2022年02月21日
足回りの変更と同時にスタビライザーの変更もお願いした。
よりロールを抑えたビタっとしたフィーリングにしたかったことと、よりアンダーの少ないニュートラルに近いハンドリングにしたかった。
E87はアンダー傾向であるが、決して強アンダーではない。
基本アンダーであるが、舵を入れてやればちゃんと曲がってくれる弱アンダーだ。
これは非常に安心の設定だが、かなり余裕を持ったセッティングであり、スポーツカーの視点で言えばもう少しオーバー気味でいい。
ニュートラルが北、アンダーが東だとすれば、現在の弱アンダーは北東。
これを北北東にしたい、北ではなく、あくまで北北東だと熱弁し、それにはリアスタビを強めてやればよいと思っていると話すと、「言わんとしていることは何となくわかりました。おっしゃる通りでリアを強めてやればそのような挙動になります。足回りを強化したので、スタビも変えてやればバランスもとれますしね」とのこと。
そこでスタビを前後ではなく、後ろだけ変更したいと考えるが、メーカーは基本的に前後のバランスを見て開発しているし、純正とのバランスを考えると、片方だけと言うのも果たしてどうなのか、それとも前後で交換してなおかつリアが強い製品があるのかと聞くと、「シュニッツァーのスタビにしましょう。足回りと同じメーカーを使うことによってよりメーカーの狙い通りのセッティングとなりますし、今おっしゃられたことをメーカーとしても考えたのでしょうね、これがリアのみの設定なんです。前は純正のままで後ろだけ強めるというのがシュニッツァーのニュルを走り込んだ回答です。これもまさにドンピシャです。」と言われた。
この時はACシュニッツァーと言うメーカーを知らなかったのだが、後から調べるとBMW専門の老舗大御所チューナーで、日本におけるホンダのspoonみたいなものだろうか。
そのパーツは性能、品質ともに申し分なく、純正ワークスと同等の信頼性がある。
今となっては、少々値が張るが、困ったらシュニッツァーくらいの感覚である。
シュニッツァーの純正形状サスとリアスタビで足回りは決まった。
心配していた価格なのだが、1シリーズだとそれほど高くないことが分かり胸をなでおろした。
EK9と同等か多少毛が生えた程度である。
と言っても私のEK9はフル無限だったので、他メーカーからすればやや高め。
1シリーズのアフターパーツはそれよりやや髙い程度で、客が話していたのは5シリーズとかMモデルような場合であり、即ウン十万なんてことはそうそうないようだ。
車をシャッキリさせたいのであればボディ補強が有効ですと提案を受けた。
それは自分でも納得できる。
ボディを固めればヨレが少なくなり、シャキッとしたフィーリングとなる。
ボディ補強と言えばタワーバーやロールケージが代表だ。
しかしこれらの補強はヨレをなくす分ボディに負担がかかるのと、ギシギシ音などの要因にもなってくる。
特にハッチバックであるならば、フロントのタワーバーよりもリアのタワーバーの方がはっきりと違いを感じることができるが、せっかく荷物をのせられるようにとのハッチバックなので、リアのタワーバーをつけてしまうと邪魔で荷物を入れられなくなってしまうのでつけたくない。
そもそもドイツ車はボディ剛性がもともと高いと思うのでボディ補強は必要ないのではないか。
これらの点はどうなのかを尋ねると、「おっしゃる通り、タワーバーやロールバーはそういう弊害があります。ですが、そういう装備はサーキットを走る人向けでしょう。BMWに乗る方でタワーバー付けたいという人はあまりいませんね。フロントのタワーバーぐらいならたまにいますが、ロールケージはサーキットのガチ勢だけです。」
では補強とはどうするのかと尋ねると、おススメのパーツが2つありますと言う。
1つはCPMというメーカーのLowerReinforcementという補強板で、もう1つがspoonが発売しているリジカラ(リジットカラー)というカラーである。
両方とも在庫があるとのことで実物を見せてもらったが、CPMは補強板と言うにはあまりにもコンパクトな設計。
手のひらに乗ってしまうぐらいの大きさの板で、本当にこんなものが効くのかと疑いの眼差しを向けると、これは床下に装着する補強板で、マフラーを通す溝を橋渡しするように装着するようだ。
ここを補強するだけで凄い効果的なのだと言う。
マジかよ…にわかには信じられないんだけど…。
言ってしまえば短いタワーバーだと思うのだが、この短さが良いのだと言う。
どういう事なのか、タワーバーは端から端までを繋ぐので、補強しすぎになってしまう。
車はコーナーや道の起伏等によって、走行中は常に前後左右に捻じれている。
それをバーで補強をすることによってこの捻じれを抑制する、捻じれさせないようにすることによって姿勢変化をなくすのがタワーバーをつける目的である。
