2022年02月12日
studieのホームページには、オーナーズカーの紹介や各車種デモカーの紹介(製作過程つき)、各車種チューニングのおすすめのページ等もあり、どのような車に仕上げていくかの参考に多いにさせていただいた。
そのまま読み進めていると、studie点検なるものをやっていることを知った。
「studieではBMW専門店のノウハウを活かした100項目に渡る専用メニューにて愛車のコンディションを事細かくチェックし必要に応じて見積もり&プランニング致します。」
「純正パーツだけではなくアフターパーツの劣化状態も確実に診断できメンテナンスのご提案をさせていただきます。」
「劣化パーツのお見積りをお出しするだけではなくそのパーツが劣化しているとどんな影響があるか、交換する事でどんな変化があるのか等、あらゆる面からのサポートをさせていただきます。」
「また消耗品などの交換に関しましても純正パーツ以外に色々なアイテムをご案内させて頂きますので、チューニングを兼ねた整備など、ただ単に部品交換ではない愛車のグレードUPとしてご相談させて頂きます。」
「Studie Individual Karte Systemに詳細な作業履歴を記録し豊富な経験を元に、ランニングコストを抑えてお車を長く安心してお乗りいただける様お手伝させて頂きます。」
とのこと。
100項目点検というとおそらくは24カ月法定点検のような内容であろう。
それをベースにBMW専門店ならではの、この車種はここが弱いから入念にチェックしようとかそのようなノウハウがあるのではないか。
これはよい。
新しいチューニングショップへ初めて顔を出すときは、まずどのようにアプローチしようか結構頭を悩ませる。
チューニングショップの中には職人気質の気難しかったり、高圧的なショップもあり、打ち解けるまでは結構ドキドキするものだ。
なので、まずはこの点検を受けて車全体の状態を把握してもらい、その上でチューニングを相談していく流れにもっていくことにしよう。
中古車なので、実際に車の状態がどうなのかを把握できるのもありがたい。
まだ4年落ちの車で年式も新しいし、中古店でも問題個所は1つもない極上車だと説明は受けているが、セールストークの可能性もあるので油断はできない。
実際に購入時に車検を通しているので現状は問題ないと思うが、チューニングも含めて今後のプランについても話を聞きたかった。
早速メールで点検の予約を入れ、その際に今までは国産のチューニングカーを乗り継いできたこと、今回BMWに初めて乗ること、中古車なので状態を点検で把握したいのと、今後の整備とチューニングのプランについて相談したいという旨を添えておいた。
すぐさま返信が届き、まずはBMWオーナーになられたことをうれしく思う事、今後素晴らしいBMWライフとなるよう全力でサポートさせてもらうという事、来店を歓迎することが書かれていた。
どうやらファーストコンタクトは成功したようだ。
ホームページで店構えを見ると随分とオープンな雰囲気だ。
職人気質の親方の店にありがちな暗くて雑然としている雰囲気は全くない。
訪店する日が楽しみになった。
さて、予約当日。
私はいつものように開店と同時にお店に訪れた。
お客さんはまだいなかったので、私が一番乗りの様だ。
すると店員がサッと出迎えてくれたが、Tシャツにハーフパンツといういで立ちである。
随分とカジュアルというかラフな格好だ。
名札をみると店長とある。
もう一人の店員もTシャツにジーパンという格好なので、親しみやすさであったり、気難しくないというアピールでもあるのだろう。
後から来たお客さんも似たようなもの。
お互いにフランクであり、BMWだからといって肩肘張る必要はないのだろう。
行きの高速を走りながら、もう少しフォーマルな格好をしてくるべきだったか?と一瞬後悔したが、杞憂だったようだ。
奥様同伴の方も多く、堅苦しい雰囲気はない良いお店だ。
店員とお客さんの会話も実にフランクである。
「今度○○から△△というパーツが出たんですけど、これがすげえいいんですよ。今在庫があってすぐ作業できますけど、どうです?」
「いいねえ、じゃあちょっとお願いできる?」
なんて具合に和気あいあいと会話が繰り広げられる。
ただし、その話をよく聞いてると、値段が30万円だったり、40万円だったりするので油断はできない。
30万円のパーツを「ちょっとつけてく?」なんて勧めて、「じゃあ、お願い」なんてホイホイと商談が成立してしまうあたり、怖い世界である。
