
世間でいう(妻曰く)旅というものは「目的を作る」のが当たり前らしいので仕方なく、紅葉で有名な群馬県の谷川岳に決める。
しかし紅葉の色づきには程遠く、オマケに上に行くほど霧で足もとも見えなくなってしまったのですぐに引き返す。
帰路を長野経由に変える。
今回の旅路は神奈川から圏央道でまっすぐに北上し、群馬のとある宿に泊まった。
度重なる妻の便乗で「楽しみにしている車中泊」が未だ達成出来ずにいる。
スタートから数時間、抑揚のない高速道路とひたすら自分を取り囲むトラックに嫌気が差し、国道17号線を離脱する。
すると「からっ風街道」という全長20キロ以上に渡って続く素晴らしいワインディングを見付ける。
程よいアップダウンによく整備された綺麗な道。
時間はかかるが信号がないので走っていてストレスがない。
BRZは水を得た魚、喜んでいた。
途中、群馬サイクルスポーツセンターの脇を通る。
普段の群サイは本当に「自転車」が走っているのだろうか。
長野の山道に入ると白樺の木が目立つようになり、道並みが明るい。
赤や黄色の紅葉がちらほらと目に入り、美しさにため息が出る。
天気はあいにくでも神奈川では走ることの出来ないワインディング。
絵のような景色を見付ければすぐにクルマを停め写真を撮る。
山の紅葉は寒暖差が激しい程、鮮やかに色づく。
私は仏のような老人に会うと、時おりこんな風に思う。
長い人生を生きるということは楽しいことばかりではない。
むしろ苦しいことの方が多いかもしれない。
そんな、人には言えぬ艱難辛苦があったからこそ、老人は仏のような晩年を迎えられたのではないかと。
2日間での総走行距離は約600km。
ロードスターならとうに腰は痛くなり、帰ってくれば疲労は著しい。
まったくといえば嘘になるが、BRZでのドライブは想像以上に疲れなかった。
シート形状、エンジン特性、足回りの融和さ加減。
BRZに決めて良かったと心から思った。
Posted at 2022/10/14 13:00:48 | |
トラックバック(0)