CPMのボディ補強は全く考え方が異なり、捻じれさせないことを目的とするのではない。
ボディが捻じれることは許容する。
まずボディをきちんと捻じれさせて、その捻じれを抑制する。
結果として捻じれにくいということは同じなのだが、そもそも捻じれさせないのと、捻じれてそれを止めるのではプロセスが異なり、ボディにとってはこの捻じれるという事が非常に大事な点だと言う。
なるほど…。
私もタワーバーに否定的なのは、ボディにとって捻じれが大切なものであり、捻じれさせないということがボディにとって負担であると考えているからである。(ボディの負担を考慮しないタイムアタック仕様には非常に有効と考える。)
その観点からすればその理論は理解できる。
ただ、こんな手のひらサイズの一枚の板がそれを成しえるかどうかは別問題である。
CPMについてはとりあえず一旦置いておくとして、次はspoonのリジカラである。
ホンダ好きの私にとってはspoonの名前は馴染み深いものだが、まさかBMWのチューンでspoonの名前を見ることになるとは思わなかった。
そもそもspoonがホンダ以外のパーツを作っていること自体驚きであるが、話を聞いていくと、メーカー云々関係ない話の様だ。
車はボディとサブフレームをボルトで連結することで成り立っているが、ライン生産をしている以上、そのボルト穴はかなり余裕を持たせて作られている。
もしこの余裕がなければ一台一台位置合わせをしながらの作業となり、とてもライン生産はできない。
それこそフェラーリのように職人が一台一台組み上げるようなことになってしまう。
これはドイツの高級車であろうと、国産車であろうとライン生産をしている以上同じである。(もっともこの2者ではラインの速度は3倍くらい国産車が速いらしい)
ボルトでいかに締めようと、そもそも穴が大きいのでガタがでる。
このガタをカラーを挟んで埋めようと言うのがリジカラだというのである。
これについてはyoutubeでspoonのオフィシャルビデオがあり、それを見せてくれた。(パーツレビューリジカラ参照)
見た結果なるほどと納得せざるを得ないものであり、是非とも装着したいと思った矢先、この2つは現在在庫があるのでつけて帰りますか?と聞かれた。
値段を聞いてみると思ったより高く、CPMが2万円、リジカラが4万円(工賃込)という値段設定だ。
見た目に反して意外と高く、またこのやりとりは先ほどホイホイと決まってしまった30万円の商談と同じパターン。
値段はそこまでではないものの、はたして口車に乗ってよいものかと思ったが、今回は値段も含めてstudieのコンサルに任せると決めたばかりであり、装着をお願いした。
Posted at 2022/02/21 15:50:51 | |
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E87 | クルマ
2022年02月12日
さて、笑顔で迎えてくれた店長だが、「お待ちしておりました。遠いところからわざわざお越しいただいてありがとうございます」と丁寧に接してくれた。
私も中古車なので状態の把握をしたいこと、現状いくつかの不満点があるので、チューニングによって解消したいが、輸入車のチューニングは初めてでノウハウがないこと、その相談をしたいことを告げると、では早速車を点検していきましょうという流れになった。
点検作業中、私は店長と話をすることとなったが、まずは何を求めてBMWの1シリーズを購入したか、そして今後どのような車に仕立てていきたいかを熱弁した。
BMW120iをベースに大人のスポーツカーを作りたいが、スポーツカーの目線でみると車の動きが重い。
パワーは求めていないが、フィーリングを良くしていきたい。
ハンドリングもエンジンももっさり感が強く、もっとカーン突き抜けるようなフィーリングが欲しい。
サーキットは考えておらず、ワインディングなんかを気持ちよく駆け抜けたい。
同時に上質さも追及していきたい。
スポーツカーとしての音は大事だが、その音は上品でありたい。
ロードノイズやジャダー、ギシギシ音、ゴツゴツ感は排除しつつ、スポーツカーとして芯のある乗り味を確保しつつも、快適性のある車を目指したい。
乗った事はないが、アルピナがイメージが近いのではないかなどと言いたい放題を話すと、今度は店長の方から私の今までの車歴を聞いてきた。
初めての車はHKSの製品で固められたサーキット仕様のR32GT-R、次に無限をメインにしたライトチューンのEK9、そしてK20Aに換装し、ワンオフパーツも満載のフルチューンMR-Sと告げると、「やってますねえ(苦笑)」と苦笑いをされた。
R32GT-Rは購入時点でサーキット仕様で自分では何もいじっていないし、EK9は安心の無限によるライトチューンだったが、MR-Sはさすがに自分でも苦笑いである。