もしかすると、フランクな格好は親しみやすさアピールではなく、BMWなんて高級車でも何でもないと思っているようなお金持ちが客層なのかもしれない。
または、こんな感じの雰囲気で高いパーツを押し付けられ、なし崩し的に購入させる手口か・・・。
やはり踏み込む世界を誤ったか?と冷や汗をかきつつも、雰囲気にのまれたら負けだと平然を装いながらコーヒーをすすっていた。
Posted at 2022/02/12 14:30:37 | |
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E87 | クルマ
2022年02月02日
1年間フルノーマルのままじっくり乗り込もう。
そんな風に考えていた時期が私にもありました。
なんかカッコイイようなことを言っていましたが、2つの意味で破りました。
まず1つは外見の部分。
まず、タイヤ・ホイールの交換を速攻でした。
理由は3つあって、まず、純正ホイールがそんなにかっこよくなかったこと。
次に純正に使われているランフラットタイヤの評判があまりよくなかったこと。
そして、よさそうなホイールがヤフオクでたまたま出品されていたこと。
これらの理由で車の購入後1月もしない内にタイヤとホイールは交換になりました。
純正ホイールはスタットレス用になってもらおう。
新しく購入したホイールは、2世代前の純正オプションの最高級ホイール、クロススポークコンポジットⅡ。
もともとはBBSのメッシュホイールを中古で探していたのだが、見た目がそれっぽく、かっこよかったうえに、サイズもオフセットを含めてばっちりだったため、即購入した。
サイズの需要の主流は現在18インチや19インチに移っており、17インチはあまり人気がなかったのか、18インチの同ホイールの半額以下で購入することができた。
また、ついていたタイヤがミシュランプライマシーHPとハイグリップタイヤではなかったが、高級タイヤがついていたのでそのまま使用することにした。
山もそれなりにあったので数年は使えそうである。
また、ホイール実物を見てみるとBBSの刻印がされており、BBS製であるというのも当初の目的に合致したものだった。
純正ホイールの使用となればまさにunderstatementであり、それでかっこよく、高性能であるならばそれ以上はない。
重さは激軽というわけではないが、私はホイールの重さにはそれほど執着していない。
むしろホイールの重さは乗り心地やフィーリングの落ち着きと言う点では大事なファクターであり、純正ホイールにはならではの良さがあると思っている。
ネットでのE87のカスタマイズを見てみると、やはり18インチが主流のようだったが、私は17インチにこだわった。
タイヤやホイールは18インチ以上になると途端に高くなる傾向があり、単純に安いと言うのが1つ。
あと、このクラスの実際の走りの性能としては扁平率45あたりが乗り心地も含めて一番バランスが良いと思っている。
もっとハイパワーならば扁平率40とかでもよいが、コンパクトカーには過剰かと思う。
また、E87は16インチのホイールがベーシックであり、スポーツグレードのMスポーツに17インチが採用されている。
当然ブレーキは16インチに収まるようなサイズとなっており、18インチまで上げてしまうとローターとホイールの隙間がスッカスカで実に貧弱に見えてしまう。
世間では結構大径ホイールを装着する方も多いのだが、この隙間ってあんまり気にならないのだろうか。
見た目の問題だが、私はかなり気にするので、インチアップする場合でも1インチアップ程度に収めるのが常である。
E87の17インチでの純正サイズは前205/50R17、後225/45R17であるが、今回のホイール交換にて前後とも225/45R17とすることにした。
3ヶ月ほどたった時点でエアロパーツを追加した。
このE87、私はそれほど変に思わないのだが、世間的にはかなり酷評されたデザインとなっている。
とある自動車評論家のコメントではデザインとして破綻しているとまで書かれてしまっている。
確かに妙に腰高に見えてしまったり、ライト、グリル周りが結構ゴツイのに、その他がみょうにつるんとしているのでボリューム的にバランスが悪いようにも見える。
腰高感はいかんともしがたいが、デザインのアンバランスさは、その他の部分をエアロでちょいとボリューム感を出してやれば解消されそうである。
これらの見た目の問題に関しては走行性能に関係ないので、1年と乗り込まなくてもやってしまって構わないだろう。
