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2021年10月08日 イイね!

E86Z4はスポーツカーか?

自己紹介ブログに変えて・・・

Z4はスポーツカーか?という議論がある。
人によってはZ4はスポーツカーだと言う人もいるし、いや、Z4はスポーツカーとは言えないと言う人もいる。
ここでは私の車歴を踏まえながら、私にとってのスポーツカー観という話をしたい。

まず、スポーツカーとは何かという定義が必要だ。
wikipediaによれば実用として移動手段や物を輸送することよりも「スポーツドライビングを楽しむ」ことに重点を置いて設計・開発された自動車のこととある。
これを是とするのであれば、大枠的にはスポーツドライビングを楽しむことを第一として設計開発された車ということになる。
この考え方には賛同したい。
パワーがどれくらいなければならないとか、サーキットを○○秒で走れなければならないということではない。
非力なライトウエイトスポーツからヘビー級なハイパワースポーツまで運転を楽しめる車がスポーツカーである。
動力性能はそれを付与するためのものにすぎないが、ドライビングを楽しむためにはそれなりの動力性能が欲しいのも事実だ。

私は長くEK9のシビックタイプRに乗っていた。
EK9はFFであるが当時テンロク最強のスポーツカーと言われた。
同じEK型だと、EK4シビックSiRもスポーツカーと言って文句はでまい。
EK3はどうか?130psのvtiくらいならばスポーツカーとして認められるかもしれないが、105psのRiや1.3リッターのEK2となるとスポーツカーと見なす人は多くはないだろう。
EK9からEK2に至るまで基本構造は同じであり、違いは基本的には搭載されるエンジンである(EK4、EK9はリアがディスクブレーキという差はある)。
そのためEK3などではEK9の多くの部品が流用できる。
EK4のB16A、EK9のB16Bはリッター100馬力を達成した乗用車のそれとは一線を画すエンジンであり、それを搭載されたからこそスポーツカーと見なされた部分は大いにある。
スポーツカーにとってどのようなエンジンが搭載されているかは大きな問題であり、これだけで車のキャラクターが決まってしまうことさえある。
逆に言えば名車といわれたスポーツカーには必ず名機と言われたエンジンが搭載されている。
テンロク最強と言われるB16Bや量産市販車で9000回転を実現したF20C、国産最強とされたRB26DETTに2JZ-GTE、ライバルとの凌ぎあいがそのまま業界の盛り上がりとなった4G63とEJ20、たった1.3リッターで280馬力を達成し、存在そのものが唯一無二であった13B。
これらは全て日本の名スポーツカーに搭載されたエンジンである。

逆の存在としてMRというスポーツカーとしてうってつけのレイアウトを与えられ、高いシャシー性能を誇りながら、エンジンがカローラと共用であったために評価を得られなかったのがMR-Sである。
MR-Sは私のEK9の次の愛車であるが、エンジン乗せ換えを前提に購入したため、オリジナルのエンジンで走ったのは1ヶ月ほどだった。
MRとしては挙動が穏やかで、ピーキーの代名詞とも言われた先代MR2のネガな部分を消して楽しめる車にしようというトヨタの思いが伝わってくるようでもあった。
旋回性能は極めて高い、圧倒的に軽いフロントを活かして、ノーズがクイクイ入っていく。
ローパワーを活かしてストリートでの全開率が高いドライビングができる。
しかし、盛り上がりに欠ける。
エンジンにパワーがないのは承知の上だが、パワー曲線、トルク曲線が乗用車用なので、パワーの出方に高揚感がないのが致命的だった。
MR-Sは全長が3900mmを切るショートサイズでありながらオーバーハングを切り詰め、ホイールベースが2450mmと長く、横幅が5ナンバーいっぱいの1695mmとかなりスタビリティに振った寸法である。
この寸法がMR-Sの高いシャシー性能をもたらしている。
シャシー性能が高い分エンジンがしょぼいのが浮き彫りとなり、あまりにも勿体ないと感じる。
これがMR-Sが評価されなかった理由であろう。
運転したときに「もっとパワーがあればなぁ」と楽しさよりも、もったいなさ、残念さが前面に立ってしまうのである。
はるばる兵庫県まで車を持ち込み、エンジンとミッション周りをDC5のものに換装してもらった。
工賃込で150万くらいかかったが、車両価格が中古で100万くらいだったので合わせて250万ほど。
ハイパワー、ハイレスポンス、高性能シャシーを併せ持ったMRスポーツカーが250万で手に入るとなればむしろ安いのではないかと思っている。
私はこれにワイドエアロを組み合わせ、ミニスーパーカーのような仕様にして乗っていた。
オリジナルのMR-Sの前後重量バランスは40:60とかなりリアヘビーなのだが、エンジンに加えてミッション周りも移植し、さらにはウエイト調整をしているので、前後バランスは大きく改善されており、エアロ込で47:53にまで改善されている。
その走りは痛快そのもので、K20Aのハイバワー、ハイレスポンスをMR-Sのシャシーは見事吸収してみせ、でもほんの少しの危うさを時々みせるスポーツカーとして面白いパワーバランスとなった。
またホンダのシフトフィールが見事であった。
MR-SのMTはスコスコ入りがいいものの、剛性感のないフィールであった。
これを軽快ととるかどうかは人によるが、DC5タイプR用のシフトはショートでカチッと節度がありながらスームズなフィーリングで絶品だった。
ただし、寒い日はオイルが温まるまで渋くもあった。
エンジンを入れ替えるだけでこんなに印象が異なるのであれば、せめてカローラの1zzではなく、セリカに搭載された2zzにすれば評価は大きく変わったのではないか。

