは200ps~250psくらい、300psはいらないかなと言ったところ。
車の重さにもよるので、1200㎏であれば200ps、1400㎏なら250psくらいあればいいかなと考えている。
一昔前では1000㎏がライトウェイトの境のイメージだったが、最近では安全性能やら環境性能やらで車重が増している。
今のラインだと1200㎏がその境目になってくるのではなかろうか。
とは言え、あんまり重たいとスポーツカーとは呼びづらい。
車重が1500㎏以上あると私の中では重たいイメージがあるので、1500㎏以下の車としたい。
EK9が1030㎏、MR-Sが1070㎏(ウエイト調整後)とライトウエイトだったが、今時の車のスタビリディとして見ればちょっと軽すぎて落ち着きがなかった。
そしてハンドリング。
ステア操作に対してダイレクトなフィーリングで、回頭性の高い車がいい。
アクセルオンでドアンダーが出る車もいただけない。
スポーツドライビングが好きな方たちには、そういう車をねじ伏せたり、腕で曲げるのがいいんだという人もいるが、私は素直に曲がってくれる車がいい。
後は動力性能に負けないボディ、シャシー、ブレーキを備えていること。
私が乗って来た90年代のスポーツカーたちはどちらかというと動力性能が勝っていた。
それがスポーツカーとしての過激さであり、面白さであり、乗用車とは違うと思わせる要因だったのかもしれない。
しかし今回は大人のスポーツカー。
髙い旋回性能は求めるが、ピーキーではいけない。
国産ピュアスポーツの代名詞、FD3SやS2000は高い旋回性能を誇ったが、同時にピーキーな車であった。
特にFDはグリップの限界が唐突で、いつ滑り出すのかとヒヤヒヤしながらのドライビングを強要された。
大人のスポーツカーとしては高い旋回性とスタビリティの両立が必要だ。
滑り出すこと自体は良しとする。
ただその限界が掴みやすく、その挙動が穏やかな車が良い。
後見た目の高級感というか品の良さだろうか。
日本のスポーツカーはレーシーさを求めて、コンペティションチックなモデルが多い。
ビジネススーツが似合うスポーツカーとなれば、GTウイングが似合ってしまうようなデザインではダメなのである。
それを考えた時、やはり外車かなと思った。
欧州スポーツカーは一部のコンペティションなモデルを除いてあまりサーキットの香りがしないのが実に好ましく思えた。
Posted at 2021/11/02 09:41:40 | |
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E87 | クルマ
2021年11月01日
大まかに言えば今までの走らせ方は突っ込み重視のコーナリングであった。
レイトブレーキングからの急制動、前タイヤに荷重をたっぷり乗せたところで急ハンドルによる急旋回、そして向きを変え、加速できる姿勢を作ったら立ち上がりで急加速。
このような走らせ方はサーキットでタイムを削ることはできるかもしれないが、挙動移行はスムーズとは言えない。
これをやや手前からブレーキングをかけ、前に荷重を移しながら立ち上がるための姿勢を作りつつアクセルを開け始める。
立ち上がり重視のコーナーリングというか、とにかくキレイにコーナーを駆け抜けることを軸として考えたい。
それがストリート、峠やワインディングを気持ちよく走れるという事に繋がっていくと現在では考えている。
そこでどのような車をどのように仕上げていくかという事になった。
完全に向きを変え終える前からアクセルを開けて曲がっていくとなれば、やはりFRかMRということになる。
最近のFFはコーナーリング中でも電制で無理やり曲げてしまう車も多く、はっきり言って目隠しで乗ったらそれがFRなのかFFなのか4WDなのかわからないところまで来ており、不自然さも感じられないレベルでよく出来ていると思う。
しかし趣味でドライビングを楽しむ以上、私はその車の素性を味わいたい。
ということで、電制がまだそんなにうるさくなかった時代かつ、そんなに古くない時代の車ということで、2000年後半から2010年前半の車をターゲットに絞った。
駆動方式としてはFR。
実は今までスポーツカーの基本とも言えるFRを所有したことがなかったのである。
4WD、FF、MRときたのでFR、特に変な癖のない素性の良いFRに乗ってみたかった。
そして今回のテーマはズバリ大人のスポーツカー。
今までの車はどちらかというと汗臭いスポーツカーであり、その服装はというとレーシングスーツが似合いそうなメンツである。
これらの車にビジネススーツで乗っていたら違和感ありありであろう。
ビジネススーツで乗っていても違和感のない、むしろ似合うスポーツカー、それが大人なスポーツカーの漠然としたイメージであった。