リップスポイラーとルーフスポイラーをつけることで全体のバランスをとることにした。
候補としては3DDesignとACシュニッツァー。
両方とも純正エアロだよと負われればそうなんだと納得してしまいそうになるほどunderstatementである。
最終的には金額面とデザインの好み具合で3DDesignのエアロを取り付けることにした。
ホイールとエアロ。
外見的な部分を変えたのでフルノーマルとはいかなくなったが、走りの部分はノーマルなのでその状態で乗り込もうと思っていた。
思っていたのだが・・・、半年で我慢ができなくなりました。
半年間で約5000km走り、色々不満点が噴出してきたのである。
まずやっぱり動きが重たい。
重厚感は高級感を生むと言う点では演出としてありだが、スポーツカーである以上もう少し軽快感が欲しい。
走る曲がる止まるは車の基本動作であるが、それのどれもをよいしょ、よいしょとやっているようなフィーリングである。
あと、良くも悪くも始終弱アンダーである。
これはこれで非常に安定していて乗りやすいのであるが、ローパワーな車なので、もう少しニュートラルな感じで頭の入りがよくてもよいと思う。
そして一番はサスペンションが気に入らない。
MスポーツにはMスポーツ専用サスペンションが与えられているが、低速ではゴツゴツ感があり、高速ではポヨンポヨン落ち着かない。
ギャップや荒れた路面では跳ねて追従性が悪い。
あくまで感じたことであるが、ダンパーをノーマルそのままでバネだけ固くした即興のサスペンションなのではないかと思う。
ノーマルダンパーにダウンサスの挙動によく似ている。
アタリが固いくせに、バネの伸びに負けておさまりが悪く、同時にストロークが十分に取れず跳ねて路面に追従しない。
エンジンの回転もあと一息といった感じ。
上まで回るようにはなってきたが、もっと突き抜けるような回転感が欲しい。。
最後に見た目の問題として車高をもう少し落としたい。
現在タイヤとフェンダーの隙間が指3本くらいであるが、1本~1本半くらいにしたい。
低すぎるのは好みではなく、フェンダーがタイヤに被ってしまうのはNGだ。
サスを変えるつもりなので程よく落ちるものを選択しようと思う。
とりあえずはこの辺りを解消しようと思い、チューニング情報を集めたが、外車のいじり方が全く分からない。
これまでにもそれなりにチューニングをしてきたが、まず国産車向けのパーツメーカーと輸入車向けのパーツメーカーは全く異なることを知った。
またショップに関しても輸入車をいじれるショップは限られており、一度BMWに精通しているプロショップでじっくり話を聞いてみる必要があると感じた。
そこで県内もしくは近隣の県でBMWに精通したチューニングショップを探した。
ネットで検索するとstudieというショップをすぐに見つけることができた。
全国に支店を構えており、地元から一番近いところは仙台店のようだ。
studieとはどのようなショップなのかを調べていくとGT300に参戦しているらしい。
私はスーパーGTを昔からよく見ており、特に自分たちの車と近いGT300を好んで見るが、その中に初音ミクの痛車Z4で参戦しているチームがあった。
当時はチームまでは気にしていなかったが、レースに痛車というインパクトで印象は強く残っている。
この初音ミクZ4を走らせているチームこそstudieであった。
現在は痛車ではくなっているが、BMW JAPANの公式の協力の基にチームを結成しており、BMWのセミワークスとして参戦している状況である。
これほどの活動をしているのであればBMWへの精通はもちろんチューニングノウハウも十分に期待できると思い、仙台はちと遠いが足を運ぶことにした。
Posted at 2022/02/02 23:04:27 | |
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E87 | クルマ
2022年02月02日
120iの納車日ということで、私は神奈川県にあるBMW・ベンツ専門店を訪れた。
お店の提案では自宅への納車まで含めて、全部やってもらえるという話であったが、複数の県を跨ぐと陸送費が馬鹿にならない。
今回の車は車検なしなので、県外での登録となると他府県登録費用なんてものもかかってくる。
車を陸送して、私の住所の管轄運輸支局で車両登録しその後納車という流れになるが、その他手続きも含めると追加で20万円ほどかかってしまうとのことなので、こちらでできることは全てこちらでやってしまうと進言した。