話をZ4に戻したい。
Z4の購入にあたり、試乗して初めに思ったことは実に穏やかな車だということ。
まずボディが今までの日本車とは比較にならないほどガッチリしており、安心感が凄かった。
それに加えてエンジンの吹け上がりのスムーズさ。
私の初めての車はR32GT-Rで、ご存じRB26を積んだ車である。
32のRB26は3000回転くらいまでは結構パワーが細く、4000回転を超えたあたりから急激にパワーが出始め、それが7000回転付近まで続く。
そのフィーリングはまさに野獣の咆哮であり、パワーの出方も相まってすごい迫力だった。
同じ直6だったが、Z4のN52はシルキーシックスと言われるスムーズさで、RB26とは全く異なるフィーリングでNAとターボの違いはあるが、ともにそれなりの排気量のエンジンでこうも違うものかと感心したくらいだった。
私が買った32Rは9万kmだったが、タイヤ、ホイール、吸排気がすでチューニングされている個体でそれもあって色々勇ましかった。
ただ免許取り立てで、別に腕があるわけでもなかった私は、ストリートではそのパワーを持て余した。
日本のワインディングではコーナーからコーナーまでが短く、そのパワーも相まってロクにアクセルを開けられない悶々としたドライビングを強いられた。
当時の私はゆっくりペースでは車を楽しむことができず、32Rの良さを引き出すことはできなかった。
メンテナンスが嵩んできたこともあり、1年とたたずに32Rを手放し、EK9に乗り換えた。
そんなことを思い出しながらZ4を試乗していたが、エンジンフィールも車の挙動もあまりに穏やかなので、これではセダンと大して変わらないと購入をどうしようか躊躇しつつあった時、前の車が捌けた。
少しアクセルを開けてちょっと勢いよくコーナーに飛び込む。
するとコーナーリングの回頭性が高いことに気が付く。
MR-Sのようなクイックな動きではない。
挙動はあくまで穏やかだが、スッと頭がインを向き、ノーズが入る。
これは私がスポーツカーに求める挙動である。
同じハイパフォーマンスの車にGTカーがある。
GTカーとスポーツカーは境界線があいまいな部分があり、どちらがスポーツでどちらがGTかは人によって意見が分かれる。
私にとってスポーツカーとGTカーの違いは、前に荷重をかけてハンドルを切り、アクセルを開ける。
その時にプッシングアンダーがでるのがGTカーで、フロントがインを向き、リアが出るのがスポーツカーである。
日本車で例えるのなら、GT-RやスープラはGTカーで、RX-7やS2000はスポーツカーである。
アクセルオンでアンダーは車の安定性を狙った仕様であり、同じBMWでも3シリーズはこちらの挙動を示す。
それがZ4では後者の挙動を示したのである。それも穏やかに。
RX-7にしろS2000にしろ、車の挙動はピーキーで、旋回性とスタビリティは相反する性能で両立は難しい。
そもそもBMWはアウトバーンで200㎞/hの高速巡航するための車であり、根っからのGTカーメーカーである。
その中でZ4は異質な存在であり、特別を意味するZを冠している理由である。
挙動が穏やかだからと言ってコーナーリング速度が遅いわけではない。
むしろ挙動が穏やかなのでドライビングに余裕があり、安心して踏んで行ける。
MR-Sでは冷や汗をかきながら目を三角にして走っていたところを、涼しい顔で走り抜けることができる。
そしてそれを私は心地よいと感じた。
初めて32Rを買ってから20年。
私もおっさんジェントルマンになったということだろう。
そしてその余裕の走りに、スムーズに吹け上がる直6NA。
ホンダのタイプRのエンジンに乗って以降、私はNA信者である。
Z4のN52は本当にストリートでの運用をよく考えられている。
回せば回すだけ出てくるパワーの出方に、全域においてトルクフルでどこからでも加速できる扱いやすさ、そしてストリートで使い切れるちょうどよいパワー。
決してサーキットでコンマ何秒を削る走り方ではない。
ストリートをいかに気持ちよく走り抜けることができるか。
”Freude am Fahren“
まさに走り抜ける喜びを体現した車だと言える。
ジェントルマンにはジェントルマンにふさわしいスポーツカーを。

Posted at 2021/10/08 21:45:11 | コメント(0) | トラックバック(0) | クルマ
2021年10月03日 イイね!