スポーツカーとして必要十分な動力性能と運動性能を確保しつつ、不快な音や振動とは無縁の車。
ここで言う不快な音や振動というのは、ギシギシという軋み音やビビり音、風切り音やタイヤの走行音、全体的なゴツゴツ感のようなものをイメージしている。
エンジン音や排気音はそれなりに入ってきてもらいたい。
サスペンションもそれなりに固くて構わない、と言うか引き締まっていてほしい。
そうでなければこの車はスポーツカーではなくサルーンになってしまう。
ただ、そのエンジン音や排気音は心地よいものでなければならないし、音量や音質は周囲への影響も考慮する必要が十分にあるだろう。
また足回りも固ければよいと言うものではなく、当たりは柔らかく、かといってふわふわしない引き締まったしなやかな足。
ギャップを越えた時の入力がゴツやガツではなくドンもしくはトンという感じで、その後の振動の収まりが速い、引き締まっているがしなやかな足、それが理想である。
振動の収まり云々に関してはシャシーやボディの性能やサスとの相性というのもあるのでトータルで仕上げていく必要がある。
いずれも今までにやったことのない方向性での車作りなので、非常に興味深いと感じていた。
Posted at 2021/11/01 22:13:57 | |
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E87 | クルマ
2021年11月01日
私はスポーツカーが好きだ。
これからも一生スポーツカーに乗っていきたいと思う。
私の車仲間にも同じようなことを考えている人間は多い。
そんな彼らの元に、ある日BMW E87で乗り付けた。
みんなどんな反応をするのだろうなとちょっとワクワクしながら向かった訳だが、果たして皆の反応は私の予想通りだった。
「あれだけスポーツカーと言っていたのに、スポーツカーに乗るのを止めたのか」と。
誰一人BMWを、特にE87をスポーツカーと見なす人間はいなかった。
もしかすると、私の車仲間以外でもE87をスポーツカーとして見なす人間は少ないのかもしれない。
私の車歴はR32GT-R、EK9、MR-S(K20A換装)である。
これらをスポーツカーとして見なすならば、E87は少し毛色が違うかもしれない。
私に車の乗り換えを考えさせたのは2014年に行われた消費税の8%への引き上げである。
車はそれなりに高額なので、消費税も馬鹿にならない。
そこで消費税が引き上げられる前に車を買ってしまおうかと考えたのである。
その頃の私は30歳を越え、そろそろ過激一辺倒のドライビングにも疲れてきたというのもある。
過激な車というのは、気持ちの良いスポットが少ない。
逆にスポットを外すと、日常使いのようなシーンでは不快が先に来る。
さらにはそのスポットに入っていたとしても、自分がその気ならばよいが、その気でない時はやっぱり不快なのである。
しかも最近はその気でいることが少なくなってきた感もある。
K20Aに換装したMR-Sは、当時はこれ以上の車はないと本当に思ったし、一生持っていたいと思ってもいた。
手のかけ方もこれまでの車とは比べ物にならなかったし、それだけの思い入れもあった。
なので、手放すのは最後までもったいないと思っていたし、廃車や変な下取りに出す気は毛頭なかった。
なので、主治医をしてもらっているショップに間に入ってもらい、この車を大事にしたい、ドライブを楽しみたいという方に譲ることにした。
20代の頃はとにかくかっ飛ばすドライブを好み、逆に言えば飛ばさなければ楽しめない、かっ飛ばして初めて気持ちが良い。
それくらいに考えていた。
その様な私も、30歳を過ぎた今となっては、必ずしもかっ飛ばすことがスポーツドライビングではないと感じている。
と言うか、そのようなドライビングに疲れきたというのが本音である。
急加速、急制動、急ハンドル。
スポーツドライビングにとってこれらのメリハリはある意味必要なことではあり、今でもその気で走ることもある。
しかし、大半はそうではなくなっている。
ではどのようなドライビングが楽しめるのかと考えた時、スムーズなドライビングをしたいと思った。
ゆっくり走るのとは違う。
強い加速や強い制動はスポーツドライビングには切っても切れないものがあるが、車の走らせ方、車の挙動の作り方を変えるということである。
メリハリを抑えるのではなく、スムーズとメリハリのバランスと言うか、操作をスムーズにするというよりも、車体の挙動移行のスムーズさに重点を置いたドライビングを楽しみたい。
もう手に汗をかきながら目を三角にして頭をヒリつかせながら走るのは嫌なのである。
Posted at 2021/11/01 21:15:21 | |
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E87 | クルマ