今回は今月で平成も最後で来月から「令和」という新元号開始されるということでいわゆる平成発売の車でも1990年代に発売した個人的に発売年別に№1といえるクルマを特集します。
1990年(平成2年)発売の№1はホンダレジェンド(KA7/8型)です。

ホンダのフラッグシップ「レジェンド」の2代目モデルで先行販売のセダンと遅れて販売開始のクーペともに全車3ナンバー化と同時にCB5型アコードインスパイア・ビガーに先行採用された前輪駆動でありながらエンジンとミッションを縦置き配置するFFミドシップレイアウトと実車衝突を想定した全方位安全設計ボディと日本車初の助手席をはじめとするデュアルエアバッグ、前席プリテンショナーシートベルトが採用されたと同時に「目指したのは、世界最高性能の安全性能です。 スーパー・レジェンド誕生。」というキャッチコピーと実車衝突実験を行うCMが話題になりました。
1991年(平成3年)発売の№1はスバルアルシオーネSVX(CX系)

事実上の先代(AX系)とは異なり全車3ナンバー化と現在でもスバルのハイパフォーマンスAWDに受け継がれるセンターデフを有する電子制御トルク配分フルタイム4WD「VTD‐4WD」とEG33型水平対向6気筒エンジンが搭載され、同時にイタルデザインを率いるジョルジェット・ジウジアーロ氏が原案を手掛けるミッド・フレームウィンドーとグラスキャノピーデザインを採用することが話題になりました。
1992年(平成4年)発売の№1はトヨタマークⅡ・チェイサー・クレスタ(X90系)

ナンバー1ハイオーナーカー3兄弟で7代目のマークⅡと5代目のチェイサーはサッシュレスのピラードHT、4代目のクレスタはプレスドアセダンで全車3ナンバー化と4輪ダブルウィッシュボーンサスペンションが採用され、3兄弟別に異なるボディパネルを採用、JZX81型GTツインターボ時代は影の薄かった1JZ‐GTE型搭載のハイパワーグレードは「JZX90型ツアラーV」となって話題になりました。
1993年(平成5年)発売の№1はマツダランティス(CBA系)

コンパクトな5ナンバーサイズでありながら最高レベルの回転性と吹き上がり性能を誇るKF‐ZE型2.0V6DOHC(CBAEP型車)が搭載された仕様を用意する、異なるデザインの4ドアクーペと4ドアセダンでサッシュレスのピラードHTを採用、当時の国内メーカーでは最高レベルのボディ・シャシー剛性と新安全基準適合第一号車ということで実車衝突実験を行うCMが話題になりました。
1994年(平成6年)発売の№1は三菱デリカスペースギア(PD/PE/PF系)

4WD車が人気のワンボックスカー「デリカ」の4代目モデルで歴代デリカ初のクラッシャブルゾーン大きく確保した新安全基準対応のセミキャブオーバーボディとV20・40系パジェロ譲りのスーパーセレクト4WDを採用すると同時に標準エアロルーフ(PD系)、標準ハイルーフ/クリスタルライトルーフ(PE系)、ロングハイルーフ/クリスタルライトルーフ(PF系)という豊富なボディバリエーションを用意、2006年まで生産されて現在でも人気があるが重心の高さを指摘する評価もありました。
1995年発売(平成7年)の№1は日産セドリック・グロリア(Y33系)

高級サルーン「セドリック・グロリア」のセドリックとしては9代目モデル(グロリアはプリンス自動車から数えて10代目)でY32系から引き継がれる丸目ヘッドライトが人気のスポーツモデルのグランツーリスモシリーズとフォーマルなラグジュアリーモデルのブロアムシリーズが用意されセンターピラーありサッシュレスドアのピラードHTが採用されVG系後継の新世代V6エンジンVQシリーズがFR車として初めて搭載された世代で、メーカーオプションのバードビューによる地図表示を行うナビシステム搭載のマルチAVシステムが話題になりました。
1996年(平成8年)発売の№1は日産ステージア(WC34系)

日産ではR31系スカイラインワゴン以来の乗用専用ステーションワゴンでC34系ローレルとR33系スカイラインをベースにする3ナンバーボディを採用スポーツワゴンのRSシリーズとラグジュアリーワゴンのXシリーズを用意、日産自動車系特装車メーカーオーテックジャパンが1997年発売した第二世代GT‐Rと同一のRB26DETT型直62.6DOHC24Vツインターボエンジン搭載のチューニングモデル「WGNC34改型オーテックバージョン260RS」が話題になりました。
1997年(平成9年)発売の№1はいすゞビークロス(UGS25DW型)

1993年の東京モーターショーにJT191S型ジェミニ4WDをベースにしたクロスオーバーSUV「ヴィークロス」として参考出品され、そのヴィークロスのデザインモチーフを利用して、UBS69/25DW系ビッグホーンショートをベースのSUV(クロスカントリーRV)スペシャリティーカーでTOD4WDと6VD1型3.2V6DOHC24Vガソリンエンジンを搭載、SUVの常識を変える独創的なデザインが話題になりました。
1998年(平成10年)発売の№1はトヨタアルテッツァ(XE10系)

新世代FRプラットフォーム採用のFRスポーツセダン(サルーン)でロングホイールベース・ショートオーバーハングと1G‐FE型と3S‐GE型の2種類のエンジンをフロントミドシップに搭載、後輪車軸前への燃料タンク搭載など重量配分の適正化を実施、「レクサスIS (2代目からレクサスブランドの展開により国内でも同一)」として世界市場にも導入され、2001年7月にステーションワゴンとハッチバックの中間のショートワゴン(シューティングブレーク)のジータが発売、一部のメディアからAE86型レビン・トレノの再来と言われて話題になりました。
1999年(平成11年)発売の№1はフォードリンカーンLS(1LN系)

北米フォード・モーターの高級車ブランド「リンカーン」のエントリーモデルでEセグメントに属する、駆動式にはFRが採用され当時はフォード・モーター傘下のイギリス・ジャガーのSタイプ(J01系)とプラットフォームを共有、日本では1999年10月からフォード・ジャパン・リミテッドにより輸入販売が開始されてリンカーンブランド初の右ハンドル話題になりましたがブランド力の低さと旧オートラマ店を引き継ぐフォード店でも一部店舗のみの販売ということもあって同一プラットフォームのSタイプは成功してもLSはドイツ3大プレミアムEセグに比べて日本だけでなく、世界的に苦戦を余儀なくされました。
1990年代に発売の車は発売年数によりコンセプトが違ったりします。
1990年をはじめに1991年に発売であれば1989年発売を引き継いだようなバブル全盛らしいスポーツカーをはじめに高級車が出そろい、1992年発売であればバブルは色濃く残っているがRVや小型車など実用志向に移り変わり、1993年発売であれば従来型の流用などのコストダウンと同時に安全性を高め、1994年発売であればコストダウンをより強めながらもライフスタイルへの提案、1995年と1996年発売であれば安全装備の充実、1997年と1998年発売であれば安全性でだけではなく環境への取り組みを高め、純正ナビの視認性の改善、1999年発売であればセダンをはじめにハッチバックでもファミリーカーとして主流になりつつあったミニバンに近い全高の車種が多くなりました。
Posted at 2019/04/26 15:08:41 | |
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