20万円あればタイヤ・ホイールなり、足回りなり、吸排気系なりの変更が可能である。
ここはチューニング費の捻出のためにも、店舗には納車整備と車検だけお願いした。
実際に各種手続きも一度やってみればなんてことないものが多く、自分で簡単にできるものばかりである。
県外で車検なしの中古車を購入する際には、一旦店舗の管轄運輸支局で車検を通して車両登録をしてもらい、その車に乗って帰り、自分で地元の運輸支局にいって名義変更をするという流れをとればぐっと費用を抑えることができる。
車検つきの県外ナンバープレートがある車両を購入した場合も同様に、自分で名義変更すれば安上がりだ。
申請に必要な各種書類の用紙はネットからダウンロードもできるし、販売店舗に用紙は完備されているので言えば用意してくれる。
代金はすでに現金一括で支払済みなので、特に店舗ですることもなく、コーヒーを一杯ごちそうになって店舗を後にした。
陸送ではなく自分で乗って帰れば早速ロングドライブを楽しむことができる。
試乗時以来あらためてこの120iに乗ると、改めてかなりしっかりしている印象だ。
この車両が2010年式2万km(当時で4年落ち)。
レンタカーの車両が2006年式で7万3000km だったので、レンタカーの車両と比較するとヘタリなどはないようだ。
第一印象としてはしっかりしていると言えば聞こえはよいが、やっぱり重たい。
エンジンも吹け上がりが悪く、踏み込んでも中々回転数があがっていかない。
ただ、スポーツモードにすればレッドゾーンまで回るので、エンジンそのもののトラブルではなく、ATの変速制御によるものだろう。
車検証ケースには前のオーナーの整備記録が入っており、名前を見ると女性オーナーである。
ほとんど踏み込むことなく乗っていたと思われ、CPUもそのような変速に最適化して学習しているものと思われる。
私が改めて再教育をしてやればしっかり回ってくれるようになっていくだろう。
開店と同時に訪店したので、まだ午前中。
時間には余裕があり、店舗が鎌倉と近かったので鎌倉観光へとしゃれこんだ。
休日の観光地なので人ごみも多かったが、コンパクトカーならではの取り回しで狭い道も苦なく入っていける。
強化クラッチの入っていたMR-Sでは狭い道や人ごみの中はできれば遠慮したいところであったが、ATって楽チンである。
ただステアリングはどっしりとしている。
ドイツ車はステアが重たい傾向にあるが、このE87は油圧ではなく電動パワステである。
ただ、これでも後期型は軽くなったようで、初期型は重すぎるとクレームが多かったらしい。
私は家のベンツで重いステアには慣れているが、初めて乗る人だとビックリするんじゃないだろうか。
駐車時など、ステアを多く切るような場面でも、国産車のように片手でクルクル~なんてわけにはいかない。
ただ最近のベンツ(204以降)は国産車並みにステアが軽くなった。
日本仕様なのかは知らないが、私としてはある程度どっしりしていた方が好みである。
鎌倉を堪能しつつ、普段使いの実用性のチェックもできた。
さて、鎌倉から地元までおよそ270km。
高速を流しながらこれからどのように車を仕上げていこうかを考えた。
大人のスポーツカー、そのコンセプトは「sports」「cool」「understatement」。
まず第一に、なによりもスポーツカーであること、これが全ての前提である。
スポーツカーの情熱は持ち続けたい。
だけど、暑苦しくないのが今回の大きなポイント。
そこで「cool」。
coolは冷たい、涼しいという意味もあるが、かっこいい、素敵な、おしゃれなという意味合いで使うことも多い。
暑苦しすぎず、落ち着きすぎない「かっこいい」、それが「cool」である。
understatementはひかえめという意味合いであるが、ニュアンス的にはやりすぎないである。
ではやり過ぎないとはどういうことか。
スポーツカーを仕立てる際にはよく記号を使う。
専用エアロに大型のリアウイング、チューンされた専用エンジン、ブレンボのブレーキ、レカロのシート、モモのステアリング、ビルシュタインのダンパー、ゲトラグのミッション、BBSのホイール。
これらは国産スポーツカーの黄金時代とも言うべき90年代のスポーツカーを形作った典型的な記号である。
これらを純正で装着することによって各社メーカーはその車がスポーツカーであることを知らしめた。
なかでも視覚による効果は大きい。
レカロやブレンボなんて言葉を聞いた時、わかる人は飛びつくが、一般人は何それ?おいしいの?と言った具合であろう。
