
メガライフレーシングバッテリーMR-30がふた夏越えていよいよ劣化して92%なのか!?
→ No, いとおかし。ではなくてこれは正常で、新品時からこのくらいなんです。バッテリーセルが冷えて活性が落ちている時は。言うなれば、バッテリーセルのまったり休憩モードなんですね。
メガライフレーシングバッテリーのバッテリー諸元として表記されるCCAとかはあくまでも車載して使用している状態でのものなんです。
なので、
こんな感じでエンジン稼働させて温まりセル活性が上がって暫くの間のCCAはむっちゃ元気です。
実はこの『お休みステータス』が観測できる事がとても大切で、始動用バッテリーユニットとして無理の無い構成と正常な稼働状態を示すものなのです。
人間と同じでバッテリーセルにもお休みは大切です。
この点、バッテリーユニットの内部構成に直列セルを複数本並列接続しているものでは、内部で常に電荷の動きがあったり、内部温度むらなどでセル活性の異なる部分同士のドンパチが行われ続けますので、常に緊張状態でセル活性が高いままとなります。
並列構成は並列なのですから、基本的にはその並列構成を解除する訳にはいきません。不用意に並列を解除すればロードダンプによるリップルノイズも出るし、セルバランスも崩れますし、スペアバッテリーの充電もできなくなります。
並列同士のセルバランスが一旦崩れ出すと大変です。セル活性の高い直列側がセル活性の低い直列側から攻撃されます。これは電気原理的なもので回避しようがありません。
そこで注目されるのが元々セル活性が低い、バッテリーとしての能力が低いスペアバッテリーの存在です。
CCA1200に対してCCA300のスペアバッテリーを組み合わせるとセル活性はそもそも4倍の開きがあります。それだから内部の半導体スイッチで普段は切り離して問題が起きないようにと考えるのも人情ですが、これがいけません。
半導体スイッチは文字通りの半導体であって、完全なる絶縁体にはなり得ないものです。ここで内部絶縁不足が生じてずっと繋がれたままの並列3本が、そのバッテリーを構成している限りは互いに攻撃し続けるという修羅場です。
この半導体スイッチは基本原理的に、その電気容量が大きいものほど漏れ電流が大きくなります。ですので対策でBMSの容量増加して強化しました!なんて悪手を打つと、交換品を受け取り箱に入ったまま使わずに4ヶ月保管していただけである日テスターで見てみると、自己放電が少ないはずなのにバッテリーがお前はもう死んでいる。みたいなことにもなりかねません。
ですので、緊急用スペアバッテリーの代用としてポータブルジャンプスターターを用いるのが勝利の鍵です。別体でジャンプスターターを持っていれば電気的絶縁は完璧ですからね。
そうした問題のある並列構成ではない、シンプルな直列構成のバッテリーならばそもそも論としてバッテリー上がりしません。確かに軽量化を狙って容量が少ないものを選びがちなので上がりやすい傾向はありますが、20AhのMR-30でもみんな平気で1週間放置とかしても何も問題ないです。
いつの日か、こうした問題を克服した始動用リン酸鉄リチウムイオンバッテリーが発売されることを願っています。
Posted at 2022/11/25 17:52:16 | |
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