FD3Sでは、もう15年以上基本的にエンジンオイルは
モービル1を使っていました。GRBはメンテパックに入っているので、定期点検で交換する時は、純正扱いの
カストロールを純正油との差額を払って入れましたが、自分で交換した時は
モービル1を入れていました。
これは、モービルが化学合成基油の
PAOを開発したメーカーであり、モービル1は間違いなく化学合成油(PAO+エステル)のパイオニア的存在であったからです。
しかし、詳しくは
Wikipediaのモービル1へのリンクを読んで頂くとして、PAOとエステルを基本とした昔ながらのモービル1の処方は、0W-40と5W-50(Wikiの情報からも少し変わっているみたい)に残るのみとなっていて、私の使っていたグレードは「それモービル1と違うやん」というものになっていたのでした。
潤滑油としての性能であれば、エステル系の合成油の方が優れていますが、エステルは加水分解しやすいため、ロングドレイン(オイル交換間隔の長期化)特性にも優れたPAOを基本として、潤滑性能の強化のためにエステル系基油を処方するという、PAO+エステルが永らく化学合成油の基本となっており、モービル1はその基本に最も忠実なオイルでした、数年前までは。
エステルベースのモチュール300Vとかが良いのは分かっていましたが、オイル交換を月に2回することもあれば、6ケ月位しないこともあるので、避けていました。ま、一番の理由は高いということですけど。モービル1は安く入手する手があったので、300Vの半値以下で済んでいました。
また、従来からの鉱物油も進化を遂げていて、特にHVI油と呼ばれる
水素化された鉱物油(高度精製油とかと呼ぶ会社もあります)は、かなり良くなっているということは聞いていました。
以前は、このHVI油は鉱物油に分類されており、HVI油にPAOを処方したオイルは、部分合成油又は半合成油として販売されていました。HVI油のみを基油としたものは、当然「鉱物油」として販売されいました。昔のBPのオイルには、そういうことが缶にきちんと記載されていたのを覚えています。
ところが、いつかは分かりませんが、比較的最近(5~6年前?)、カストロールがHVI油を化学合成油(Synthetic oil)としてアメリカで売り出したことが話をややこしくします。リンク先のWikiに書いてあるとおり、HVI油は化学合成オイルではないというモービルの主張は退けられ、HVI油を化学合成油として販売することが認められてしまいました。
これに日本の表記も倣う事になり、今までは部分合成油として売られていたHVI+PAOのオイルはおろか、HVIベースのオイルまでもが、化学合成油を名乗ることになってしまったのです。
いやー、原油の値段上がったのに、エンジンオイルの値段はあんまり上がらないどころか、なんか化学合成油が増えてるなぁと思っていたら、こういうことだったのですね。。。知らんかった。。。
で、気が付けば、化学合成油ではないとモービルが主張したHVI油が、モービル1にも処方されているし。。。。 しかも、自分の使っていた15W-50や5W-40は、HVI油ベースにPAOとエステルを添加したと言っても良さそうな処方にまで落ちているようです。10W-30のモービル1は昔の処方とは違うと聞いたことはありましたが、これは少し古めの車に使われる粘度なので、その関係だと思ってました。
でも、量販でのメイングレードと思われる5W-40や、高負荷で使われる15W-50が、昔で言えば、いいとこ半合成油になっているとは、結構ショックでした。
なんか、俺の青春を返せ!という気分です。
では、もう本当の化学合成油を見分ける方法はなくなったのか?というと、あったのです(続く)。
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RX-7 | 日記
Posted at
2009/07/21 00:19:24