唯一無二の存在

唯一無二の存在駆け抜ける喜び。
BMWのそれを体現するのはエンジンとハンドリングによるものが大きい。
BMW伝統の直6エンジン。
その中でもBMW最後の直6NAがN52型エンジンであり、長い歴史の中で名声を得てきたBMW直6NAの集大成とも言える。
この珠玉のエンジンをどの車で味わおうかと考えた時、最もスポーティに味わえるのがこのZ4クーペである。
セダンをメインとするBMWの車づくりの中でZ4は異質な存在で、おなじN52を積む3シリーズとは明らかに車の挙動が異なる。
前に荷重をかけてハンドルを切り、アクセルを開ける。
その時にアンダー傾向にあるのが3シリーズで、車がインを向き、リヤが出るのがこのZ4。
私の中では前者の挙動を示すのがGTカーで、後者がスポーツカーだと思っている。
日本のスポーツカーはピーキーなのが多いが、そこはBMWなのでその挙動は穏やか。
滑り出す限界も掴みやすく、安心して踏んでいける。
旋回性能とスタビリティの両立は日本車ではなかなか難しい。
ロングノーズの2シーターなので、座席が車のほぼ中心に位置し、自分を中心に旋回するので高いコーナーリング性能を味わえる。
これは旋回の中心軸が自分の後ろにある4シーターとは全く異なる感覚。
また、座席のすぐ後ろに後輪があるので、後ろから押し出されるFRの加速の感覚を顕著に味わえる。
2シーターはFRの魅力を最大限に味わえるレイアウトだと思う。
またボディ剛性が非常に高い。
ドイツ車は総じて剛性が高いが、Z4はそもそもがオープンカーのE85であり、E85の時点で十分な剛性を持たせられている。
E86はその上で屋根があるのでボディ剛性はさらに上がっており、265psくらいではびくともしない。
お陰で怖さがなく、これも安心して踏んでいける要素。
後期型のモデルなので、前期型はわからないが、ATの出来が良い。
長年MTに乗って来たが、ストレスなく乗れるAT。
一昔前の変速もダルく、変速制御もなっていなかった頃のATとは大違い。
いざとなればマニュアルモードもあり、自分でギヤの選択もできる。
MTじゃなくても十分楽しめるモデルだと思う。

E85/86はBMW初の電動パワステだが、フィーリングが不自然。
低速域から中速域にかけて、変に重くしている感じがして、重さがわざとらしい。
ハンドルが重いというより後ろに引っ張られている感じで、じわっという操作がしにくい。
油圧パワステのフィーリングを自然とするなら、明らかに不自然さを感じる。
また、車の旋回性能そのものは高いが、動きが重い。
しっかりしていると言えば聞こえがいいが、軽快さはない。
スポーツカーらしい軽快な挙動にするにはそれなりに手を入れなければならない。
ロアコン、メンバーをフルピロでリジット化、これでシャキシャキのハンドリングに。
シートはクソ。
ベンツ、BMWは家族、親戚で散々乗って来たが、こんなにひどいドイツ車のシートは初めて。
サイドのサポートはゼロで、ランバーサポートは背中のアールに全然合っていない。
速攻でレカロに交換した。
しかし、着座位置が高く天井に頭がほぼついてしまい、天井に頭をぶつけながら走ることに。
また、レカロ純正レールは外側に数センチオフセットされるため、ハンドリングセンターがずれるのと、Aピラーが目に入ってくるように。
いつもならオフセットアダプターを噛ませて修正するが、アダプター分着座位置が上がってしまうため、今回は使えない。
結局ローポジションでオフセットも解消されるシートレールを特注した。
BMWの内装は基本質素だが、このZ4はひどい。
600万する高級車の自覚が足りない。
価格が近く、同じオープンのボクスターと比べると雲泥の差。
ダッシュボード、センターコンソール、ドア、レカロシートをロブソンレザーにて総張り替え。
プラス、一部のパーツを再塗装することで質感は一気に上がった。

総じてネガも多いが、スタイリングや基本性能で他に選択肢がない車。
ネガもチューニングで大体解消できる。
中古なら100万程度で購入できるので、後300万くらいかけてリフレッシュ及びチューニングすれば、400万の新車を買うよりずっと満足度の高い買い物ができる。
Posted at 2021/10/03 02:53:34 | コメント(0) | クルマレビュー

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「[整備] #1シリーズハッチバック O2センサー(ラムダセンサー)交換 https://minkara.carview.co.jp/userid/3396898/car/3181238/7304341/note.aspx
何シテル?   04/12 19:50
32R→EK9→MR-S(K20A換装)ときてE87を購入。 本当は一目惚れしたZ4クーペが欲しかったが、実用性を考慮して断念。 そのかわりとして荷物も人も...
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