「まあ、でもおっしゃっているイメージは何となくつかめてきました。今おっしゃったような車からすればBMWがダルだと感じるのも仕方がないでしょう。ですがチューニングによってイメージに寄せていくことは可能です。1つずつ解決していきましょう。」
と、いくつかプランを用意してくれた。
「最終的にはよりスポーツカーらしい軽快なフィーリングが欲しいということだと思うのですけど、これは色々な要因が重なります。物理的な車の重さもあるし、レスポンスの悪さ、エンジンの吹けの悪さなんかも感じ方としては影響してきます。」
と説明をしてくれた。
まず、物理的な軽量化というのはあまりお勧めしないとのこと。
上質さを求めるのであれば、ついているものを省くというのは得策ではない。
やるとすれば、鉄製のパーツをアルミ製のものに置き換えていくというようなことになるが、全体のバランスをよく考えてやらないとせっかくの重量バランスが崩れてしまう。
結果、一部ではなく車全体での交換になってくるので金額的にもかさむし、一般的にはそこまで追求しなくてもよいのではないか。
お勧めするとすればシート交換だと言う。
純正シートはかなり重いので、レカロなんかに交換すれば片側で10kg、両方で20kg近い軽量化が可能。
シートは車の中心にあるので、重量バランス的にもあまり影響を受けないのもメリット。ただし、中心部分の軽量化はフィーリング的にはあまり効果を感じにくいとのこと。
私はEK9の頃からレカロSP-Jを愛用しており、車が変わってもシートは乗せ換えて使い続けてきた。
今回も使用するつもりで、BMWにふさわしいようにシボレザーとアルカンターラでちょっと高級な雰囲気で張替をお願いしているところである。
軽快なフィールで一番おすすめはレスポンスアップであると言う。
BMWは良くも悪くもダルで、落ち着きのある車に作っている。
だが、それはそのようなセッティングにしているだけで、逆にレスポンスのよいセッティングも可能とのこと。
ここはBMWをレーシングカーに仕立てるノウハウを多く持っているstudieのコンサルティングに期待したい。
BMWやベンツが重厚な乗り味なのは凝りに凝ったサスペンションによることが大きいという。
E87のサスペンションは前マクファーソンストラットの後マルチリンクである。
ただ前のマクファーソンストラットもダブルリンクのロアアームをもつタイプ(ダブルジョイントスプリングストラットと言うらしい)になっており、後のマルチリンクはE60にも採用された5リンクのインテグラルアーム式となっている。
横方向のトレーディングアームを配置すれば乗り心地にも有利ながら、横力にも強いようにできるし、アームを分割してタイヤのストロークで転舵軸が変化することにより、走行性能向上にも寄与するなんてこともできる。
非常に凝った金のかかっているサスペンションだが、リンク数が増えればそれだけ反応伝達が悪くなる。
なのでリンクのブッシュ管理がレスポンスアップの肝であるとのこと。
この辺りは前の車でもいじっていた部分なので、説明も納得できる。
そこで店長に提示されたのはリアメンバーブッシュのピロボールによるリジット化と、前のロアコンアームブッシュの強化ウレタン品への変更である。
ピロ化と聞いてちょっと怯んだ。
私の中でピロ化はレスポンスとの引き換えに、ゴツゴツ感やギシギシ音といった快適性の悪化をともない、車体への負担と耐久性を考慮しないタイムアタック車用の措置である。
今回は快適性と上質さを十分に考慮し、車体寿命を縮めるようなチューニングは望んでいないので、ピロ化の提示には怪訝を示した。
すると店長は要所を絞って強化することにより快適性を犠牲にせずにメリットを受けられるという。
またBMWはシャシー剛性が国産車とは比べ物にならないため、リジット化によるデメリットが出にくいという話だった。
BMWのリアメンバーはかなり大きなゴムブッシュがあり、ここがBMWの動きが重い元凶とのことだった。
もともとBMWはアウトバーンを200km/hで巡航するクルーザーの側面が強いため、ここで落ち着きを作る設計である。
またロアコンアームブッシュはステアフィールに直結し、ここを固めるだけでシャープかつダイレクトなフィーリングになるとのこと。
ピロ化しても良いが、強化ブッシュで十分フィーリングが改善されるのと、ロアコンのピロ化は異音など快適性に影響が出やすく、またピロボール自身の寿命が短いためおすすめはしないとのことだった。
アッパーマウントブッシュのピロ化はダイレクトに影響が出てしまい、ゴツゴツしたフィーリングになってしまうため、純正がおすすめであり、スタビマウント、スタビリンクのブッシュについては、今後のチューニング次第だが、ストリート仕様であるならば純正でいいでしょうということで話がまとまった。
足回りはどうしますかと聞かれたので、足回りも不満で交換を考えている旨を告げた。