一方フェラーリを見た時、それが車をよく知らない一般人であってもこの車は凄そうだ、他とは違う特別な車だと思うだろう。
カローラと見比べて、違いがわからないなんて人はいないはずだ。
上記の記号の中でも専用エアロを装着するケースは多く、一目で他の車やグレードとは違いますよとアピールしている。
同様に装着率が高いのがブレンボのブレーキ、レカロのシート、モモのステアリングだ。
純正のホイールも実はBBS製でしたなんてことも珍しくない。
これらは性能向上の意味合いも大きいが、目につきやすい部分に配置されているため視覚効果を狙ったものが多い。
ダンパーやミッションなんかだと基本目に見えない部分なので、メーカーも装着率が高くないように思う。
逆に見ればゲトラグの6速ミッションなんてものが入っていたら、この車は本当に性能を追求して設計された車だという裏返しでもある。
話を戻すが、視覚による効果は絶大で、GTウイングやワイドエアロなどの派手なエアロパーツは普通の乗用車ではありえず、一目瞭然でその車をスポーツカーであると認識させる。
ただこれではcoolではない。
羊の皮をかぶった狼と言う言葉がわかりやすいだろうか。
以前の私ならばその魅力がこれっぽっちも理解できなかった。
せっかくスポーツカーであるならばそれらしい姿をしているべきであり、ファミリーセダンが速いことの何が良いのかと。
機能美と言う言葉があり、「Form ever Follows Function(形態は常に機能に従う)」とアメリカ人の有名な建築家ルイス・サリヴァンが語った。
私はこの言葉が好きで、私の審美眼の基本となっている。
速いという機能があるのに、速くない(機能がない)形態をすることは私にとって美しくなかった。
ただ、実際車のデザインを見ていると、記号による意識づけのために、過剰なデザインが多い。
MR-SにワイドエアロとGTウイングをつけてGTカー風にしていた私が言うのもなんだが、特にエアロパーツに関しては本当に意味のあるエアロなのかは疑わしい。
そうなるともっとひかえめの方が、本来の機能美なのではないかと思うようになってきた。
実際に性能面だけで見ればフルノーマルで十分なのかもしれない。
ただ、羊では満足できない。
それが40歳を目前に控えた男の心境である。
羊ではひかえめ(やりすぎない)ではなく、やらないである。
上記のような記号をうまくとり入れつつ、かといってあからさまにはしない。
シェパードの皮を被った狼ぐらいを目指したい。(伝わるか?このニュアンス)
やりすぎずにスポーツカーであることを滲ませるかっこよさ、coolを演出するもの、それが「understatement」である。
まずは1年間フルノーマルのままじっくり乗り込もう。
いじる前にこの車がどんな車なのかをよく知らなければならない。
その上で不満な部分をチューニングしていく。
レンタカーも含めてそれなりに試乗をしたが、個体差というのもあるし、実際に自分の車として乗りこまないと見えてこない部分も多い。
現段階では乗っていてあまりスポーツカーというフィーリングがしないが、この車がどんな姿へ変わってくれるのか、実に楽しみである。
Posted at 2022/02/02 21:35:49 | |
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E87 | クルマ
2021年12月27日
高速道路を走行している時から思っていたことであるが、この個体のエンジンは実によく回ってくれた。
私が購入予定だった個体の試乗ではスポーツモードに切り替えさえすればよく回ってくれると言う印象だったが、この個体はノーマルモードでもよく回ってくれている。
もちろんスポーツモードと同等というわけではないが、ノーマルモードでもリミットまできっちり回ってくれた。これはエンジンの個体差というより、コンピューターのAT制御の部分の問題であろう。
恐らく購入予定の車は最近あまり動かしていないことが考えられる。
また、前オーナーがあまり回さずに乗っている方であるならば、AT制御はそのように最適化される。
レンタカーの方が頻繁に乗られていること、私が高速道路で散々高回転域を利用して走行したことが影響しているのではないか。
エンジンに関しては、今回の方が圧倒的に好印象である。
特に発生させるパワーがストリートでは絶妙で、ワンディングでもマニュアルモードで走行すれば、ほとんど全開に近いドライビングを楽しめた。
