
これは、メガライフバッテリーMV-072を既存の鉛バッテリー前提設計の充電制御車で使用した場合の充電制御による充電電流推移の様子です。
減速時の回生充電で電流値が高い所では63Aから65A、低い所では0Aと、鋸歯状に激しく乱高下します。
一般的に、不安定な充電制御は車両充電システムとバッテリーに故障を生じさせる原因となりますので注意が必要です。
こちらが本題のリン酸鉄リチウムイオンバッテリーの充電特性における、所謂『悪魔の爪先』で、赤丸の充電終止付近の所で大きくSOC-OCVが急激に立ち上がっているのが分かります。
優れたセル活性能を有するバッテリーだとこの現象が更にピーキーに現れる為、車載バッテリーなどの用途では電圧変動が大きく制御が困難なので、この悪魔の爪先の領域については、電流遮断を伴うことのない充放電を繰り返す使い方をすることは不可能に近い難しさがあります。※超巨大な抵抗器を用いれば別ですが。
そこで一部のリン酸鉄リチウムイオンバッテリー製品では、電子スイッチによる電流遮断で対応しているように見えますが、これは、車輌電装におけるバッテリーロードダンプという、突然バッテリーが車輌電装から取り外された状況と同じになるので、とても危険なものです。
そこでRED-BMSでは、車輌の充電制御システムのBMSとして、バッテリーの状態を仮想化管理することにより、走行中の充放電領域ではこの悪魔の爪先の付け根ら辺を狙い制御して、電流遮断が起きないよう、良い塩梅で活性が高い領域を活用します。
また、CTEK充電器でメンテナンスを兼ねたガレージ充電をすることで、悪魔の爪先からスロープを降る領域ではオルタネータ発電を停止し、充電フリクションフリーで走行できる、アタック走行モードも併せて搭載しています。
このアタック走行モードを体感してみると充電フリクションがいかに大きかったかがよく分かります。
電流遮断しても化学電池の活性オーバーランはすぐには止まらないのと、急激な遮断と再接続を繰り返すことでバッテリーセルと電子部品のダメージの蓄積は避けられません。
本来は5年から10年持つはずの期待寿命の製品が早期に劣化故障する場合には確認した方が良いポイントかも知れません。
Posted at 2022/11/29 21:40:17 | |
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