純正の足は低速ではゴツゴツするのに高速ではポヨンポヨンち落ち着かない。
荒れた路面、ギャップで跳ねるので、まずは当たりはマイルドで、なおかつ引き締まっており、荒れた路面でも跳ねないような追従性のよい足回りを実現したい。
そして、できれば純正形状でお願いしたいと要求を並べてみた。
特に純正形状サスにはこだわりがある。
通常チューニングカーの足回りは車高調キットを入れることが多いと思うが、私にとって車高調は結構無駄である。
本来車高調は各サーキットを転戦するような場合に、そのステージごとに調整してセッティングを煮詰める方向けの製品である。
一方私はズボラなのでそんなことはしない。
MR-Sで車高調を組んだが、始めにショップがセッティングしたっきり、ほぼそのままである。
(サーキットに合わせて数回いじったが、だんだんやらなくなった)
機能美を重視する私としては美しくないし、オーバースペックに対する後ろめたさもある。
EK9の足が無限の純正形状サスだったのだが、これが文句の1つもないほど良かったので、純正形状サスには好印象だ。
脚の引き締まり具合、乗り心地、適度な車高ダウン、車高調と比較して半額なありがたい価格設定。
なので、私は可能な限り純正形状サスを探し、良いものがなければ車高調を組むのがセオリーである。
すると、「まさしくドンピシャな足があります。」と言う。
「ACシュニッツァーというドイツの老舗BMWチューナーがあるのですが、そこの純正形状サスが本当におススメです。いわゆるニュルで鍛え上げられた足で、あそこは固いだけじゃ速く走れないんです。路面は荒れ放題で、連続するブラインドコーナーにアップダウンの繰り返し。あそこを速く走ろうと思えばこんな足になるんでしょうね。当たりはマイルドでかつ引き締められており、荒れた路面、ギャップなんかでもストロークを十分に確保しているので跳ねずにビタッと路面に追従します」と言って、装着したカタログを見せてくれた。
純正比で20mmダウンとのことで、ダウン量もドンピシャだった。
ただ値段が少し張り、一般的な純正形状サスの1.5倍くらいするとのこと。
私の考える一般的な純正形状サスとBMWの一般的な純正形状サスの価格が果たして一致するのか一抹の不安を覚えたが、それでも車高調を組むより安くしあがるようだ。
価格も含めてstudieのコンサル能力を測る意味でも今回はすべて任せてみようと思っていた。
ブッシュのピロ化についても完全に納得がいったわけではない。
実際に装着してみて、それで納得がいかなければ今後出入りをしなければいいだけの話である。
Posted at 2022/02/12 14:51:01 | |
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E87 | クルマ
2022年02月12日
studieのホームページには、オーナーズカーの紹介や各車種デモカーの紹介(製作過程つき)、各車種チューニングのおすすめのページ等もあり、どのような車に仕上げていくかの参考に多いにさせていただいた。
そのまま読み進めていると、studie点検なるものをやっていることを知った。
「studieではBMW専門店のノウハウを活かした100項目に渡る専用メニューにて愛車のコンディションを事細かくチェックし必要に応じて見積もり&プランニング致します。」
「純正パーツだけではなくアフターパーツの劣化状態も確実に診断できメンテナンスのご提案をさせていただきます。」
「劣化パーツのお見積りをお出しするだけではなくそのパーツが劣化しているとどんな影響があるか、交換する事でどんな変化があるのか等、あらゆる面からのサポートをさせていただきます。」
「また消耗品などの交換に関しましても純正パーツ以外に色々なアイテムをご案内させて頂きますので、チューニングを兼ねた整備など、ただ単に部品交換ではない愛車のグレードUPとしてご相談させて頂きます。」
「Studie Individual Karte Systemに詳細な作業履歴を記録し豊富な経験を元に、ランニングコストを抑えてお車を長く安心してお乗りいただける様お手伝させて頂きます。」
とのこと。
100項目点検というとおそらくは24カ月法定点検のような内容であろう。
それをベースにBMW専門店ならではの、この車種はここが弱いから入念にチェックしようとかそのようなノウハウがあるのではないか。
これはよい。
新しいチューニングショップへ初めて顔を出すときは、まずどのようにアプローチしようか結構頭を悩ませる。
チューニングショップの中には職人気質の気難しかったり、高圧的なショップもあり、打ち解けるまでは結構ドキドキするものだ。
なので、まずはこの点検を受けて車全体の状態を把握してもらい、その上でチューニングを相談していく流れにもっていくことにしよう。