また、ハンドリングも相変わらず良好であり、エンジンパワーとハンドリングのバランスが見事で、強いアンダーステアを感じることなく、くいくいとノーズが入っていく。
旋回Gやロールも不快なレベルでは感じることなく、ノーズが入ればそのまま向きを変え、旋回Gをボディがガッチリと受け止めつつ、アクセルを開けて曲がり切る。
MR-Sでこの速度でアクセルを開けてコーナーの脱出となれば、LSDがなければ内輪が空転を始め、外輪への動力伝達が止まるはずである。
120iにLSDが標準装備されているという話はないはずなので、ノーマルデフなはずだが、内輪が空転することなく4輪がきちんと路面に設置し、トラクションを確保できている。
FF、FRの違いはあれど、EK9をコンパクトカーの基準としている私としては、コンパクトカーでこんなにもしっかりとした走りが可能なのかと少し感動するレベルである。
ただし、EK9とE87では13年もの年月の差があり、形こそ同じコンパクトハッチであるが、その大きさは一回り以上E87が大きい。
車格がそもそもちがうので、スタビリティを同様に語ることはできないが、どちらが安定して走れるかと言えばE87の圧勝である。
そして安定して走れるという事はその分踏めるということであり、最終的にどちらが速く走れるかと言う点にしても実際にE87の方が速度を出せている。
いやいや、不安定だから踏めないというのはお前の腕がないだけだからと思ったそこのあなた、大正解です。
ただ、目を三角にしてハンドルを握り締め、冷や汗をかきながら、という走り方はもう止めにしたいというのが今回の出発点だったので、E87は私の思った通りの性能を有している車ということである。
足回りも公道を多少飛ばす程度であるならば十分な性能を備えている。
Mスポーツには専用サスペンションが与えられており、ノーマル車よりも引き締め挙げられている。
しかし、かといってゴツゴツ感はない。
路面をしっかりと追従し、これならば足回りを交換する必要はないか?いや、多少は車高も落としたいしな…などと考えていた。
そこでふと思った。
130iってどうだったかなと。
思い返してみると、130iはエンジンがいいなぁばかりに目を取られていて、運転そのものの印象が薄いことに気が付いた。
120iはエンジンのフィーリングはもちろんだが、ハンドリング、コーナーリング、ブレーキングとそのいたるところで良い印象を抱いている。
果たしてドライビングそのものを楽しめているのはどちらかと考えれば120iと言わざるを得ない。
120iのパワーとその車体とのバランスは実に絶妙で、公道で走る以上はパワーに不足も感じることはないし、同時に踏み切ることもできる痛快さも持ち合わせており、そしてドライビングそのものを楽しませてくれる仕上がりであることを感じさせた。
これほどアドレナリンを出さずに車の運転を楽しいと思わせてくれたのはもしかすると初めてなのではないだろうか。
今まで私にとって楽しい運転とはアドレナリンの噴出とイコールだったかもしれない。
さて、ここで私の車選びは再びスタートラインに戻された。
120iと130i、それぞれに私の求めるスポーツカー像があった。
ドライビングプレジャーかエモーショナルなエンジンか。
この選択は非常に難しかった。
何しろこの2つの長所はまさにBMWを象徴するポイントである。
ながらくBMWのキャッチコピーであった走り抜ける喜び。
これを体現しているのは120iであると感じている。
同時にシルキーシックスと謳われたBMW伝家の宝刀とも言える直6NAエンジン。
これは当然130iのみが成しえる利点。
以前にも書いたが、私にとっていいエンジンとはいいスポーツカーとして外せない条件である。
どちらを選ぶのが果たして正解なのか、私には自分のなかで完璧に納得できる理由を探すことはできなかった。
そんなこんなで私はどちらにするかを決めることができず、ズルズルと1ヶ月近くにわたり悩み続けることになった。
走り抜ける喜びか、シルキーシックスか。
この視点で判断しようとしても、そんな答えはでるはずもない。
そこで、より1シリーズらしいのはどちらかという視点で判断することにした。
そこで設計上、1シリーズのボディは本来どのエンジンに合わせた設計なのかを考えると、120iであろうという結論に至った。
エンジンパワーと車体のバランス、BMWの掲げる前後重量比50:50により近いのはどちらかを考えると、120iとなる。
