
【エンジンフィール】最大トルクの発生回転数が3700ということで慣らし運転でのストレスは無かった。
ただ一般論で考えると、中低回転域にヤマ場を持ってくるということは高回転域での抑揚減を意味する。
慣らし明けの高回転が楽しみである反面不安でもあった。
低回転域から高回転域まで、フラットな特性のエンジンもあれば局所的にパンチの効いたエンジンもある。
昔は途中からドカンと来るターボエンジンや、下はスカスカでも高回転域で目の覚めるようなNAエンジンが沢山あった。
トルクの急な浮き沈みはスポーツシーンにおいてネガティブな印象しか与えないが、振り幅の大きな回転計はドラマそのもの。
いずれも使い勝手が悪いエンジンには「加速」の中に一本の映画を観るが如く夢や希望が感じられた。
遅いとか、速いとか、エンジン特性をラップタイムでしか論じ合うことしか出来ない人には理解し得ないだろう。
新型BRZは早い段階で最大トルクに到達し、そこから上まで比較的フラットに回り切る。
しかし2速で高回転まで回すと3速にシフトチェンジした瞬間、アクセルを抜いてしまう。
それは安全な速度域を逸してしまうからである。
私は前モデルの86BRZには乗ったことがないが、ひょっとすると2.0リッターの方が楽しいのではないか。
2.4リッターのエンジンは正直オーバースペックに感じてしまう。
第一線のスポーツカーに比べたらおとなしい部類に入るのかもしれないが、もはや楽しく走る為のスポーツカーというより速く走る為のスポーツカーになっている。
それにしてもNAでありながら3000回転そこそこからグイグイ引っ張るトルク感は今までにない体験である。
月並みな言い方だが技術の進歩は素晴らしい。
NDロードスターはフラットなエンジン特性だったがドラマもあった。
「楽しいエンジン」
それはどこか鉛筆を最後まで使い切るような、あるいは歯磨き粉を最後まで絞り出すような、我々素人にも扱い切れる道具ではないだろうか。
モアパワーな車は日本の道路交通事情をベースで考えると必ずしも楽しさイコールとはならない。
いつの日か2.0のBRZに乗ってみようと思う。
Posted at 2022/08/09 17:28:22 | |
トラックバック(0)