中古車なので、実際に車の状態がどうなのかを把握できるのもありがたい。
まだ4年落ちの車で年式も新しいし、中古店でも問題個所は1つもない極上車だと説明は受けているが、セールストークの可能性もあるので油断はできない。
実際に購入時に車検を通しているので現状は問題ないと思うが、チューニングも含めて今後のプランについても話を聞きたかった。
早速メールで点検の予約を入れ、その際に今までは国産のチューニングカーを乗り継いできたこと、今回BMWに初めて乗ること、中古車なので状態を点検で把握したいのと、今後の整備とチューニングのプランについて相談したいという旨を添えておいた。
すぐさま返信が届き、まずはBMWオーナーになられたことをうれしく思う事、今後素晴らしいBMWライフとなるよう全力でサポートさせてもらうという事、来店を歓迎することが書かれていた。
どうやらファーストコンタクトは成功したようだ。
ホームページで店構えを見ると随分とオープンな雰囲気だ。
職人気質の親方の店にありがちな暗くて雑然としている雰囲気は全くない。
訪店する日が楽しみになった。
さて、予約当日。
私はいつものように開店と同時にお店に訪れた。
お客さんはまだいなかったので、私が一番乗りの様だ。
すると店員がサッと出迎えてくれたが、Tシャツにハーフパンツといういで立ちである。
随分とカジュアルというかラフな格好だ。
名札をみると店長とある。
もう一人の店員もTシャツにジーパンという格好なので、親しみやすさであったり、気難しくないというアピールでもあるのだろう。
後から来たお客さんも似たようなもの。
お互いにフランクであり、BMWだからといって肩肘張る必要はないのだろう。
行きの高速を走りながら、もう少しフォーマルな格好をしてくるべきだったか?と一瞬後悔したが、杞憂だったようだ。
奥様同伴の方も多く、堅苦しい雰囲気はない良いお店だ。
店員とお客さんの会話も実にフランクである。
「今度○○から△△というパーツが出たんですけど、これがすげえいいんですよ。今在庫があってすぐ作業できますけど、どうです?」
「いいねえ、じゃあちょっとお願いできる?」
なんて具合に和気あいあいと会話が繰り広げられる。
ただし、その話をよく聞いてると、値段が30万円だったり、40万円だったりするので油断はできない。
30万円のパーツを「ちょっとつけてく?」なんて勧めて、「じゃあ、お願い」なんてホイホイと商談が成立してしまうあたり、怖い世界である。
もしかすると、フランクな格好は親しみやすさアピールではなく、BMWなんて高級車でも何でもないと思っているようなお金持ちが客層なのかもしれない。
または、こんな感じの雰囲気で高いパーツを押し付けられ、なし崩し的に購入させる手口か・・・。
やはり踏み込む世界を誤ったか?と冷や汗をかきつつも、雰囲気にのまれたら負けだと平然を装いながらコーヒーをすすっていた。
Posted at 2022/02/12 14:30:37 | |
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E87 | クルマ
2022年02月02日
1年間フルノーマルのままじっくり乗り込もう。
そんな風に考えていた時期が私にもありました。
なんかカッコイイようなことを言っていましたが、2つの意味で破りました。
まず1つは外見の部分。
まず、タイヤ・ホイールの交換を速攻でした。
理由は3つあって、まず、純正ホイールがそんなにかっこよくなかったこと。
次に純正に使われているランフラットタイヤの評判があまりよくなかったこと。
そして、よさそうなホイールがヤフオクでたまたま出品されていたこと。
これらの理由で車の購入後1月もしない内にタイヤとホイールは交換になりました。
純正ホイールはスタットレス用になってもらおう。
新しく購入したホイールは、2世代前の純正オプションの最高級ホイール、クロススポークコンポジットⅡ。
もともとはBBSのメッシュホイールを中古で探していたのだが、見た目がそれっぽく、かっこよかったうえに、サイズもオフセットを含めてばっちりだったため、即購入した。
サイズの需要の主流は現在18インチや19インチに移っており、17インチはあまり人気がなかったのか、18インチの同ホイールの半額以下で購入することができた。
また、ついていたタイヤがミシュランプライマシーHPとハイグリップタイヤではなかったが、高級タイヤがついていたのでそのまま使用することにした。
山もそれなりにあったので数年は使えそうである。
また、ホイール実物を見てみるとBBSの刻印がされており、BBS製であるというのも当初の目的に合致したものだった。
純正ホイールの使用となればまさにunderstatementであり、それでかっこよく、高性能であるならばそれ以上はない。
重さは激軽というわけではないが、私はホイールの重さにはそれほど執着していない。
