2022年02月21日
足回りの変更と同時にスタビライザーの変更もお願いした。
よりロールを抑えたビタっとしたフィーリングにしたかったことと、よりアンダーの少ないニュートラルに近いハンドリングにしたかった。
E87はアンダー傾向であるが、決して強アンダーではない。
基本アンダーであるが、舵を入れてやればちゃんと曲がってくれる弱アンダーだ。
これは非常に安心の設定だが、かなり余裕を持ったセッティングであり、スポーツカーの視点で言えばもう少しオーバー気味でいい。
ニュートラルが北、アンダーが東だとすれば、現在の弱アンダーは北東。
これを北北東にしたい、北ではなく、あくまで北北東だと熱弁し、それにはリアスタビを強めてやればよいと思っていると話すと、「言わんとしていることは何となくわかりました。おっしゃる通りでリアを強めてやればそのような挙動になります。足回りを強化したので、スタビも変えてやればバランスもとれますしね」とのこと。
そこでスタビを前後ではなく、後ろだけ変更したいと考えるが、メーカーは基本的に前後のバランスを見て開発しているし、純正とのバランスを考えると、片方だけと言うのも果たしてどうなのか、それとも前後で交換してなおかつリアが強い製品があるのかと聞くと、「シュニッツァーのスタビにしましょう。足回りと同じメーカーを使うことによってよりメーカーの狙い通りのセッティングとなりますし、今おっしゃられたことをメーカーとしても考えたのでしょうね、これがリアのみの設定なんです。前は純正のままで後ろだけ強めるというのがシュニッツァーのニュルを走り込んだ回答です。これもまさにドンピシャです。」と言われた。
この時はACシュニッツァーと言うメーカーを知らなかったのだが、後から調べるとBMW専門の老舗大御所チューナーで、日本におけるホンダのspoonみたいなものだろうか。
そのパーツは性能、品質ともに申し分なく、純正ワークスと同等の信頼性がある。
今となっては、少々値が張るが、困ったらシュニッツァーくらいの感覚である。
シュニッツァーの純正形状サスとリアスタビで足回りは決まった。
心配していた価格なのだが、1シリーズだとそれほど高くないことが分かり胸をなでおろした。
EK9と同等か多少毛が生えた程度である。
と言っても私のEK9はフル無限だったので、他メーカーからすればやや高め。
1シリーズのアフターパーツはそれよりやや髙い程度で、客が話していたのは5シリーズとかMモデルような場合であり、即ウン十万なんてことはそうそうないようだ。
車をシャッキリさせたいのであればボディ補強が有効ですと提案を受けた。
それは自分でも納得できる。
ボディを固めればヨレが少なくなり、シャキッとしたフィーリングとなる。
ボディ補強と言えばタワーバーやロールケージが代表だ。
しかしこれらの補強はヨレをなくす分ボディに負担がかかるのと、ギシギシ音などの要因にもなってくる。
特にハッチバックであるならば、フロントのタワーバーよりもリアのタワーバーの方がはっきりと違いを感じることができるが、せっかく荷物をのせられるようにとのハッチバックなので、リアのタワーバーをつけてしまうと邪魔で荷物を入れられなくなってしまうのでつけたくない。
そもそもドイツ車はボディ剛性がもともと高いと思うのでボディ補強は必要ないのではないか。
これらの点はどうなのかを尋ねると、「おっしゃる通り、タワーバーやロールバーはそういう弊害があります。ですが、そういう装備はサーキットを走る人向けでしょう。BMWに乗る方でタワーバー付けたいという人はあまりいませんね。フロントのタワーバーぐらいならたまにいますが、ロールケージはサーキットのガチ勢だけです。」
では補強とはどうするのかと尋ねると、おススメのパーツが2つありますと言う。
1つはCPMというメーカーのLowerReinforcementという補強板で、もう1つがspoonが発売しているリジカラ(リジットカラー)というカラーである。
両方とも在庫があるとのことで実物を見せてもらったが、CPMは補強板と言うにはあまりにもコンパクトな設計。
手のひらに乗ってしまうぐらいの大きさの板で、本当にこんなものが効くのかと疑いの眼差しを向けると、これは床下に装着する補強板で、マフラーを通す溝を橋渡しするように装着するようだ。
ここを補強するだけで凄い効果的なのだと言う。
マジかよ…にわかには信じられないんだけど…。
言ってしまえば短いタワーバーだと思うのだが、この短さが良いのだと言う。
どういう事なのか、タワーバーは端から端までを繋ぐので、補強しすぎになってしまう。
車はコーナーや道の起伏等によって、走行中は常に前後左右に捻じれている。
それをバーで補強をすることによってこの捻じれを抑制する、捻じれさせないようにすることによって姿勢変化をなくすのがタワーバーをつける目的である。
CPMのボディ補強は全く考え方が異なり、捻じれさせないことを目的とするのではない。
ボディが捻じれることは許容する。
まずボディをきちんと捻じれさせて、その捻じれを抑制する。
結果として捻じれにくいということは同じなのだが、そもそも捻じれさせないのと、捻じれてそれを止めるのではプロセスが異なり、ボディにとってはこの捻じれるという事が非常に大事な点だと言う。
なるほど…。
私もタワーバーに否定的なのは、ボディにとって捻じれが大切なものであり、捻じれさせないということがボディにとって負担であると考えているからである。(ボディの負担を考慮しないタイムアタック仕様には非常に有効と考える。)
その観点からすればその理論は理解できる。
ただ、こんな手のひらサイズの一枚の板がそれを成しえるかどうかは別問題である。
CPMについてはとりあえず一旦置いておくとして、次はspoonのリジカラである。
ホンダ好きの私にとってはspoonの名前は馴染み深いものだが、まさかBMWのチューンでspoonの名前を見ることになるとは思わなかった。
そもそもspoonがホンダ以外のパーツを作っていること自体驚きであるが、話を聞いていくと、メーカー云々関係ない話の様だ。
車はボディとサブフレームをボルトで連結することで成り立っているが、ライン生産をしている以上、そのボルト穴はかなり余裕を持たせて作られている。
もしこの余裕がなければ一台一台位置合わせをしながらの作業となり、とてもライン生産はできない。
それこそフェラーリのように職人が一台一台組み上げるようなことになってしまう。
これはドイツの高級車であろうと、国産車であろうとライン生産をしている以上同じである。(もっともこの2者ではラインの速度は3倍くらい国産車が速いらしい)
ボルトでいかに締めようと、そもそも穴が大きいのでガタがでる。
このガタをカラーを挟んで埋めようと言うのがリジカラだというのである。
これについてはyoutubeでspoonのオフィシャルビデオがあり、それを見せてくれた。(パーツレビューリジカラ参照)
見た結果なるほどと納得せざるを得ないものであり、是非とも装着したいと思った矢先、この2つは現在在庫があるのでつけて帰りますか?と聞かれた。
値段を聞いてみると思ったより高く、CPMが2万円、リジカラが4万円(工賃込)という値段設定だ。
見た目に反して意外と高く、またこのやりとりは先ほどホイホイと決まってしまった30万円の商談と同じパターン。
値段はそこまでではないものの、はたして口車に乗ってよいものかと思ったが、今回は値段も含めてstudieのコンサルに任せると決めたばかりであり、装着をお願いした。
Posted at 2022/02/21 15:50:51 | |
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