
今回、オークションで入手したマツダアンフィニMS‐9(HD系)のカタログを取り上げます。
カタログについては「自分にもっと忠実に、人にもっと優しく。」から始まるキャッチコピーから始まって、HDES型30タイプⅣと30タイプⅢの写真、30タイプⅣ(HDES)のインテリア写真、コンセプト説明、エンジンと静粛性、トランスミッション、エンジンを前車軸より後退させたFRフロントミドシップレイアウト・4輪マルチリンクサスペンション・4WSと4W‐ABSなどのシャシー系、シート・キャビン、オーディオシステム、ソーラーベンチレーションシステム、安全対策、環境対策、コクピット設計と運転席周りの写真、特徴的な装備、各種装備、グレードの紹介、ボディ・インテリアカラーの一覧、主要メーカー・ショップオプション(ディーラーオプション)の紹介、装備表、スペック概要表が記載されていました。
HD系センティア(海外ではマツダ929)のアンフィニ店用モデルとしてHD系センティア発売から5か月近く後に多チャネル作戦によりマツダオート店からアンフィニ店(その後のマツダアンフィニ店 現在では大半がマツダ店に統合)の発足により発売されたHD系MS‐9ですが独自仕様があっても北海道などのアンフィニ販売会社の店舗販売力が強い地域を除けば本拠の広島県をはじめに防府工場が所在する山口県などでは公用車・社用車などの法人・官公庁特販ユーザーも多いマツダ店扱いのセンティアに比べて登録販売台数が少なく、バブル崩壊による販売不振とマツダ5チャネル作戦失敗による車種削減により1994年1月のセンティアのマイナーチェンジ時にセンティアに統合されたがそのセンティアについても発売時には西日本地区などで好調のセールスでしたが事実上の先代であるHC系ルーチェ4ドアピラードハードトップに比べて3ナンバーサイズの大型ボディでありながら後席ヘッドルームとトランクスペースが狭くなったことにより販売の低迷が続き、2代目モデルのHE系ではサッシュレスドアでありながら正統派セダンのパッケージングを取り入れたが当時のマツダの経営不良によるイメージ悪化により販売が伸びずEセグメントサルーンの市場ではトヨタをはじめに日産、ホンダに水を上げられ2000年3月に生産が中止された。
HD系MS‐9については錆対策はしっかりしてもFRで重量バランス対策に力を入れたレイアウトを採用したことによりLSDが用意されていても雪道の走行性能が低くなったといわれることから同じFRでもHC系ルーチェに比べて見る機会が少なく、ここ最近は2年以上実車を見たことがありません。
マツダ5チャネル作戦の象徴として名高いテレビ朝日系「木曜ドラマ・大空港'92」の劇用車としても30タイプⅣ(ブラックフォレストマイカツートン ソーラーベンチレーションサンルーフ HDES)の劇用車としても起用されました。
個人的には曲線的な美しいデザインと上位グレードのみ用意された本木目パネル、ビッグサイズでありながら4WSにより最小回転がコンパクトカー並みだったことに対しては高く評価しますがフラッグシップサルーンの割に革をはじめに木目など劣化がの早かった言われた内装の改善と2代目のHE系センティアには用意されたTCS装着車が用意され、実現しない話ですがJCESE型ユーノスコスモに搭載される20B型ロータリーエンジンが用意されればさらに良いと思います。
最近になってからマツダが直6エンジンを開発する話が出ていますが現在のフラッグシップである「アテンザ」より上位クラスに属する走る愉しみとアグレッシブながらも美しいデザイン、先進の総合安全性能・環境性能、高い燃費などの設計思想を備えたを備えた現在のマツダが得意とするクリーンディーゼル採用の直6エンジンをフロントミッドに搭載するプレミアムな縦置きFR車が開発されることを願いたいと思います。
今回の画像はHD系アンフィニMS‐9のカタログと同じく1991年に発売されたNTTドコモの超小型携帯電話ムーバP(TZ-804 松下通信工業製)です。
Posted at 2017/02/24 08:22:03 | |
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