むしろホイールの重さは乗り心地やフィーリングの落ち着きと言う点では大事なファクターであり、純正ホイールにはならではの良さがあると思っている。
ネットでのE87のカスタマイズを見てみると、やはり18インチが主流のようだったが、私は17インチにこだわった。
タイヤやホイールは18インチ以上になると途端に高くなる傾向があり、単純に安いと言うのが1つ。
あと、このクラスの実際の走りの性能としては扁平率45あたりが乗り心地も含めて一番バランスが良いと思っている。
もっとハイパワーならば扁平率40とかでもよいが、コンパクトカーには過剰かと思う。
また、E87は16インチのホイールがベーシックであり、スポーツグレードのMスポーツに17インチが採用されている。
当然ブレーキは16インチに収まるようなサイズとなっており、18インチまで上げてしまうとローターとホイールの隙間がスッカスカで実に貧弱に見えてしまう。
世間では結構大径ホイールを装着する方も多いのだが、この隙間ってあんまり気にならないのだろうか。
見た目の問題だが、私はかなり気にするので、インチアップする場合でも1インチアップ程度に収めるのが常である。
E87の17インチでの純正サイズは前205/50R17、後225/45R17であるが、今回のホイール交換にて前後とも225/45R17とすることにした。
3ヶ月ほどたった時点でエアロパーツを追加した。
このE87、私はそれほど変に思わないのだが、世間的にはかなり酷評されたデザインとなっている。
とある自動車評論家のコメントではデザインとして破綻しているとまで書かれてしまっている。
確かに妙に腰高に見えてしまったり、ライト、グリル周りが結構ゴツイのに、その他がみょうにつるんとしているのでボリューム的にバランスが悪いようにも見える。
腰高感はいかんともしがたいが、デザインのアンバランスさは、その他の部分をエアロでちょいとボリューム感を出してやれば解消されそうである。
これらの見た目の問題に関しては走行性能に関係ないので、1年と乗り込まなくてもやってしまって構わないだろう。
リップスポイラーとルーフスポイラーをつけることで全体のバランスをとることにした。
候補としては3DDesignとACシュニッツァー。
両方とも純正エアロだよと負われればそうなんだと納得してしまいそうになるほどunderstatementである。
最終的には金額面とデザインの好み具合で3DDesignのエアロを取り付けることにした。
ホイールとエアロ。
外見的な部分を変えたのでフルノーマルとはいかなくなったが、走りの部分はノーマルなのでその状態で乗り込もうと思っていた。
思っていたのだが・・・、半年で我慢ができなくなりました。
半年間で約5000km走り、色々不満点が噴出してきたのである。
まずやっぱり動きが重たい。
重厚感は高級感を生むと言う点では演出としてありだが、スポーツカーである以上もう少し軽快感が欲しい。
走る曲がる止まるは車の基本動作であるが、それのどれもをよいしょ、よいしょとやっているようなフィーリングである。
あと、良くも悪くも始終弱アンダーである。
これはこれで非常に安定していて乗りやすいのであるが、ローパワーな車なので、もう少しニュートラルな感じで頭の入りがよくてもよいと思う。
そして一番はサスペンションが気に入らない。
MスポーツにはMスポーツ専用サスペンションが与えられているが、低速ではゴツゴツ感があり、高速ではポヨンポヨン落ち着かない。
ギャップや荒れた路面では跳ねて追従性が悪い。
あくまで感じたことであるが、ダンパーをノーマルそのままでバネだけ固くした即興のサスペンションなのではないかと思う。
ノーマルダンパーにダウンサスの挙動によく似ている。
アタリが固いくせに、バネの伸びに負けておさまりが悪く、同時にストロークが十分に取れず跳ねて路面に追従しない。
エンジンの回転もあと一息といった感じ。
上まで回るようにはなってきたが、もっと突き抜けるような回転感が欲しい。。
最後に見た目の問題として車高をもう少し落としたい。
現在タイヤとフェンダーの隙間が指3本くらいであるが、1本~1本半くらいにしたい。
低すぎるのは好みではなく、フェンダーがタイヤに被ってしまうのはNGだ。
サスを変えるつもりなので程よく落ちるものを選択しようと思う。
とりあえずはこの辺りを解消しようと思い、チューニング情報を集めたが、外車のいじり方が全く分からない。
これまでにもそれなりにチューニングをしてきたが、まず国産車向けのパーツメーカーと輸入車向けのパーツメーカーは全く異なることを知った。
またショップに関しても輸入車をいじれるショップは限られており、一度BMWに精通しているプロショップでじっくり話を聞いてみる必要があると感じた。
そこで県内もしくは近隣の県でBMWに精通したチューニングショップを探した。