ちなみに120iの前後重量は前710kg後700kgでほぼ50:50となる。
130iは前760kg、後700kgで52:48とフロントヘビーとまでは言わないが、やや前が重い。
新しいスポーツカーであるトヨタ86の重量比が53:47なので、問題になるほどフロントヘビーなわけではない。
ただBMWの考えるハンドリングをより実現しているのはどちらかとなると120iと考える。
そもそもドライビングプレジャーとエンジンのどちらを取ると言う選択肢自体が間違っていると思うのである。
エンジンのよさとはハンドリングと並んでドライビングプレジャーに寄与する項目なはずである。
エンジンばかりがクローズアップされ、ドライビングプレジャーが霞んでしまうのであれば、それは車体に対してエンジンが勝ちすぎていることに他ならない。
RB26はパワーと官能性を備えたはすばらしいエンジンだが、EK9に載せようとは思わない(そもそも載らんけど)。
EK9にはB16Bというエンジンが最高のバランスなのである(でもK20Aなら載せてみたいかも)。
E87のボディ、シャシーはN52を載せることを想定して設計されてはいるものの、最適なのはN43を積んだ場合であり、120iが最もバランスが良いと感じた。
それはエンジンパワーだけの問題ではない。
私がエンジンや駆動系に求めるものは、車重とそれに対するエンジンパワー、そしてそれを走るステージごとに引き出す適切なギア比である。
エンジン単体がどれほど良くても車重に対して少なすぎても多すぎてもよくなく、その適切なパワーを走るステージにとって最適に引き出すギア比がなくてはドライビングプレジャーは成し得ない。
今回この1シリーズをサーキットメインの車に考えたら文句なく130iである。
120iでは明らかにパワー不足であるし、上のギアはハイギアードすぎてつながりが悪い。
しかし、今回はストリートをいかに気持ちよく走るかである。
120iの長所であり、同時に短所でもあるが、あらゆる部分がストリートでの使用に最適化されていることをしみじみと感じる。
車重、出力、ギア比、剛性、ブレーキ、足回り、ホンダのCMではないが、最高にちょうどいいのである。
とは言え、車重があと100kg軽くなって、パワーも200psくらいあれば、なおのことちょうどいいようにも思えるが、あとちょっと…位のところが結局ちょうどいいのかもしれない(哲学)。
そうして私は結局120iを購入することに決めた。
とは言え、頭ではそのような理屈付けをいくらしても、N52エンジンへの思いが消えるわけではない。
それくらいあのエンジンが載った車に乗りたいと思った。
ただ2つを同時に得ることができなかった。
それだけのことである。
Posted at 2021/12/27 20:48:02 | |
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E87 | クルマ
2021年12月13日
さて、アクセルを全開にすると、スピードメーターはあっという間に150km/hを超えて、なお速度は上がり続ける。
この速度域に達してもボディはびくともせず、本当に安定している。
4輪の接地感は何も問題はなく、速度感もそれほど感じない。
EK9であれば、140km/hあたりからジャダーが出始め、150km/hとなるとボディがギシギシと言い始める。
160km/hを超えると、この車バラバラにならないか?大丈夫か?と言うくらいの振動となり、速度感も強烈で、ハンドルをしっかり握っていないと吹っ飛んでいきかねないと言う印象である。
サーキットなんかではこの様な感覚はあまりないのだが、実際にサーキットでも速度域が150km/hになることは稀で、長いストレートエンドに一瞬到達するかどうかである。
この速度域を維持して走るなんてシチュエーションはなく、ボディの軋みや振動にしてもサーキット走行中はあまり気にならない。
しかし、高速道路はあくまで巡航であり、そこには快適性が求められる。
EK9で150km/h巡航は可能であると思うが、快適性を考えたら全くする気が起こらない。
それに対してE87の高速安定性は桁違いである。
150km/hを超えて、160km/h、170km/hとなっても本当に何事も起こらない。
ああ、この車は本当に200km/hで巡航ができるんだと思ったその時、180km/hに達したあたりから、細かいジャダーが出始めた。
おや?と思いながらもそのままアクセルを開け続ける。
初めは小刻みなものであったが、200km/hに到達すると、はっきりとした振動として認識できる。
