ユーエムアイ M2052　制振ワッシャー  

E87のテーマは大人のスポーツカーである。
であるならば、不快な振動はできるだけ抑えたい。
そこでエーモンから出ているノイズ低減プレートが気になっていた。

詳しく調べてみると大同特殊鋼株式会社が開発したD2052という特殊合金で作られており、振動負荷を受けると、合金内に双晶活動（発生・消失・移動）が起こることで振動エネルギーが熱エネルギーに変換され、これにより振動をなくすというもの。
ん？これってM2052と全く同じような？
ということでD2052を調べてみると、組成成分はマンガン(Mn) 73%、銅(Cu) 20%、ニッケル(Ni) 5%、鉄(Fe) 2%とのこと。
これもM2052と全く同じ。
2052は銅20、ニッケル5、鉄2の合金を表し、主性成分がマンガンでMというもの。
M2052とD2052の何が違うのかを調べるために大同特殊鋼のホームページを見てみると、どうやらD2052はM2052をベースに独自改良のを加えたものとなっていた。
組成成分が同じなので、物質的には同じものであると思われる。
M2052はオーディオの世界では以前から高い評価を受けている合金であり、スピーカーなどの制振材として利用されてきた。
オーディオを趣味としている私としてはなじみの深いものである。

実際に商品を見てみると、D2052ワッシャーの異常な値段に驚く。
その値段差3倍から5倍。
独自の改良にその差分を払うのかと考えた結果、なじみ深いM2052ワッシャーを使用することにした。
ただ、D2052ワッシャーは車での使用を想定しているためか、かなり分厚いワッシャーである。
M2052ワッシャーの厚さは1mmか2mmなので、2mmをメインにしながらこれらを組み合わせて使用することにした。
ショップと相談の結果、フロントアッパーマウント、フロントスタビマウント、フロントスタビリンク上下、フロントショック下、リアスタビリンク上下、リアアーム、運転席、助手席シートフレームに固定ボルトに挟み込む形で使用することとなった。
D2052を使用した場合は工賃込みで33000円、M2052を使用した場合は半額15000円での施工が可能だった。

効果のほどはというと細かい振動、ザラつきが解消され、一段と高級感がアップした。
軋み音なんかも改善されているのを感じる。
プラシーボかもしれないが、次の車でもやるかやらないかと言われれば、必ずやりたい。
cpm、リジカラとならんで新しい車にまず入れる必須メニューとなった。

現在ではD2052は生産終了のため入手が困難になっており、仮にあったとしても値段はさらに法外なものになっている。
M2052は古くから生産されており、供給は今後も安定していると思われる。
もし、制振ワッシャーに興味をもったものの、入手ができずに諦めている方がいたとすればM2052という選択肢があるとをお伝えしたい。