ネットで検索するとstudieというショップをすぐに見つけることができた。
全国に支店を構えており、地元から一番近いところは仙台店のようだ。
studieとはどのようなショップなのかを調べていくとGT300に参戦しているらしい。
私はスーパーGTを昔からよく見ており、特に自分たちの車と近いGT300を好んで見るが、その中に初音ミクの痛車Z4で参戦しているチームがあった。
当時はチームまでは気にしていなかったが、レースに痛車というインパクトで印象は強く残っている。
この初音ミクZ4を走らせているチームこそstudieであった。
現在は痛車ではくなっているが、BMW JAPANの公式の協力の基にチームを結成しており、BMWのセミワークスとして参戦している状況である。
これほどの活動をしているのであればBMWへの精通はもちろんチューニングノウハウも十分に期待できると思い、仙台はちと遠いが足を運ぶことにした。
Posted at 2022/02/02 23:04:27 | |
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E87 | クルマ
2022年02月02日
120iの納車日ということで、私は神奈川県にあるBMW・ベンツ専門店を訪れた。
お店の提案では自宅への納車まで含めて、全部やってもらえるという話であったが、複数の県を跨ぐと陸送費が馬鹿にならない。
今回の車は車検なしなので、県外での登録となると他府県登録費用なんてものもかかってくる。
車を陸送して、私の住所の管轄運輸支局で車両登録しその後納車という流れになるが、その他手続きも含めると追加で20万円ほどかかってしまうとのことなので、こちらでできることは全てこちらでやってしまうと進言した。
20万円あればタイヤ・ホイールなり、足回りなり、吸排気系なりの変更が可能である。
ここはチューニング費の捻出のためにも、店舗には納車整備と車検だけお願いした。
実際に各種手続きも一度やってみればなんてことないものが多く、自分で簡単にできるものばかりである。
県外で車検なしの中古車を購入する際には、一旦店舗の管轄運輸支局で車検を通して車両登録をしてもらい、その車に乗って帰り、自分で地元の運輸支局にいって名義変更をするという流れをとればぐっと費用を抑えることができる。
車検つきの県外ナンバープレートがある車両を購入した場合も同様に、自分で名義変更すれば安上がりだ。
申請に必要な各種書類の用紙はネットからダウンロードもできるし、販売店舗に用紙は完備されているので言えば用意してくれる。
代金はすでに現金一括で支払済みなので、特に店舗ですることもなく、コーヒーを一杯ごちそうになって店舗を後にした。
陸送ではなく自分で乗って帰れば早速ロングドライブを楽しむことができる。
試乗時以来あらためてこの120iに乗ると、改めてかなりしっかりしている印象だ。
この車両が2010年式2万km(当時で4年落ち)。
レンタカーの車両が2006年式で7万3000km だったので、レンタカーの車両と比較するとヘタリなどはないようだ。
第一印象としてはしっかりしていると言えば聞こえはよいが、やっぱり重たい。
エンジンも吹け上がりが悪く、踏み込んでも中々回転数があがっていかない。
ただ、スポーツモードにすればレッドゾーンまで回るので、エンジンそのもののトラブルではなく、ATの変速制御によるものだろう。
車検証ケースには前のオーナーの整備記録が入っており、名前を見ると女性オーナーである。
ほとんど踏み込むことなく乗っていたと思われ、CPUもそのような変速に最適化して学習しているものと思われる。
私が改めて再教育をしてやればしっかり回ってくれるようになっていくだろう。
開店と同時に訪店したので、まだ午前中。
時間には余裕があり、店舗が鎌倉と近かったので鎌倉観光へとしゃれこんだ。
休日の観光地なので人ごみも多かったが、コンパクトカーならではの取り回しで狭い道も苦なく入っていける。
強化クラッチの入っていたMR-Sでは狭い道や人ごみの中はできれば遠慮したいところであったが、ATって楽チンである。
ただステアリングはどっしりとしている。
ドイツ車はステアが重たい傾向にあるが、このE87は油圧ではなく電動パワステである。
ただ、これでも後期型は軽くなったようで、初期型は重すぎるとクレームが多かったらしい。
私は家のベンツで重いステアには慣れているが、初めて乗る人だとビックリするんじゃないだろうか。
駐車時など、ステアを多く切るような場面でも、国産車のように片手でクルクル~なんてわけにはいかない。
ただ最近のベンツ(204以降)は国産車並みにステアが軽くなった。
日本仕様なのかは知らないが、私としてはある程度どっしりしていた方が好みである。
鎌倉を堪能しつつ、普段使いの実用性のチェックもできた。