それもボディが軋むようなことはないが、不快と言えば不快な振動である。
そのまま踏み続けると220km/hで速度は頭打ちとなった。
後々調べてみると、最高速度は公式のリリースで224km/hとのことだったので、公式通りのスペックであると言える。
ただ快適性という事を考えると、この車の巡航速度は160km/hあたりまでとしておいた方が無難かと思う。
一応200km/hの巡航もできなくはないが、必ずしも心地よくはないというのが結論である。
実際に試したことはないが、DC5インテRが最高速度220km/hと公表されていた。
DC5が220ps、1190kgなのに対して、E87は170ps、1410kgと数字上は話にならないように思えるが、このスペックで実際に220km/hで走れたのは立派だと思う。
これまた国産車との比較になるが、ボディ、シャシーの差もあるがこの速度域で効いてくるのは空力である。
国産車と比べて一見なにかエアロパーツがついているわけではない。
大事なのは下回りである。
国産車でも最近は下回りのフラット化が進められてきているが、ドイツ車はこの下回りのフラット化が少なくても80年代から進められている。
E87においても排気管以外はアンダーカバーに覆われており、前後のタイヤには空気の流れを整えるストレーキが取り付けられている。
アンダーカバーもただのフラットなカバーではなく、複雑にラインが入っており、整流効果を向上させている。
この辺りが数字上のスペックからは見えてこない性能を引き出しているのではないかと思う。
どうせなのでブレーキングも試してみようと思う。
レンタカーのタイヤには申し訳ないが、160km/hからのフルブレーキングを敢行した。
もちろん停止するまでブレーキングするわけではない。
あくまでスピードコントロールのためのものであり、100km/hを割るくらいまで速度をダウンさせる。
ドイツ車のブレーキの良さはベンツで散々味わってきたが、BMWも劣ってはいない。
ブレーキペダルを踏み抜くと車は暴れることなく、ググっと下に押し付けられるような感覚で減速する。
これはブレーキのストッピングパワーに対してシャシー、ボディの性能が完全に勝っているためである。
これがブレーキが勝ってしまうと前につんのめる感覚になる。
この様な場合、足回りはバタつき、それを抑え込むステア操作を強いられる。
私は基本国産車派ではあるが、国産車がドイツ車に遠く及ばないと感じるのがこのブレーキ性能とシートの作りである。
ブレーキ性能とは、いかに止まれるかのストッピング性能だけではない。
安定して減速し、そしていかに次の加速に繋げられるか、そして耐フェード性能も重要である。
ストッピングパワーはパッドを変えるなりローターを変えるなり、最終的にはキャリパーを変えるなりすればいくらでも得られることができる。
しかし、ここに安定性を加味すると、そのストッピングパワーに負けないシャシー、ボディが必要になり、この改善は容易ではない。
限界まで引っ張ったフルブレーキングでもそこで姿勢を乱してしまえば、結局タイムにはつながらない。
日常的に高速走行をするということは、それだけ高速域からのブレーキングが日常的に行われるという事である。
そういう設計思想の基で作られた車は高速域でブレーキをかけるとはどういうことかという事を、本気で考えている。
それもその高速走行をするドライバーはレーシングドライバーではなく一般人である。
そのようなシチュエーションは国産車の基本設計には入っていない。
また、E87のMスポーツ専用バンパーにはエアダクトが設けられており、これがそのままタイヤハウスと繋がっていて、ブレーキに直接風があたる設計となっている。
国産車でも一部のスポーツカーはそうなっているが、この1シリーズはそのような扱いの車ではなく、一般車である。
その様な車にすら熱対策、フェード対策が施されている。
国産車だとスポ―ツカーですら、そのダクトはイミテーションで、実際には塞がっていることも珍しくない。
ここら辺からも意識の違いを感じ取れると思うのである。
シートに関しては変えてしまえばよいのでさしたる問題とはならず、ここでは割愛する。
そんなこんなを考えながら、無事スカイラインへと到着したのであった。
Posted at 2021/12/13 13:33:19 | |
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E87 | 日記