概要
bootmod3 (bm3) で ECU を書き換えた場合の燃費はたぶん平均的には変わらない or 少し悪化することが多いんじゃないかな,という話.
燃費に影響しそうな要素
疫病に伴うアブラの需給不安定化と戦争で原油価格がえらいことになり,ガソリン価格も上昇中.そんな事情がなくても bm3 が燃費にどう影響するか気になる人もいるかもしれないのでメモ.似た傾向は
だでぃさん,
おーkawaさん も紹介しています.
ただ,「bm3 前後で 12.3km/l → 11.8km/l でした!」のような測り方は出来ていない & エアコン利用やオイル交換など燃費に影響がありそうな要素が揃っていないため数値で比較するのではなく,3つの要素について燃費への影響を考察します.
1. 街乗り・ストップ&ゴー: たぶん燃費悪化
2. 速度維持: ほぼ変わらない
3. フル加速: 燃費悪化
1. 街乗り
bm3 は MAP によらず
アクセルを強めに踏んだように挙動を変えます.DPC を Sport モードにしたり
スロットルコントローラで加速をよくするのに似た状況だと思います.要は (特に発進時に) 急加速ぎみになるので,信号や交通量が多い道を走る際には特に燃費を落とすことになっていそうです.40km/h 以上出せなさそうな道で Sport モードで走ると燃費への影響が見積もれるかもしれません (Sport モードはギアを低めに保つといった点も変わるのであくまで近似です).
2. 速度維持
加速したあとに速度を維持するような部分は純正状態から制御が変わらないようなので燃費も一緒です.空いている道をよく走るため 1. の影響が少ない場合は全体の燃費の変化は無視できる程度だと思います.
3. フル加速
ブースト圧を上げる (酸素がふえる) & 空燃比が下がり燃料を多めに使うように変わるので燃費は悪化します (たくさん取り込んだ空気を濃いめにガソリンで割っている).トルク & 出力上昇の代償です.
純正状態のログではブースト圧 (boost pre-throttle) が 700hPa 程度 & 空燃比 (lambda) が 0.93 程度まで下がる一方で
bm3 のログではブースト圧 1100+hPa & lambda が 0.85 まで下がっています.
なお,ログ中の lambda 値は 1 のときが空気 14.7 : 燃料 1 の比率に相当し,燃料は分母側なので燃料消費増で lambda 値は下がります.実際にログをとっていると 2,3 本走るだけでガソリン 1l ぐらい食ってるんじゃないのかというほど残り航続距離が縮んで行きます.
ECU が一番書き換えられる部分なため色々書きましたが,公道を普通に走る場合の "実燃費" からはかなり縁遠いため参考になるかは怪しそうです.大抵の状況では床まで踏むと3秒以内には速度違反か前の車に追いつくと思うので...
まとめ
bm3 の燃費への影響はアクセル感度がよくなるため加速時の燃料消費が増える分だけ不利ではないかという話でした.「燃料を多く使うけどその分加速して速度は増えるので km/l の値はトントンにならんか?」という疑問はあるかもしれませんが,経験的にはじわじわ加速する方が燃費が良い印象です.
他の要素としては「楽しいから踏んじゃって燃費悪化」というパターンもありそうです.加速の軽やかさは最初は感激しますが,すぐに慣れてしまうので悪循環コラを誰かが作っているかもしれません.
Posted at 2022/04/10 21:33:09 | |
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