さて、鎌倉から地元までおよそ270km。
高速を流しながらこれからどのように車を仕上げていこうかを考えた。
大人のスポーツカー、そのコンセプトは「sports」「cool」「understatement」。
まず第一に、なによりもスポーツカーであること、これが全ての前提である。
スポーツカーの情熱は持ち続けたい。
だけど、暑苦しくないのが今回の大きなポイント。
そこで「cool」。
coolは冷たい、涼しいという意味もあるが、かっこいい、素敵な、おしゃれなという意味合いで使うことも多い。
暑苦しすぎず、落ち着きすぎない「かっこいい」、それが「cool」である。
understatementはひかえめという意味合いであるが、ニュアンス的にはやりすぎないである。
ではやり過ぎないとはどういうことか。
スポーツカーを仕立てる際にはよく記号を使う。
専用エアロに大型のリアウイング、チューンされた専用エンジン、ブレンボのブレーキ、レカロのシート、モモのステアリング、ビルシュタインのダンパー、ゲトラグのミッション、BBSのホイール。
これらは国産スポーツカーの黄金時代とも言うべき90年代のスポーツカーを形作った典型的な記号である。
これらを純正で装着することによって各社メーカーはその車がスポーツカーであることを知らしめた。
なかでも視覚による効果は大きい。
レカロやブレンボなんて言葉を聞いた時、わかる人は飛びつくが、一般人は何それ?おいしいの?と言った具合であろう。
一方フェラーリを見た時、それが車をよく知らない一般人であってもこの車は凄そうだ、他とは違う特別な車だと思うだろう。
カローラと見比べて、違いがわからないなんて人はいないはずだ。
上記の記号の中でも専用エアロを装着するケースは多く、一目で他の車やグレードとは違いますよとアピールしている。
同様に装着率が高いのがブレンボのブレーキ、レカロのシート、モモのステアリングだ。
純正のホイールも実はBBS製でしたなんてことも珍しくない。
これらは性能向上の意味合いも大きいが、目につきやすい部分に配置されているため視覚効果を狙ったものが多い。
ダンパーやミッションなんかだと基本目に見えない部分なので、メーカーも装着率が高くないように思う。
逆に見ればゲトラグの6速ミッションなんてものが入っていたら、この車は本当に性能を追求して設計された車だという裏返しでもある。
話を戻すが、視覚による効果は絶大で、GTウイングやワイドエアロなどの派手なエアロパーツは普通の乗用車ではありえず、一目瞭然でその車をスポーツカーであると認識させる。
ただこれではcoolではない。
羊の皮をかぶった狼と言う言葉がわかりやすいだろうか。
以前の私ならばその魅力がこれっぽっちも理解できなかった。
せっかくスポーツカーであるならばそれらしい姿をしているべきであり、ファミリーセダンが速いことの何が良いのかと。
機能美と言う言葉があり、「Form ever Follows Function(形態は常に機能に従う)」とアメリカ人の有名な建築家ルイス・サリヴァンが語った。
私はこの言葉が好きで、私の審美眼の基本となっている。
速いという機能があるのに、速くない(機能がない)形態をすることは私にとって美しくなかった。
ただ、実際車のデザインを見ていると、記号による意識づけのために、過剰なデザインが多い。
MR-SにワイドエアロとGTウイングをつけてGTカー風にしていた私が言うのもなんだが、特にエアロパーツに関しては本当に意味のあるエアロなのかは疑わしい。
そうなるともっとひかえめの方が、本来の機能美なのではないかと思うようになってきた。
実際に性能面だけで見ればフルノーマルで十分なのかもしれない。
ただ、羊では満足できない。
それが40歳を目前に控えた男の心境である。
羊ではひかえめ(やりすぎない)ではなく、やらないである。
上記のような記号をうまくとり入れつつ、かといってあからさまにはしない。
シェパードの皮を被った狼ぐらいを目指したい。(伝わるか?このニュアンス)
やりすぎずにスポーツカーであることを滲ませるかっこよさ、coolを演出するもの、それが「understatement」である。
まずは1年間フルノーマルのままじっくり乗り込もう。
いじる前にこの車がどんな車なのかをよく知らなければならない。
その上で不満な部分をチューニングしていく。
レンタカーも含めてそれなりに試乗をしたが、個体差というのもあるし、実際に自分の車として乗りこまないと見えてこない部分も多い。
現段階では乗っていてあまりスポーツカーというフィーリングがしないが、この車がどんな姿へ変わってくれるのか、実に楽しみである。
Posted at 2022/02/02 21:35:49 | |
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