
他メーカーの同クラス車特集3回目は以前にカタログを取り上げた、三菱ギャラン(E50系)を特集します。
E50、60、70、80系ギャランについては1992年(平成4年)5月に発売したギャランの7代目モデルでギャランでは初の3ナンバーサイズのボディが採用されました。
ボディサイズについては旧型に比べ車幅で35mm、全長で50mmから70mmまで拡大、ホイールベースについては35mm、トレッドはフロントで50mm、リヤで55mm拡大され、特に全幅については1730mmの1.7mを超える3ナンバーになったが全高は30mm引き下げられ、フロントオーバーハングの短縮とコーナー部を削り、最小回転半径5.3mの実現とドアミラー両端部を5ナンバー並みにすることで3ナンバー車に拡大されながらも使い勝手の向上を高めていた。
空力性能についてはセダンでは最高レベルのcd値0.29を誇っていた。
エンジンについては6A12型V61998ccと6A11型V61829ccの新開発のV列6気筒エンジンが主要グレードに搭載され、一部グレードには4G93型直41834ccエンジンと4D68型直41998ccインタークーラー付きディーゼルターボエンジンが搭載された。
特に2000cc車に搭載される6A12型V61998ccエンジンついてはMX向けのノーマルなSOHC始めにMX、VX向けのDOHC、VR-4向けのMTでは240psを誇るDOHCインタークーラーターボ付きが用意された。
足回りについてはFF車では世界初の4輪マルチリンク独立サスペンションが採用され、VR-4については電子制御可変アブソーバーのECSが採用された。
ブレーキシステムについてはVR-4にフロント2ポッドキャリパーと15インチローター、リヤ15インチローターのベンチレーテッドディスクブレーキが採用され、グレードに応じてフロントベンチレーテッドディスク、リヤディスクとフロントベンチレーテッドディスク、リヤリーディングトレーリングが装着されていた。
ABSについてはVR-4は標準装備でその他グレードはメーカーオプション設定となっていた。
ハイテク技術、装備についてはファジィシフト4ATを始めにファジィTCL、電子制御フルタイム4WD、アクティブ4WS、アクティブプレビューECS、エアピュリファイアファジィエアコンなどにファジィ理論を応用したINVECSシステムが搭載されていて、INVECS装備はグレードごとに異なっていました。
4WDシステムについてはビスカスカップリング制御センタデフ式フルタイム4WDとINVECS装備の一つであるファジィTCLと連動する電子制御フルタイム4WDが用意されていた。
衝突時の安全対策はクラッシャブルボディ、燃料タンクのシート床下配置と同時に燃料漏れ防止用のロールオーバーバルブの採用、サイドドアビームの標準装着、後席ELR3点式シートベルトの全車標準装備、運転席SRSエアバッグのメーカーオプション設定が行われた。
AVシステムについてはナビゲーションやテレビ受信、エアコン操作が可能な三菱マルチコミュニケーションシステム(MMCS)がDS3、エアピュリファイアファジィエアコンとセットメーカーオプションで用意されていて、テレビの受信の可能なライブビジョン、デジタルスーパーライブサラウンドシステム(DS3)がメーカーオプション設定がされていた。
形式については1.8直4エンジン搭載のFF車がE52A、1.8V6エンジン搭載のFF車がE53A、2.0V6エンジン搭載のFF車がE54A、2.0直4ディーゼルエンジン搭載のFF車がE57A、FF、2.0V6エンジン搭載の4WS装着のFF車がE64A、1.8直4エンジン搭載の4WD車がE72A、2.0V6エンジン搭載の4WD車がE74A、2.0直4ディーゼルエンジン搭載の4WD車がE77A、2.0V6エンジン搭載の4WS装着の4WD車がE84Aになっていた。
その後、1993年(平成5年)2月に6A12型V62.0SOHCエンジン搭載のV62.0ヴィエント(E54A)が発売され、1993年10月には1994年モデルの発売と同時に各種グレード、装備、塗装の変更を行い、2000ccNAでは最強の200ps(MT車)、195ps(AT車)を実現したMIVEC機構採用の6A12型エンジン搭載のVX-R(E54A)と4WSなどを省略して値段を引き下げたVR-4Sタイプ(E74A)を発売、1994年(平成6年)1月にお買い得仕様車1.8EXE(E52A)、1994年5月にMXをベースにしたMXエクストラ(E54A)、1994年8月には欧州仕様に用意された5ドアハッチバックをベースにグリルガード、ルーフレール、大型リヤスポイラーを装着したギャランスポーツ(スポーツGTはE74A、スポーツはE54A)を発売、1994年10月にはグリル、バンパー、テールランプの変更、マイナーチェンジを実施、グレード名についても1.8V6MUがエクシード、2.0V6MXがスーパーエクシード、2.0V6VXが2.0V6ヴィエントⅡに変更と同時にグレードの統廃合、4G93型直4DOHCエンジン搭載の1.8ヴィエントⅡ(E52A)、4WDで6A12型V6DOHCエンジン搭載の2.0ヴィエント4(E74A)の追加が行われ、VR-4には大型リヤスポイラーが装着された。
1995年(平成7年)5月にはギャラン25周年記念特別仕様車(ヴィエントツーリング、E52A、E54A)が発売され、1995年10月には一部改良、グレード変更、安全装備の充実が行われ、1996年(平成8年)8月に兄弟車であるエテルナ、エメロード(7月に生産終了)を廃止する形でEA、EC系に移行した。
覆面パトカー用途の警察車両としてE50系ギャランの導入は初期型1.8GE(E52A)、後期型1.8ヴィエントが捜査車両として使用されていて、大阪府警には後期型大型リアスポ装着のVR-4(E84A)の反転灯付き交通取締り車両が導入されていましたが現在では退役したと思います。
劇用車としてのE50系ギャランは特にテレビ朝日系木曜ドラマ法医学教室の事件ファイルについてはパートⅠでV62.0DOHCMX(E54A、トレドシルバー)が使用されていて、パートⅡについてはV62.0DOHCツインターボVR-4(E84A、MT車、トレドシルバー)が使用されていて、後継番組である女検事の捜査ファイルについてもV61.8MU(E53A、アルハンブラシルバー)が使用されていました。
日本テレビ系列の金曜刑事ドラマ枠のはだかの刑事にV62.0DOHCMX(E54A、トレドシルバー、法医学Ⅰの転用車だと思われる)が使用されていました。
同一プラットフォームの兄弟車エテルナ、エメロードも含めE50系ギャランが苦戦した要因としては旧型に比べマッシブ感が薄れたスタイル、3ナンバー車でありながら全高が低くなったために5ナンバーだった旧型より狭くなった居住空間、RVワゴンブームの繁栄、ライバル車の増加、セダン需要の衰退などが売れなかった要因だと思います。
個人的には歴代ギャランでもE84A型はE39A型と並んで好きな形で、特にE84A型VR-4はBG系レガシィワゴンの陰に隠れたと言われたBD5型レガシィセダンRSと並んで気に入った4WDスポーツセダンのひとつです。
今回の画像は以前に撮影した台数の少ない大型リアスポ装着のE84A型ギャランVR-4(後期型)です。
Posted at 2009/04/18 10:52:12 | |
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